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──────警察だ!警察を呼べ!!!」「早くしないと全員死ぬぞ!患者を外へ運べ!」「分かった。お前はそっちを…うっ。」
私たちがいる病室の外から、看護師や医者の声が聞こえる。病院の中を銃声が飛び交う。私は状況の把握が追いつかず震えた。
「ちっ…しょうが無い。これしか方法は無い。明…許してくれ。」
私は、己が狙われている事に対し恐怖、絶望、不安が一気に押し寄せるので、不安を必死に抑えようと、マサトの名前を呼ぶ。
「マサ…」
バシッ。
──────丈夫ですか!
「大丈夫ですか!!!」
はっ!と目が覚め、勢いよく体を起こす。そこは病院の外で、救急隊員のような格好の人達に担架で運ばれていた。
「良かった!正常だ!!」
「マサトは?」
「あなたは病院の中で倒れていたんですよ!」
「マサトは!?」
「マサトさん…?とはどなたでしょうか。」
「私の隣のベッドで
治療を受けていた人です!」
「あぁ。その方でしたら。
駆けつけた頃にはもう
いなくなられていましたよ。」
「まさか…マフィアのとこに…?」
──────俺が所長を殺しました。明は関係ありません。」
「そうかそうか。よく話してくれたな。さすがは俺の息子。じゃあ多少優しくしてやらんとなぁ。おい。はじき持ってこい。」
「わかりました!!!」
「親父…?」
その男の顔は真っ黒な仮面で覆われていて、誰かすらも、分からずにいた俺の耳に飛んできた言葉に、俺は疑念を隠せずにいた。
「そうだよ。俺はお前の親父だ。
だがお前を生かす義理も無い。
だが助かる方法は一つだけある。
ボスを殺したやつを言え。」
「親父……」
「さっさと言えよ!!なあ!!マサト!!!」
思いっきり俺の腹を蹴り飛ばす。
「名島最高幹部!!はじきです!!!」
「おお。マサト…お前は良い子だったよなぁ。だがそんな良い子もこの銃じゃあ1発でドカンだ。
さあ。死にたくなかったらさっさとボスを殺したやつを言え。」
そう言いながら親父は、
俺に向かって銃を構える。
「──────」
──────まさか…マフィアのとこに…?
だめ。絶対だめ。私を助ける為に囮になるなんて…だめ!私は救急隊員達の手を跳ね除け、病院の中に戻るように走る。
「ダメです!!!その状態で動いちゃ…」
私はそんな救急隊員達の言葉を無視して一目散に病院の中へと走り去った。病院の中は薄暗く、
廊下には血が沢山ついていた。
「…急がなきゃ。」
走る足が震える。
私は何で焦ってるのだろう。
何で私は、マサトを……どうして
助けようとしているのだろう。
いいや、そんな事はどうでもいい。私は、銃声が未だに聞こえる方へと、走った。
怖い。怖い。怖い。怖い。
でも、私の足が止まることは無かった。ほとんどのドアが開いていた。階段を登り、病院の廊下を走り、1つの大きな部屋に着いた。厳重そうな扉が目の前にはあった。扉の上には手術室と書かれた看板があった。私はゆっくりドアを開け。中を覗く。
───殺したやつを言え。
「親父…それは出来ない。」
マサトが真っ黒な仮面をつけた男に捕まっていた。私はマフィアを刺激しないように、耳だけを研ぎ澄ましていた。
「マサト…お前が話さないといけないんだ。ここにはお前以外にボスの死の原因を知ってるやつがいない。」
マサト…?まさか、黒澤春樹を
殺したやつを問い詰められているの?私のせいだ…私があんな過ちさえ犯さなければ…
「分かった。だが親父。約束して欲しいことがある。」
「何だ?言ってみろ。」
仮面をつけた男は仮面を外しニヤリと笑ってそう言った。
「明は。殺さないと約束してくれ。」
「…良いだろう。構わんさ。」
「黒澤春樹を殺したのは───」
その瞬間。私は何者かに後ろから口を塞がれた。ドルレットだった。私は全力で暴れる。
「んー!!!!!」
「しー。動くな黙れ。あいつが
囮になってくれてる間に逃げるぞ。」
私はマサトが殺されるのを察した。だから必死に叫んだ。だが、その声は誰にも届かず。私はドルレットに引っ張られ、その場を後にした。
──────お前らのボスを殺したのは。
俺だ。
「そうか。お前だったのか。マサトぉ…」
親父は銃を下ろした。
「ふざけやがって!!!よくもやってくれたなぁ?お陰でこちらは大打撃だぁ。なぁ?マサトぉ!」
全力で俺の腹を殴る。何度も何度も。
「じゃあその分身をもって罪を償ってもらおうか。」
親父はもう片方の手に携えていた拳銃を再び俺に向けた。
「…はっ。地獄に落ちろバーカ」
親父はその言葉を聞いた瞬間に怒りに満ちたのか、俺に怒りの双眸を向けた。と同時に。
俺の眉間を撃ち抜いた。