テラーノベル
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資料を読んで学校のことを理解し、どういう形で学校に行くか目処が立った。
「実際に見学行く前に下見行こうぜ」ある日圭兄ちゃんが私に言った。
「そうだね!」こうして私達は実際に行く前に 下見に行くことにした。
「夢奈、明日どうだ?」金曜日の夕方、圭兄ちゃんは私に聞いてきた。
「空いてるよ! ありがとう!」
「よかった! じゃあ決まり! 12時ぐらいに家出て外でお昼食べないか?」わー! 圭兄ちゃんと2人でお昼ご飯!
「いいね! 食べる食べる!」私は昔から圭兄ちゃんと2人でご飯を食べることが大好きだった。歳が離れていることもあり、圭兄ちゃんが仕事をするようになってからは回数は少なくなってしまったけど、それでも時間がある時は食べに行っている。
「そんなに嬉しいか! 俺と2人でご飯食べるの」飛び跳ねて喜ぶ私を見て圭兄ちゃんは笑顔で私の頭を撫でた。
「うん! だって圭兄ちゃん私の話興味深そうに聞いてくれるし、悩みも親身になって聞いてくれるから! お兄ちゃんの話も面白いし!」
と私は言った。
「そっか! それは嬉しいな!」圭兄ちゃんは心から喜んでくれた。
「これからもずっとご飯行こうね!」
「おう!」
そして土曜日。
「楽しみ!」 家から15分のところにある私のお気に入りの洋食やさんで昼ご飯を食べることにした。
「夢奈此処好きだよな!」駐車場に車を停め終えた圭兄ちゃんは私に言った。
「うん! 此処のカルボナーラ大好きなんだよね!」
「そうか! 俺はグラタンが好きだな!」そう考えたら圭兄ちゃんは此処へ来るといつもグラタンを食べてたなー。
「混んでるな」ドアを開けると沢山のお客さんがズラーっと並んでいた。
「これは結構待ちそうだね」
「あぁ」
20分後。
「今田様」呼ばれた!
「はい!」私達はウェイターさんに案内されて窓際の席にやってきた。
「今日は晴れてるから、気持ちいいな!」
「うん!」
「カルボナーラとグラタンを1つずつお願いします」注文する料理が決まっている私達。圭兄ちゃんが店員さんに言った。
「かしこまりました!」
「此処から声優学校まで近そう?」
「家から車で30分みたいだから、近いと思うぜ」
「そっか!」
数分後。
「お待たせしました! カルボナーラのお客様」
「はい!」私の前にカルボナーラが置かれた。わー! 美味しそう!
「グラタンです!」圭兄ちゃんの前にグラタンが置かれた。
「旨そう!」
「いただきます!」✖️2人 パクッ。カルボナーラを1口食べた。
「ん〜 此処のカルボナーラは最高! どのメニューも美味しいけど、やっぱりこれが1番!」
「よかったな! 此処のシェフ、お父さんも息子の隼人もイタリアとかフランスで修行したみたいだからな!」
「うん! この店絶対潰れないで欲しい!」ほんと潰れたら困る。
「俺が1歳の頃からあるから、長いことしてる、父親から息子に世代交代しても味が落ちないからスゲーよな!」圭兄ちゃんも頷いた。
「えー! そんなに昔から!? 凄いね!」
「おう! 俺が31だから30年前?から、なんか此処来ると落ち着く」客足が落ち着き、お店の中のお客さんは私達だけになった。
するとキッチンから
「そんなこと言って頂けて嬉しいです! 父の代から変わらずに足を運んで頂いてありがとうございます!」とシェフが言った。
「おう! このお店来ると嫌なこととか辛いこと全部忘れられるんだ、俺にとって隼人は弟みたいな存在だもんな!」
そう。圭兄ちゃんは、隼人のことを私同様に弟のように可愛がっている。
「圭兄ちゃんにとってこの店は昔から心の拠り所なんですね……」
「あぁ! それにしても、あんなに小さくて俺に懐いてたお前が今では父親の後継いでかの店のシェフになるなんてな」 圭兄ちゃんは隼人を見つめた。
「そうですねー、いつも圭兄ちゃんの後着いていってましたもんね、俺、父が作るパスタやグラタンが大好きで、俺もいつかこんな美味しい物を作りたい!と思っていたんです! だから夢が叶って嬉しいです!」と隼人は言った。
「あの時の隼人可愛かったなー」
「今の俺と重ねるなよぉ〜」隼人は赤面した。
「そう考えたら、隼人立派になったな!」
「ありがとうございます!」
「おう!」
「ごちそうさまでした!」✖️2人 あー! 美味しかった!
「またお越し下さいませ!」
「じゃあな、隼人!」
「はい!」
「ばいばーい!」
こうして私達は声優学校の下見へ向かった。
しばらく行くと大きなビルが見えてきた。
「あれか?」
「そうだと思う!」
「結構立派な建物だな!」
「此処の5階だって!」
「そうか!」
「此処に通えるように頑張って卒業しよ!」私は気合いを入れた。
「夢奈なら大丈夫さ! 卒業できる!」
「うん!」
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