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こんにちは、みじんこです。

皆さま、本日は重大発表がございます。

わたくし、9月に入ってから今までなんと。

2キロも太りました。

いやぁぁぁぁ泣!!!😱

なんということでしょうか。

さすが食欲の秋、強敵です。

なのでただいま傷心中の私です。

それでも食べるのはやめませんがね。


ということで(?)、今回は。

そんな罪悪感を忘れさせてくれるような、ほのぼの話を書いていきたいと思います。

どのカプで書こうかなぁ、と考えてたところ、

新案をまとめてるリストにちょうど「ほのぼのサンゾロ書く」とありまして。

くっそちょうどよかったので、サンゾロにいたします。

あ、新案リストって言うのは、

私が書きたいシチュとかカプとかを簡単にまとめたもののことです。


では、いつも通り。

腐が苦手な方や地雷の方はお帰りください。

大丈夫という方のみお進みください。




















コトコトコト…。

鍋の中のシチューが煮える音。


「おっと、あぶねぇあぶねぇ」


慌てて野菜を切る手を止め、火を消す。

先ほどまでふるふると揺れていた鍋も、ことり、と音を立て静かになる。


「さぁて、どんな感じかな」


ぱかっ。

鍋のふたを開け、シチューの具合を確認する。

ふわぁっ。

すると、あたりに濃厚な食欲をそそる香りが広がる。


「うん、美味そう」


お玉をくるくると回しながら、焦げがないことを確認し、

納得とともにうなずく。

すると。

ひゅおぉっ。

開けっ放しにしていた窓から、冷たい夜風が入り込んできた。

最近、夜になると寒いよなぁ。

そうぼんやり思いながら窓を閉める。

そしてふと、今日の不寝番の彼を思う。

きっと外は、ここよりももっと寒いだろう。

いくら寒さに強いといえども、寒いのがずっと続くのは誰だっていやなはずだ。


「…差し入れでも持ってってやるか…」


本当は明日の分の飯だったのだが、まぁいいだろう。

足りなくなったらまた作ればいいだけだ。

そう頭で結論付け、さっそく次に取り掛かる。

先ほどまで切っていた野菜をザクッ、ザクッ、と大まかに切り、ボウルへと移す。

ある程度できたら、ドレッシングづくり。

基本のベースに、隠し味として少量のレモン汁をポタリ、と落とす。

あくまで風味付けなので、入れすぎないように。

くるくるとスプーンで混ぜ、最後に味見をして、完成。

あとは盛り付けだけだ。

明日の分とは別に、食べきれる量の野菜をふわっ、と小皿に盛る。

そして、ドレッシングを上から回しかける。

キラキラと輝きながら落ちていく様は、とても美しく、

みずみずしい野菜との相性が抜群だった。

ことり。

サラダも完成。

これで、仕込みは終了。


「あとは…」


本当は体もあったまるし、アイツも好きだから酒でも持っていきたかったが、

きっとナミさんが怒ってしまうだろう。

だから代わりに。

食材の入った棚から、ショウガを取り出す。

かたん、ぽととととっ。

やかんに水を注ぎ、火にかける。


「あ、コンソメコンソメ」


うっかり忘れるところだった。

コンソメをさらさらと流し入れる。

すっかり茶色く染まった水が、ゆらゆらと揺れる。

沸騰するのを待つ間に、ショウガをみじん切りに。

トントントントンッ。

小気味よいリズムが耳に心地いい。


料理は楽しい。

自分が少し手を加えるだけで、食材が、調理道具が。

命を得たかのように、声を上げるから。

包丁がまな板に当たる、ショウガの繊維が切れる、水がぐらぐらと揺れる。

一つ一つが音を奏で、キッチンは、音の合唱に包まれる。





刻み終わると、ちょうどやかんの口がぽーっ、と高い声を上げた。


「ん、沸けたか」


カップを取り出しゆっくりと注ぐ。

先ほどまで冷たさをはらんでいた水が、

今は見るだけで暖かくなるような雰囲気をまとっている。

ある程度注いだら、刻んだショウガをそろりと混ぜ込む。

ふわっ。

ショウガの鼻を抜けるようなさわやかな香りと、コンソメの食欲そそる香りが調和する。

互いに競い合い、高め、そして一つに。

こうして、美味しい一品が完成する。


