皆様こんにちはー!そして、
大変申し訳ありませんっ!!!
やっぱり太中書きたくなっちゃいました!!
今他の作品書いてるのに…!!
これはもう依存症ですね…いや、禁断症状かもしれませんᐠ( ᐛ )ᐟワァ
という訳で今日も元気に太中していきましょうね(?)
〜今回の設定〜
太宰治 17歳 高校2年
中原中也 18歳 高校3年
⚠️注意事項⚠️
BL 学パロ
文豪ストレイドッグスからの腐カプ・二次創作
太中(太宰治×中原中也)
注意書きは読まれましたか?
それでは行ってらっしゃいませ〜!
※中也目線
ずっと前からの片思い。
叶うはずもないのに、ずっと諦めきれなかった恋。
それが今、あっけなく散った。
「私、好きな子いるから」
たまたま、本当に偶然と聞いてしまったその声に、思わず足を止めた。
それは紛れもない、貴方の声だったから─。
遡ること数分前。
授業終わりのチャイムが鳴り、昼休みの時間。
俺は教室を出て、購買に向かった。
今日は珍しく購買が空いていた。
俺はあまり深く考えることも無く、いつも買っているパンと牛乳を買った。
パンはその場で食べ終え、牛乳を飲みながらふらふらと意味もなく廊下をさまよっていた。
ふと思いつきで旧校舎の屋上へ行ってみようと思い、渡り廊下を通ろうとした。
そこで、聞こえたんだ。
「私、好きな子いるから」
太宰目線
昼休みの時間、クラスメイトの女の子から呼び出しされた。
「今、時間ありますか」
特にこれといって昼休みはやることがないから、「あるよ。どうしたの」といつもの猫をかぶった優しい声色で返事をした。
すると「着いてきて下さい」なんて言って、許可もなく私の手を握り、旧校舎裏へと連れて行かれた。
旧校舎裏へ着くと手を離し、辺りをきょろきょろと見回す女の子。
この感じ、私はよく知っている。
告白だ。
しばらく間を置いて、女の子は口を開いた。
「前から治くんのことが好きでした! 付き合ってください!」
この定番のセリフを何度も聞いたことだろうか。
「…ごめん。気持ちは嬉しいよ。でも…」
そしてこの返事も、何度返したことだろうか。
「私、好きな子いるから」
中也目線
聞きなれた声。 優しさが含まれた声色。
落ち着いた声。
俺はこの声を知っている。
高等部二年、太宰治。 彼は俺の年下で後輩だ。
そう、この人がずっと前から思いを寄せている人だ。
聞こえたのはたった一言だけだった。
それでも心がぎゅっと締め付けられて苦しくなった。
『 コトッ 』
思わず持っていた牛乳を落としてしまう。
「あれ、今…」
まずい、聞いていたことがバレてしまう。
そう思うより先に、体が動いていた。
俺は走って旧校舎の屋上へと逃げ込んだ。
「…っ、はぁ…はぁ…」
屋上のフェンスに寄りかかって呼吸を整える。
周りには誰もいない。 いるのは自分一人だけ。
旧校舎の屋上はほとんど人がいないのだ。
ふと気になってフェンスから校舎裏を見ようと顔を覗かせた。
女の子らしき人と太宰が2人、まだ何か話をしている。
ずっと眺めていると、自然と涙が零れていた─。
太宰目線
女の子が何かを言おうとまた口を開いた時。
『 コトッ 』
直ぐそこで音がした。渡り廊下だ。
「あれ、今…」
誰かいたのかと渡り廊下に目をやると、誰もいなかった。
不思議に思って見ていると、女の子が口を開いた。
「何で私じゃ駄目なの」
あぁ、出た出た。面倒臭いやつ。
こんなこと言うから告白断られちゃうんだよ。
「君は駄目なんかじゃないよ。でもね、私が好きなのは違う人なんだ。ただそれだけさ」
いつもこんな感じの面倒臭いことを言われてきたため、返し方は何となく分かっている。
さて、あとはこの子が素直かどうかだな。
なるべくあっさり話が終わるといいけど…。
「…そっか。そうだよね。ごめん、何でもないや。今の忘れて!」
そう言って女の子は校舎へ戻ってしまった。
良かった、素直な子で。
ことが片付き、校舎へ戻ろうと渡り廊下に出た時。
牛乳パックが落ちていた。中の牛乳はこぼれてしまっている。
「…これ、中也先輩がよく飲んでるやつだ」
その牛乳を見た瞬間、思い浮かんだのは中也先輩の飲んでいた牛乳。
中也先輩は昼休みに会う度、牛乳とパンを手に歩いていた。
もしかして…なんて、ありえないか。
でも、もし本当だとしたら…。
気づけば私は旧校舎の屋上へと走っていた。
もしかしたら、あのコトッという音が聞こえた時、この牛乳を落としたのは─。
『ガチャン』
屋上の大きな扉を開いた。
「誰も…居ない…」
『キーンコーンカーンコーン』
私一人だけがいる屋上に次の授業を知らせるチャイムが私を教室へと引き込むように轟いた。
中也目線
「間に合った…」
旧校舎から走って五分。 俺は自分の教室へ戻っていた。
俺が席に着くのと同時に、聞きなれたチャイムが教室に轟いた。
そのまま、いつも通りに過ごして、変わり映えしない一日が終わった。
翌日。
「卒業生、入場」
体育館に響き渡る先生の声で、目の前の扉が開く。
今日は卒業式なのだ。
正直、実感がわかない。
