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第18話 誰…?
「いまの…..誰?」
そして、霧の中から現れたのはーー佳代と瓜二つの顔をした、黒い少女だった。
だがその目は虚るで、口は冷たく歪んでいた。
「わたしは、あなた」
「あなたは、わたし」
「何言って一ー」
と佳代が声をあげるが、腹部に突き刺すような激痛が走る。
「佳代!」
日向が支えに駆け寄った。
「……これは”影よ」
西円寺が震える声で言う。
「彼女は、佳代さんの力の一部。
おそらく封じられていた”本能そのもの“一ー」
「つまり、悪魔の血の化身……!」
「ようやく、会えた
ウフフフフフ!アッハハッハハハハハハ!」
黒い佳代が、ゆっくりと手を差し出す。
「さあ、わたしと一つに戻ろう。
わたしたちば”幻夜様”の属として、生きる者を焼き尽くすの」
「…..つ、嫌…..わたしは、そんなものじゃない!」
佳代が拒絶の声を上げると、影佳代の表情が豹変した。
「なら…..焼き尽くしてあげる!」
空間が揺れ、地底全体が紅蓮の炎に包まれる。
「この炎、佳代の術に似てる……!?」「いや、もっと、もっと強い!」
「全員、退け!」
光希の号令が響く。
その瞬間、影佳代は黒炎を纏って国を舞い、地面を溶かしながら光希たちに襲いかかった。
光希はすぐに剣を抜き、地面を滑って突進一ー
「…..そんなこと,通じないよ!」
刹那、光希の剣が影佳代の肩を斬り裂く。しかし黒炎が即座に再生し、反撃の衝撃波を放つ。
光希は吹き飛ばされ、岩壁に叩きつけられた。
「光希さん!!」
佳代の中で、なにかがはっきりと目を覚ました。
黒い炎に、負けるものかーー
「わたしは、あんたになんて、負けない!」
佳代の術式が再び組まれた。だがーーそれは、いつもの炎ではなかった。
蒼く、そして眩い。まるで、佳代自身の心の色を写したような光。
「いけええええ!」
影佳代は消滅した。
しかし、消滅する前、異様な声を上げた。
すると、その瞬間。
何かが地面を破って出てきた。
しばらく様子を見ていた柑奈が叫んだ。
「まさかあの…、東京港に出た巨大反応の悪魔…アルン!」
みんなはざわつき、落ち着きを取り乱していた。
「蓮人!どうしよ!?」
「…。」
蓮人は黙ったまんまだった。
「隊長なんだからたまにはしっかりせんかい!」
バシッと言葉を放つ。
蓮人も少しやる気が出たようだった。
光希はいきなり現れたアルンに対して戦闘を繰り広げていた。
そこで、西円寺の推理が追いついた。
「手足は強い!耳もいい!
でも、目は極端に悪いわ。他の悪魔と比べたら。
死角である背中を狙って!それほど硬くはないはず!」
「ありがとう。西円寺。」
「いいわよ!どんどんやっちゃって!」
そこで、林が特殊な林専用の銃を撃ち、アルンを縛り上げた。
そこに光希が最後の一発を切り込もうとした瞬間ー。
シャキン!
「はい!そこまで〜!」
「…、何するんですか?危ないですよ。」
「まあ、落ち着けって。
話せば分かる。」
こう言ってきたのは見知らぬ30代くらいの男性だった。
ーいったい、何者なのか。
みんなの中に疑問が募ってきた。
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