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彩
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今回は第5話となり、最終話です!
ぜひお楽しみください!
それではどうぞ!
山田に全てを話し終え、僕の肩の荷はすっと軽くなった。
お互いの秘密を共有し、僕たちの絆はより強固なものになった……はずだった。
「なぁ、市川!」
声をかけてきたのは、足立だった。
「……どうしたんだよ、足立」
どうせまた下品な話題だろうと身構える僕に、彼は予想外の言葉をぶつけてきた。
「市川ってさ、山田に告白しねぇのかよ?」
「ッ!? ……ゴホッ、ゴホッ……!」
不意を突かれ、盛大に咽び返る。肺に空気が足りない。
「だ、大丈夫かよ!?」
「あ、あぁ……大丈夫だ。多分……」
まだ、この誤解は解けていなかったらしい。確かに、僕たちが付き合っていることは誰にも言っていなかった。
僕は呼吸を整え、意を決して言葉を紡いだ。
「……実は、もう、告白……したんだ」
「なっ……!?!」
足立の顔が、一瞬で真っ赤に染まった。
「で、……っ! どうなったんだよ!?」
「……成功、した」
僕が顔を伏せて答えると、足立の表情はめまぐるしく変わった。
怒り、驚き、悔しさ、そして___最後には、どこか誇らしげな笑顔。
「よ、良かったな……! クソッ……でも、あの時の俺の判断は間違ってなかったんだな! ちくしょぉ……!」
中三の騎馬戦。僕たちは泥臭くぶつかり合い、お互いに「山田が好きだ」と宣言した。
勝負には負けたけれど、彼女の隣に立つ権利は、僕が勝ち取った。
やっぱり足立は、僕にとって最高の友達で、超えなければならないライバルだ。
「なぁ、市川」
「ん?」
「山田のこと……頼んだぞ!」
「……! あぁ、任せろ」
差し出された拳に、自分の拳をぶつける。グータッチの熱が、じわりと胸に広がった。
「あれっ、市川だ。足立も一緒?」
そこへ、一組の神崎がやってきた。離れ離れになっても、休み時間のたびに原さんを気にかけている相変わらずな男。
「なぁ神崎!! 市川が山田に告……っムグッ!?」
咄嗟に足立の口を塞ぐ。声変わりを経て少し低くなった声で、僕は彼の耳元に囁いた。
「足立。大声で言ったら承知しないぞ。学校内では隠してるんだ。次言ったら絶交だ」
「……ッ。わ、わかったよ……汗」
なぜか足立が少し顔を赤らめたが、今は気にする余裕はない。
「ど、どうしたんだよ?」
不思議そうにする神崎に、僕は改めて照れを堪えて告げた。
僕の告白が成功したこと。僕と山田が、今、同じ道を歩いていること。
「……! 良かったな、市川!」
神崎は自分のことのように顔を輝かせ、僕の成功を祝福してくれた。
あぁ……やっぱり、この二人は最高の友人だ。
「……ありがとう。二人がいなかったら、僕はきっと、踏み出せなかった」
「友達なんだから当たり前だろ! 山田を泣かせたら、速攻で奪いに行くから覚悟しとけよ!」
「俺も、あのWデートの時から市川の気持ちに気づいてたからさ。本当におめでとう、市川」
視界が滲む。
僕は、なんて恵まれた環境にいるんだろう。
冷たく、暗い殺意に支配されていたはずの世界が、今はこんなにも温かい。
僕は、頭がおかしかった。
けれど、そんな僕を「市川京太郎」として創り上げてくれたのは、山田であり、ここにいる友人たちだった。
この景色を、二度と忘れない。
僕は___今、最高に幸せで、学校が楽しい。
はい!最終話でした!
また何か小説を作るかもしれません!
またの機会にまた会いましょう!
おつヤバ!