「っし、コンソメスープも完成っと」





「さぁて、それじゃあ持っていきますか」











ひゅおぉっ。


「…っくしゅんっ…」

「…冷えるな…」


満天の星空の下。

すっかり冷たくなった風が肌に触れ、過ぎ去っていく。

こんな日には、熱燗なんかを一杯やるのがいいんだが。

そう思いながら見張りを続ける。

だが、敵襲などなかなか来ないものだ。

暇だな。

ふわぁ、とあくびをしながら柱へと寄りかかる。

すると。

ガチャッ。

船のほうから扉が開く音。


「よぉ、マリモ、ちゃんと起きてるかー?」

「起きてる」


そこから現れたのは、何やら差し入れらしきものを持ったサンジだった。

からかうように笑いながら、こちらへと歩み寄ってくる。

もくもく。

彼の持っている料理から暖かそうな湯気が上がる。

見るからに美味そう。

夕飯は食べたのだが、これはまた別だ。

くんでいた足をするりと解き、彼のほうへ向き直る。


「ははっ、行動が早ぇな?」

「俺に持ってきたんじゃねぇのか」

「せーかい」

「感謝しろよな?わざわざスープまで作ってやったんだぞ?」

「あぁ、ありがとう」


素直に感謝を述べる。

するとなぜか、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で見つめられる。


「…なんだ?」

「あ、いや…」

「思ってたより、素直だなぁって」

「実際ありがてぇからな、礼くらい言う」

「…そうかよ」


どこか照れたように顔を背けるコック。

それを見て。

ほわっ。

なんだか心が温かくなる。


「?」

「…ん?どうした?」

「いや…、なんでもねぇ」

「それより、それ、早くくれ」

「へいへい」


二人並んで甲板へと腰掛ける。

ことり。


「…相変わらずうまそうだな」

「そりゃどうも」

「ほら、冷めねぇうちに食っちまえ」

「あぁ」

「それじゃ、いただきます」


まずはどれを食べようか。

少し悩んだが、寒かったのでスープに口をつける。

こくん、こくんっ。

熱い液体が入り込んでくる。

瞬間、口いっぱいにコンソメとショウガの香りが広がる。

うまみの中にショウガのものと思われる優しい風味。


「うまい」


素直な感想だった。

また、こくり、と飲む。

すると、じわりと喉が温かさを持つ。

次第にそれは手へ、腹へ、全身へ。

柔らかな温度が体中を巡る。

そしてある程度して。

カップを置き、スプーンを持つ。

そして、ほかほかと湯気を上げているシチューに手を付けようとする。

だが。


「おい、ちゃんと野菜も食えよ?」

「…ちっ…」


隣から注意の声があったので、その手を引っ込める。

スプーンからフォークへと持ち替え、サラダへと向ける。

俺のことを気遣ってくれたのか、小ぶりに盛られたそれに、

さくり、とフォークを入れる。

ぱくっ。

大きく一口。

すると、意外にも爽やかな口当たり。


「…ん?」

「あぁ、それ、俺のお手製ドレッシングをかけたんだ」

「どうだ?相性は」

「…うめぇ」

「ほんとか?よかった」

「それ、さっき思い付きで作ったからちょっと自信なかったんだよなぁ」


あまり野菜は好きじゃないが、これならさくさくと食べられそうだ。

やっぱりこいつすげぇな。

心の中で称賛を送る。

こいつはこういった細かいところにも手を抜かない。

たとえめんどくさかろうが、料理のためとなれば手間を惜しまず、

とことん楽しそうに手を動かす。

俺は、そういう料理への熱意が大きいところを、

まぁ、好ましく思っている。

本人には絶対に言わないが。

すると。

ふと、隣からの視線を感じる。

横を向くと、なにやらにこにこと機嫌よさげに笑うコックが。


「…なんだ」

「んー?いや、なんか」

「やっぱ俺、お前のこと好きだなぁって思ってよ」

「は?」

「お前、いっつも俺の料理、美味そうに食ってくれるよな」

「案外それ、嬉しかったりするんだぜ?」

「…そうかよ」

「うん」


ほわっ。

コックの緩んだ甘い笑みを見て、また、心が温かくなる。

なんだろう、こいつが来てから。

体が、心が、あったまる。

…スープのせいか?

