コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ーーーーーーーーーーーーー
パーーーーーーン。
弾けるような轟音が、住宅街にある小口自動車まで響き渡ったのは、美央が朝の内に届いたスタッドレスタイヤの整理をしているときだった。
「何の音………?」
表の道路まで出ていくと、ショールームの中までも聞こえたらしく、受付嬢の香苗も飛び出してきた。
「なんですか、今の」
辺りを見回している。
「まるで銃声みたいなーーー」
そこまで言ったところで、
パーーーーーーン
2回目のその音が響いた。
香苗が思わず耳を塞ぐ。
「なんなの……?」
カウンターの中にいた義雄も外に出てくる。
「あれはーーーー」
「あれは?」
香苗と美央は同時に振り返った。
「猟銃だ。俺の実家では熊や猪対策に、威嚇射撃をしたもんだけど。その音と同じだ」
「猟………銃………?」
美央が再度住宅地を見た瞬間、
ドン!!
今度は銃声ではなく、爆発音が響き渡った。
また住宅地の方からだ。
「今度は何よぉ!」
香苗が涙目でしゃがみこむ。
「あっちの方向って……」
義雄がキャップを外して手の中で丸めながら、住宅地を睨んだ。
「秋元の家があるほうじゃないか……?」
美央もキャップを外してそちらを見つめた。
真っ青な空に墨汁を溢したかのような黒煙が、もくもくと吹き上がっていた。