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緑茶は飲めないが紅茶は飲める
緑茶は飲めないが紅茶は飲める
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うわあああ第1話からクレイジーすぎて最高だった…!!😭💕 諸伏くんの常識人っぽいのに振り回されっぷりがめっちゃツボくるし、名前さんの「斜め上をいく」自由奔放さが爆発してて読みながら何度も笑った🤣✨ 特にゼミでのAV事件と裁判での♡♡♡所有権論争、あとタクシー奪ってのひったくり追跡…展開がカオスすぎてページめくる手が止まらなかったよ!! 最後の「離れたくない」→プロポーズ疑惑の流れ、完全に持ってかれた…このカップルずるいわ(褒めてる) 続きめっちゃ気になる!早く読ませてください作者さん!!🔥🎀
「なんてこった……」
諸伏はどこも見ていない視線のまま、ただ呆然と座っていた。
名前は大笑いして、その盗んだタクシーの急ブレーキをかけた。
上原と大和どころか、所轄中が名前が盆を運んできたそれに笑った。
「はい。諸伏警部。緑茶フラペチーノで、こっちがキャラメルかけた方…」
諸伏もう頭を抱えてデスクに突っ伏した。
湯飲みの上に生クリームが巻いてある。
「いつもお茶ばっかり飲んでたらからだ茶葉になるよ」
「…」
諸伏何か言いたげに額を押さえたまま名前を見るが、名前が生クリームだらけになっていくのを見たらもう反対を向いて吹き出してしまった。
「あなたと名前は随分と対極にあるのにね…」
何気なしに上原が椅子に腰掛けながら呟く。
「…よく言われます」
諸伏カタカタとキーボードを打ちながら呟き返す。
「信じられねぇ」
大和は首を傾げる。
「高明ならまだわかるが、あのいかれ女がお前と同級生で…法学部出てんなんてよ…」
諸伏大和に真剣に顔を出す。
「…わたしがいちばん信じられません」
ぶっ…と上原顔を覆った。
「大学のときから付き合ってんだろ?」
「そうです…」
「そうなる経緯は複雑そうね」
諸伏手を止めてちょっと上を向く。
諸伏はその日誕生日だった。だがどうでもよくて、ゼミに行く途中に同じゼミ仲間に捕まった。
プレゼントだと言われ、開けてみろと渡された包み紙に、目の前で動画を撮るやつに気づきーーろくでもない何かなのはわかっていた。
AVだった。しばらくそれを見たままでいる諸伏にゼミのやつらは大笑いし出す。
馬鹿馬鹿しい……どんな顔しているんだ今わたしは。
瞬間、「高明!!」と後ろから駆けてくる音がして諸伏は振り向いたがすぐ屈む。
思い切りケーキを顔に投げられて目の前にいた同級生が、後ろにすごい勢いで倒れていった。
当然主役はそいつに早変わり。大爆笑して皆腹を抱えたまま写真を撮ったり、とにかく廊下は爆笑に包まれて、諸伏は唖然としていた。
すぐ肩を引かれて振り向けば、名前がいて、カラフルな三角な帽子をかぶせられる。
「お誕生日おめでとー!!」
「…」
拍手されて諸伏もうなんの感情もなく突っ立った。諸伏が避けなければ当てるつもりだったのは明らかだったからだ。
「名前!ふざけっ…ゴホッーー!」
「ごめんごめん!でも楽しいからいいじゃん!ん?」
名前は諸伏の手元にあるそれに気付く。
「高明そっち系?」
諸伏手元を見た。なんかこうーー制服縛りの…そういうのだった。すぐにすっ、と目の前からそれを名前は奪い取る。
「気が合うじゃん!もーらい!」
「……は?」
諸伏もう意味がわからなくなる。辺りの男らが手を叩いて笑っていた。
「いやまじあいつ敵わねぇ!」
「この間も鍋ん中にゲロ吐いたろ?」
「はぁあ!?俺知らねーよ!!だから途中からお前ら笑いこらえて震えてたのかよ!?」
アハハハ……と同級生らがケーキで前の見えないやつをトイレに連れていき、諸伏に肩をかけてくる。
「遅刻したらもうシコらないよー!値上げするし!」
と廊下の端の部屋から名前が首を出して手招くのに、また皆は爆笑した。
「…当時からそんな感じなのね…」
上原遠い目になる。
「はい。でも…」と諸伏。
