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「ラオ。好きだよ。」
いつものように、挨拶でもするように。
おはよう、とでもいうようだ。
軽くて淡々とした口調で。
ひゅう、と城の外の砂が舞い上がった音がした。
黄昏時の光が窓から差し掛かっている。
「は…?」
俺はピタッと本を読むのをやめて、見上げた。
軽い口調にしては、真剣な目。
灰色の瞳が少しふんわりと微笑んだ。
が、目の奥が笑っていない。
「待て待て、俺は王子なんだぞ?」
こいつ、わかっているのだろうか。
貴族同士しか恋はしたらダメだ。
そう、教えられて来たから。
「…断る」
また、俺は読書を再開した。
目が合わせられないからだ。
下を向いて、必死に顔を隠す。
少し、顔が熱くなるのが感じた
今、俺絶対顔赤いだろ、…
そんな気持ちを隠しながら、ドクドクと変な音を立てる心臓の音を聞こえないようにした
「わかってる。」
その言葉に、俺は思わず顔を上げた。
信じられなかったからだ
「わかってるなら、なんで__」
そう言いかけて、やめた。
ヒロが俺の顎を優しく親指と人差し指で持ち上げているからだ
が。
逃げられない。
優しいはずなのに、俺の目を射抜いて離さない。
体が動かないのだ。
ヒロの顔がだんだんと近づいてくる。
「…ねぇ。ここ、誰の部屋かわかってる?」
穏やかな声。
でも、穏やかすぎて逆に怖い。
「しかも、座ってるのって俺のベッドだよね。」
だからなんだ、お前も座ってるだろ。という風に見ると、少し目を細めた。
ヒロの顔が間近にある事実に、少し…ドキドキしている様な気がした
「男の部屋に来たらどうなるか教えてあげようか?…もうちょっと、意識してよ。」
どくん、と心臓が波打った
恥ずかしくて顔が見れない。
逃げようと思って力を入れても、離れたくないとどこか思ってしまった。
「ね。ラオ。…今の顔、もうちょっと見せて。」
「ぇ、」
『ちゅ』
唇に柔らかいモノが触れた。
気持ちが良くて、身を全て託してしまった。
優しいけど、少し強引。
「ぷは、っ」
ヒロは少し息を吐いて、離れた。
銀色の糸が少し俺のヒロの間を引く。
“キスをした”その事実に、追々気づいてしまった。
ぶわっ、と体温が上がった感覚。
「…ラオ、王子様よりさ。」
ぎゅ、とヒロは俺を抱きしめる。
暖かい。逃げられないから、抱きしめ返す。
決して、離れたくないわけではない。
露亜
655
siku@🦊🤍彡推し
む む .
75
「俺のお姫様にならない?」
「さっき、断るって__」
“自分の心に、正直に。”
本に載っていた言葉。
正直なってもいいのだろうか。
もし、いいのなら…
「……幸せにしろよ」
貴方と結ばれてもいいですか?
「…仰せのままに、俺のお姫様。(ニコッ」
《貴方と結ばれたい》