9月1日

Attention

・病んでます

・自殺表現🐜

一応桃青のつもりです⬅️

『9月1日』

---

『9月1日やな』

『おやすみ』

それを大好きな彼に送って

俺は今からここを飛び降りる

会社の屋上

いつも来ていたスーツにいつもかけてたメガネ

いつも通りの洋服で

いつも通りの街並み

屋上から街を眺めながら酒を一缶開けた

死ぬと決めたはずなのに

どこか抗いたい自分がいるのが

また気持ち悪くて死にたい気持ちを加速させる

酒を飲みながらスマホのデータを一つ一つ消していく

大嫌いな上司の連絡先

世話になった親の連絡先

今でも仲の良い高校の友達の連絡先

まだクソガキだが悔しいぐらいにかっこいい赤色の連絡先

大嫌いで不仲だが誰よりも脆くて弱い水色の連絡先

ふざけまくるお笑い担当だが一番優しくて他人の事を優先する白色の連絡先

いつも頼りになるおかんだがバチバチにかっこいい歌を聴かせてくれる黒色の連絡先

そして

最後に一つだけ残った連絡先は桃色だった

消そうと思った

思ったのに

消せなかった

まぁ死ぬ直前でいいかなんて思って今度はフォトアルバムを開く

ライブの写真

プライベートの写真

二度とやりたくない書類の写真

友達との写真

家族との写真

メンバーとの写真

料理の写真

歌の歌詞の写真

その写真がどんな時に何のために撮ったのかもあまり思い出せない

でも

楽しかったな

酒も飲み終わって

スマホのデータも消した

これでもう終わりだ

『 やっと終われる ‥‥ 、 』

そのまま身を任せ

俺は闇の中へと落ちていった

『9月1日やな』

『おやすみ』

大好きな彼から送られてきたメッセージに胸騒ぎを覚えた

嫌な予感がして冷や汗が出た

彼がどこにいるのかも

何をしようとしているのかもわからない

そんな自分が嫌だった

メンバーに聞いても

連絡はつかないし

そもそも彼の連絡先すらないというのだ

急いでスマホを見る

俺のスマホにはまだ彼の連絡先があった

淡い期待を持ちながら連絡を入れ続ける

なんで

なんで

なんで

既読がつかないの

電話にでないの

返信してくれないの

嫌な妄想が頭をよぎる

勘違いだと言い聞かせながらメッセージを送り続けた

急にスマホの画面からエラーという文字が出てきた

強制的にホーム画面に戻されたスマホから急いでメッセージアプリを開く

さっきまで必死にメッセージを送っていた彼の連絡先はどこにもなかった

グループLINEにも個人ラインにもいない

Xアカウントもインスタもなくなってる

反射的にスマホを投げて急いで家から飛び出す

どこにいるの

どこに行ったの

どこに行こうとしてるの

頭はぐちゃぐちゃだったが足は引き寄せられるように彼の会社へと向いた

屋上に影が見える

間違いない

彼だ

急いで屋上へ駆け上がる

足が引きちぎれるかと思ったが

それでも駆け上がった

勢いよく扉を開けた先にいたのは

もう落ちる寸前の彼だ

『青‥‥、ｯｯ！！！！』

無意識に彼の方へ体を伸ばしていた

彼の体は掴んだはずなのに

俺の体は傾いて

闇の中へと落ちていった

『次のニュースです』

『都内某所の会社の下で血まみれの男性2人が見つかりました』

『2人のうち片方は重傷、もう片方は先程死亡が確認されました』

『警察は自殺と見て捜査を進めています』

9月1日

子供が自ら命を落とす確率が一番高い日

そんな日に

俺の大切な人は

死んだ

---

みんなも無理しないで

逃げ出していいんだよ