Spawnに盗撮されていた。
盗撮だけでなく盗聴、監視、追跡……
「もう絶交しよう」
話し合ったその日に縁を切った。
「……」
彼はずっと黙っていた。
彼が気持ち悪かった。
彼と一緒にいた時の俺はすごく幸せだったと思う
「Ringだいすき」
「俺もSpawnが好き!」
いつも好き好き言ってくれるSpawnが俺も好きだった
彼といると安心できた。
時には体を重ねて乱れていたっけ、彼と自分の声が混ざって快感に身を任せていた時が気持ちよかった。幸せだった。
彼は俺の親友で、恋人だった。
「……だったのに」
彼はストーカーだった。
家に帰ると、涙が一気に溢れた。
なんで彼なの?なんで神様はこんな酷いことをするのだろう。
夢だと思いたかった。夢なら良かった。
「夢じゃない、痛い……」
手首を切ると、痛みと血が涙の量を増やすだけだった。
初めてした自傷の原因が彼なのが辛かった。
それから数日間は家から出なかった。ご飯も睡眠も何も出来ずにいた。
彼のアカウントはブロックしていた。誰からもメッセージは来なかった。
思えば、彼としか話していなかった。
彼に、依存していたのかもしれない。
数日の間、ずっと考えてた。
彼がなぜストーカーになったのか、ずっと。
(そもそも、なんでストーカーされて辛いんだ…?)
好きだからしたんじゃないの?ならいいんじゃ?
(俺はなんで絶交したの…?好きなのに……)
彼のアカウントのブロックを解除してメッセージを送る。
「俺のことまだ好き?」
既読がついた。思ったよりも早かった。
「大好きだよ」
少しして返信が来た。その言葉に不覚にも安心してしまった。
「俺も好き」
「ほんと?」
「絶交しようとか言ってごめん、あれからずっと考えてたんだ なんでお前がストーカーになったのか。 でもそれは好きだからしたのかなって それならいいんじゃないのかって だから俺の勘違いだったって気づいたんだ。お前の愛情表現を拒絶してごめん ごめんなさい」
文字を打つ度に心が苦しくなる。
彼が好き。大好き。
「うん、僕もごめんなさい」
彼からの返信
「じゃあ、やり直してくれる?恋人として」
「やり直そうSpawn」
「嬉しい 大好きだよRing」
その後、俺たちは再会した。
「Ring」
「Spawn…」
寒い朝だった。
俺たちは抱き合った、キスもした。
久しぶりに彼を感じた気がした。
「あったかいね」
「だな」
やっぱり彼といると安心する。
「僕、Ringの全部が見たかったんだ」
「だから盗撮とかしたの?」
「うん、ごめんね」
「いいよ、俺もちょっと嬉しくなってきたし」
「ほんと?」
「うん、俺のことそんなに好きなんだって 嬉しいことだと思って」
どきどきする 久しぶりの感覚。
「ありがとう でも、もうやめるよ。」
「え」
「盗聴も盗撮も監視も追跡も、いいことじゃないから」
「…?」
「ストーカーになりたくないんだ、またRingを傷つけたくないもん」
「……」
絶句した。何故かショックを受けた。
なんでかわかんない。わかんないから怖い。
「ごめんね、Ring 僕まともになるからね」
そう言って微笑んで抱きしめてくる彼に、俺は抱き返すことはできなかった。
ただずっと黙って、呼吸をするだけだった。
帰宅して彼にメッセージを送る。
「まともになるって本当なの?」
「本当だよ 傷つけたくないから」
「やめてよ」
嬉しかった、彼の愛情が。
「え?」
「まともにならなくていいから」
「でも、またRingに辛い思いして欲しくないよ」
「辛くない、嬉しかったよ Spawnに求められるのが。俺の全部見せてあげるから、まともになんかならないで おねがい」
俺のその言葉には異常しか無かった。
彼は反省して対応してくれているのに、その彼を否定してしまう。
「いいの?僕おかしいのに」
「いいよ、おかしくても Spawnが好き Spawnの全部が好き」
「ありがとう、今から会いに行ってもいい?」
「うん、夜遅いから気をつけてね」
「ありがとう」
数分すると、ドアがノックされた。
(Spawnだ)
わくわくしながらドアを開けた。
「Spawn!」
「Ring」
俺たちはまた抱き合った。
暖かった、彼の体温が幸福感を与えてくれた。
ビビッと首に電撃が走った。
突然のことだった、彼の手にはスタンガンが握られていた。
痛い。足がふらつく。
ベッドに倒れた俺に、彼は跨る。
その瞳は真っ黒で、何も感じれなかった。
「なっ……ぁ」
「かわいくておばかさんなRing、おかしな僕も受け入れてくれてありがとう」
彼の手が頬に触れる。
体が動かない、恐怖だけが俺を独占していた。
「首輪をつけて、GPSもつけて、手錠もつけて……」
どんどん拘束されていく、抵抗なんてできなかった。
(うれしい……)
彼はそんなに俺が好きなのか
俺を独占したくて仕方ないんだ
それが嬉しくて嬉しくて……
「ん、ちゅ」
「……Ring?」
近づく彼の頬にキスをした。彼は驚いたようだった。
「Ringもおかしくなっちゃった?おそろいだね」
「おそろい、ふふ」
幸せだった。彼に支配されるのが。
「Ring、Ring……」
体が当たって熱が伝わって…
奥まで突かれて気を失いそうになった。
「ふっ……ぁっ…す、き……っ」
「僕もすき…Ring……っ」
手首を拘束されて上手く身動きが取れない。
でもそれに興奮して何度も絶頂を迎えてしまう。
「もうRingには僕しかいないよね、……?」
「うん、Spawnしかいな、い……っ」
「嬉しい、大好き」
何度もキスをして何度も絶頂して。
お互いを激しく求め合う時間はすごく楽しかった。
「ずっと一緒にいようね、離さないからね」
「うん、ずっと離さないでSpawn」
行為後、1度だけキスをして眠りについた。
久しぶりに安眠できた。やっぱり俺には彼がいないとだめなんだ。彼にも、俺がいないとだめ。
共依存、それは今の俺たちにぴったりな言葉だった。
コメント
8件
ハヒフヘホウヘヘ最高だ!!!
😋うまい 最高
うはうはうは⬆️ゴチです