不思議な感覚に疑問を抱きながらも、メインのシチューに手を伸ばす。

まだまだほかほかと湯気を上げているそれは、ほっと心を落ち着ける何かを孕んでいた。

ごろっとしたジャガイモと肉をのせ、食う。

熱をまとった芋を舌の上で転がしながら、ハフハフと頬張る。

やはりこれもうまかった。

食欲をそそるそれに、夢中になって食らいつく。


「ははっ、もう少しゆっくり食えよ」

「うるせぇ、腹、減ってんだよ」

「おいおい、さっき飯食っただろ?」

「それとこれとは別だ」

「美味いもんは食いたくなる」

「ははっ、そりゃ嬉しいな」


言葉の通り、嬉しそうに笑いながらタバコに火をつけるコック。

それをちら、と横目で見、そしてまた、すぐに食事に戻る。

ぱくっ、もぐもぐ…、はふっはふっ…。




しばらく、美味しい音だけが星空の中に鳴っていた。
















「…ん、ごちそうさま」

「おう、お粗末さまで」


結構量があったが、寒かったせいかあっという間に平らげた。

まぁ、こいつのメシがうまいってのも理由の一つだろうが。

カチャッ…、カチャッ…。

食べ終わった皿をわきに移しながら、頭の中で思う。

そして、しばしの沈黙。

ふーっ。

隣から煙を吹きだす音。

それに静かに耳を傾ける。

なんとなしに2人そろって空を見上げる。

そこでは、名前のわからない星々が自分の存在を主張していた。


「…きれいだな」

「…あぁ」


言葉少ない会話のはずなのに、満たされるこの感覚。

なんだろう。

ひどく、心地いい。

ふと、隣に目を向ける。

すると、ぱちりと2つの視線が絡み合う。


「なんだよ」

「いやそれ、こっちのセリフな?」

「お前だって今、見てきたじゃねぇか」

「……たまたまだ」

「ははっ、なんだよそれ」

「照れ隠しか?」

「んなわけねぇだろ」


いつものように軽口を交わす。

ほわほわっ。

また心が浮く。

軽やかに、ふんわりと。

まるで風に揺られる風船のように。


「おい」

「ん?」

「ありがとな、わざわざ」

「…ん、どういたしまして」


再び、コックの目がとろんと優しく緩む。

それを見てまた、ほわっと心が浮く。

じわり。

心が満たされる感覚。


「なぁゾロ」

「あ?」

「今から一緒に酒でも飲まねぇか?」

「見張り、まだまだすんだろ?」

「ついでだ、付き合ってやるよ」

「…あぁ」

「ははっ、今日はほんとやけに素直だなぁ」

「ま、可愛いから俺は歓迎だけどな」

「おい」

「じゃあちょっととってくる」

「いい子で待ってろよー」


そう言って腰を上げるコック。

鼻歌を歌いながら機嫌よさげに船内へとその姿を消す。

そしてまた、甲板に一人に。





ひゅおぉっ、ひゅおぉっ。

冷えた風がまた、肌へときつく当たってくる。

きっと、先ほどだったらその温度に体をすくませていただろう。

だがもう、寒さを感じることはなかった。

なぜなら、体も、心も。

彼のおかげで、十分に温まったから。




すっ。

先ほどのように、柱に体を預ける。

そしてまた、満天の星空を見上げ、先ほどまで隣にいた男へと思いを馳せる。


「…今日は、あったけぇな…」


自然と口角が上がる。

さて、アイツはどんな酒を持ってきてくれるだろうか。

やっぱり熱燗がいいよな。

けど、冷酒でもいいな。

うきうきと心を躍らせながら彼の戻りを待つ。

すっかり温まった体を抱えながら。






















どうでした?

食欲、そそれられました?

心、温まりました?

読んでる皆さんも自然とほっこりしてくれるといいなと思って書いたのですが、どうでしょうか?

そうなってくれてたら嬉しいです。


今回、少し書き方を変えまして、

擬音をたくさん使って、文全体が軽やかになるようにしたんですよね。

なったかはわかりませんが。

どうだろうか、私的にはいいなと思ったんですが。

分かんないや。

判断は皆様に委ねます。


てかそれよりも、文字数がえぐいことになっちまいましたね。

すみません、なかなかうまく区切りつけられなくて…。

だから多分、最後らへんとか結構展開早くなってると思います。

申し訳ない、スランプ中なんです。

やばい、スランプってまじで万能語な気がします。

言ったら許される感、ありがたい。

これからもスランプ、乱用していこ。


それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

またお会いしましょう!

ばいばい👋

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