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キラキラキラ・・・・「いらっしゃませぇ⤴」
桐谷レオの母親「桐谷直美」は2時の予約のお客が店のドアを開ける前に、もう受付で待ち構えていた
爽やかなラベンダーのアロマオイル香る、周防町1ブロック区の中心部にある、彼女のサロンは
落ちついたラグジュアリー形式の壁紙と、ロココ調の家具に統一され
淡路の田舎町でもここだけ都会から抜け出たような、ハイセンスの洒落た雰囲気を醸し出していてる
茶髪の上品なショートカットに、完璧な外跳ねのアイラインメイク、黒のシルクのシャツに黒のパンプス
腰に付けている美容師のハサミが沢山、刺さったベルトが都会帰りのセンスを漂わせ
カリスマ美容師の直美が、指名の客を三人同時にこなそうとして、飛び回っている姿を見ると
毎朝最愛の息子レオに、「仕事に行きたくない」と、泣きついている所などいったい誰が想像できるだろう
「さぁ・・・どうなったか拝見しますね」
直美が施術椅子に座って雑誌を読んでいる、アリスの顔周りの髪を包んだホイルをはがして、カラーの色加減を確認する
鏡に映るケープに包まれたアリスは、肩甲骨まで伸びている髪を肩上までカットし、今までの栗色の髪の色を、もっと落ち着いたダークブラウンにしたいと、直美に注文を出していた
「ちょうどいいお色、お顔によく映えますよ、最近はテレビに映る機会も増えましたものね、本当に素敵な色 」
直美がアリスの顔周りに手際よくハサミを入れ、ミリ単位でしかわからないほど、わずかに調整しながらシャキシャキ切っていく
アリスはため息をついた
「そうなの・・・・、一昨日の夕方のニュースで病院訪問の時ね、北斗さんの後ろに映っている、自分の姿を見た時に落ち込んじゃって・・・」
「あら?どうなさったの?」
「北斗さんはあんなに素敵で堂々としているのに、なんだか私は・・・、身長も低いし、髪も茶髪でまるで女学生の時と変わらない、自分の容姿にほとほと嫌気がさしたの」
「まぁ!そんなことはないわ、お二人はとってもお似合いのご夫婦ですよ」
直美は鏡越しにアリスと目を合わせ一瞬固まったが、また髪のカットに戻った
直美の言葉に少し励まされた、アリスがニッコリ微笑んだ
「でもレオ君ママのアドバイス通り、髪の色を少しシックにして、緩いパーマのミディアムヘアーなら・・・、少し大人の雰囲気が出せそうだわ 」
「どうぞ直美とお呼びくださいな、きっと私達歳も近いわ、それにこのヘアスタイルの方が、爽やかな議長様ワイフのイメージにぴったり」
アハハハ「いやぁ~ん♪議長ワイフなんて~、まだ早いわ~~ 」
「なにおっしゃるの?、私達とっても応援してるんですよ!、うちの店の子も全員成宮候補に投票するって、鬼龍院だか梨泰院だかそんな名前の人に負けないで!」
そういう直美のサロンの入口には、北斗の選挙ポスターがデカデカと貼ってあった、アリスはとても心が温かくなった
「ありがとう・・・直美さん・・・」
「この町の議長は成宮さんですよ!、それにレオがどれだけお世話になっているか、いくらお礼を言っても足りないわ」
「それはお互い様だわ、うちのアキ君なんか先日も大きくなったら、レオ君と一緒に暮らす~♪って言ってたわ」
「まぁ!うちもですよ!本当に、仲が良くて、アキ君は本当に頭が良くて、良い子で― 」
「それを言うならレオ君ほど礼儀正しい、小学生を私は見たことないわ、本当に良い子― 」
「この間もアキ君は―」
「レオ君は―」
そこから二人の子供の褒め合い合戦が始まった
受付で見習い美容師二人がアリスの施術メニューを見ながら、度肝を抜かれコソコソ話している
ヒソヒソ・・・「髪質改善Dr高発色カラーに、炭酸メテオトリートメント・・・、ダメージ集中プロテクトケアシャンプー
ケラチンコラーゲン導入・・・最高級ご褒美ヘッドスパ・・・・ 」
「う・・うちの最高級の施術フルコースよ・・・」
「このお客様一人でうちの客単価爆上がりじゃない、この町でこんな施術をするお客様は貴重だわ、とんでもない太客よ・・・店長のお知り合いかしら?」
「これから月一で来るって言ってたわよ」
アリスと直美の子供の褒め合い合戦はいつまでも続き、見習い美容師は度肝を抜かれ
そしてアリスは直美の一流の接客サービスに、カラー施術に大満足だった