赤いカーペットの上を一歩ずつ丁寧に歩き、用意されていた自分の席に着いた。
そこからは大勢の卒業生の卒業証書授与や在校生からの送辞、卒業生代表からの答辞が終わった。
そして、卒業生の合唱の時がきた。
歌うのは定番のあの曲。
指揮者が手を挙げ、指揮を始める。
それと同時に伴奏が体育館に鳴り響く。
並んだ卒業生全員が練習通りに歌い出す。
「流れる季節の真ん中で─」
何度も練習して、覚えたこの曲。
歌詞の一つ一つが心を惹きつけてくる。
思わず、涙が出そうになる。
でも、「まだその時じゃない」と自分に言い聞かせ、ここで泣くのを我慢した。
歌い終わると、体育館に盛大な拍手が鳴り響いた。
あぁ…これで本当に終わりなんだ…。
心の底で真っ黒なモヤモヤした感情がくっきりと浮かび上がった。
とうとう卒業式も終わり、卒業生は校舎に残る者と校門辺りをうろうく者、家へ帰っていく者で分かれていた。
俺は心残りからか、まだ校舎に残っていた。
ふらふらと廊下を歩いていると、ふと窓の外にある校庭が目に留まった。
校庭には昔からの巨大な樹木が一本、美しく咲き誇っていた。
その樹木に凄く惹き付けられるものがあった。
気付けば校舎を抜け、校庭へと出ていた俺。
巨大な樹木に近づいていく。
生徒は不思議なことに誰一人としていない。
まぁ、今は1人になりたい俺にとって好都合なのだが。
樹木の根元まで近づくと、そこで腰を下ろした。
綺麗な澄んだ青色が空一面に広がっている。
『サァァ…..』
今度は直ぐそこから風で桜が揺れる心地よい音が聞こえてきた。
あぁ、ずっとこうしていたい─。
瞳を閉じれば、薄らと ゙アイツ ゙の顔が見えた気がした。
「ふふ…」
太宰目線
卒業式が終わり、急いで校門まで向かった。
だが、一番会いたい ゙あの人 ゙が居ない。
もしかして帰ってしまったのだろうか。
いや、まだ居るかもしれない。探そう。
それから体育館、校舎、旧校舎と学校中を探し回った。
そして走って、走って、ようやく見つけた。
あの人の絵になる、綺麗な横姿。
あの人は校庭の巨大な樹木の影に一人、腰掛けていた。
今しかない…!
私はゆっくり落ち着いた足取りであの人の元へ向かう。
段々とあの人の顔がはっきりと映り込む。
あぁ、先輩は綺麗だ。
丁度、樹木の影に足を踏み入れた所で足を止めた。
「中也先輩」
先輩は閉じていた瞳を開き、私にキラキラ輝くダイヤモンドのような瞳色を見せた。
「太宰…?」
やめて欲しいなぁ。その瞳を見るとつい勢いで”好きです”なんて言ってしまいそうなのに。
「先輩に会いたくて来ました」
先輩は自分を指さし、言う。
「俺に?…ふふっ。嬉しいな」
笑顔が眩しいな。先輩綺麗すぎる。
「ねぇ、先輩」
いや、そんなこと考えている場合じゃない。
私にはやらなければならないことがあるのだから。
「聞いて欲しいことがあるんです」
中也目線
彼が会いに来てくれたこと。
ほんのり赤に染まる彼の頬。
俺に聞いて欲しいこと。
…いや、期待しない。
期待したら辛くなるだけだから。
一つ間を置いてゆっくり息を吸う。
「…どうしたんだ?」
いつも彼と話す時の猫かぶり。
それもきっと、今日で終わり。
「先輩、私─」
どうせ、叶わない恋なんだから。
期待するだけ…無駄。
もう、猫をかぶるのも、無理に笑うのも、優しくするのも、全部、やめよう。
「…ごめん」
「え?きゅ…急に…どうしたんですか…?先輩…」
「俺…太宰のこと…好きなんだ」
「…!」
あぁほら、引いてるじゃねぇか。
最低だな、俺。
「気持ち…悪いよな…っ」
「ごめん」
「せ、せんぱ」
あいつの声にもろくに耳を貸さずに、俺は言った。
「俺のことなんて…忘れてくれ─…」
そう言って立ち上がると、日向へ足を延ばした。
先輩の後ろ姿が少しずつ薄くなっていく。
折角気持ちを聞けたのに。 先輩が行ってしまう。
先輩は、どこか淋しい後ろ姿をしていた─。
「先輩」
そんな先輩の腕を掴んで引き留めた。
「待ってください」
先輩がこちらを振り返る。
先輩は、泣いていた─。
先輩の泣く姿は初めて見た。
私は知っている。
先輩はみんなの前では猫をかぶって、誰にでも優しくしてくれていることを。
自分の弱さを他人には見せないことを。
そんな無理ばっかりの先輩に
「私は」
私がかけられる言葉。伝えられること。
「先輩が好きです。大好きです」
それは
「私と付き合ってください」
私なりの愛。
「っ…!」
「…嬉しい、っ」
「よろしくお願いします…!」
あぁ、やっぱり。
先輩は綺麗だ。
〜 𝐓𝐇𝐄 𝐄𝐍𝐃 〜
コメント
3件
うわぁぁん(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́⌑ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)最高のお話すぎたぁ!! 太中に依存しちゃう気持ちわかりますよぉ (もう依存しちゃってる人)良かったです!! ᯒᯎ″❤︎ˊᵕˋ )( ˊᵕˋᯒᯎ″❤︎ずっと幸せでいてくださいな😇😇