諸伏は張り出されたテストの順位表にいつも眉をひそめていた。
どんなに寝ずに勉強しても、名字名前、といちばん上にあるからだ。
昨日だってゼミに来なかったし、風の噂で聞けば、バイトが忙しいとかなんとかで……なのに何故彼女がトップなのかと。
さらに噂では教授と出来てるからとかで、諸伏は正直自分から関わることはないと思っていた。
だが多少の疑問は残っていた。
もし本当に彼女が【1位】なら……その秘密を知りたかった。
諸伏はそれから名前をよく観察した。正直、見た目は夜の街の出勤前だ。いつも完璧なカールした明るい髪に、ふわふわした睫毛をして、どの学部でも名前を知らないやつはいないほど、そのコミュニケーション力は優れていた。
そして気付いた。彼女が周りに囲まれているのは、ただ胸元を開けっ広げているからではないことに。
学校中の噂や話が彼女に集まるのだ。彼女はそれを何に生かしているかーーそれを授業で諸伏は知ることになる。
「…今日は現実にアメリカの法廷で争った事件を題材にしよう」
教授が明かりを落とす。スライドが始まった。
とある崩壊しそうな夫婦がいた。子供ができなかったのだ。だから夫は浮気していた。そんなある日、ついに夫婦に子供ができたが、妻は夫に親権を渡さないと訴えを起こした。
「君たちは妻側の弁護士だ。この場合、どう戦う?」
どう考えてもこちら側が有利だ。と諸伏は明るくなった室内で考えた。
結婚していて、子供ができようができなかろうが、浮気はしてはならない……と諸伏はぼうっとパソコンを眺めていた。
そのとき名前が手を上げた。名前は立ち上がる。
「教授、平均的な成人男性のマスターベーションの数をご存知ですか?」
明らかに笑いが起こる周囲を見回し、諸伏は名前を見続けた。
「なんだって?」
「週平均4回です」
名前は何か資料を取り出す。
「これはわたしがこの大学のほとんどの男子生徒に統計を取った結果です。こちらを裁判官に証拠として提出を求めます」
どっと笑い出す室内に、教授も顔をしかめる。
「…認めよう」
「つまり、マスターベーションは男性の性生活において欠かせません。ここにいるみんなもするよね?昨日わたしで抜いたやつは?」
ハハハ…と皆は手を素直にあげだす。
「そのとき射精した精子の行方は?ほとんどがティッシュペーパーです」
ゴミ箱なんですよ。と名前はにっこり続ける。
「高明」
諸伏は目を見開いたまま前を見ていた。
「…あなた…射精した精子の数を覚えてる?」
「…」
「諸伏」
と教授に指をやられ諸伏はちらと名前を見る。
「…いいえ」
「数えたことは?」
未だににっこりしている名前に教室中がだんだん静かになる。
「では」
名前は真顔で言った。
「その射精した際の精子の所有権の有無を、セックスで主張したことは?」
「…ありません」
名前はまたにっこりと教授を見る。
「でしたらその妻との1度のセックスで精子の所有権を主張する権利は夫にはありませんね。これなら浮気相手に確認も出来ます。そのときに所有権を主張していなければ、その1回のみで親権を主張するなんておかしなことは認められないのでは?」
教授は辺りを見回して、唖然と名前を見ている生徒たちに肩をすくめた。
「勝訴した」
「名字さんーー」
諸伏は授業が終わりすぐ名前を引き留めた。
「ん?」
名前はリップを塗りながら振り向いた。
「…素晴らしい弁護でした。本当に…」
「え?なにー照れちゃうよぉ…」
名前は壁に寄りかかる。
「…まさかそういう切り口になるとは思わず…わたしには全く思い付きませんでした」
「いつもみんなと世間話してる甲斐があったよ!」
名前が何故か手を出すので、諸伏よくわからないがその手をぱしんとハイタッチした。
「うちらの勝利だよ!ヤッタネ。あ、そうだ、前から思ってたんだけど…」
と名前諸伏の周りをまわる。
「もうちょいましな服着ない?ぜーったいズボンのサイズ間違ってる!」
「ちょっ…!」
諸伏手を引かれて気づけば廊下をプリントを飛ばしながら走っていた。
「やっほー」
1件の服屋に連れて行かれて、名前はう~ん…と言いながら諸伏に服を当て始める。違うわ、と服を放り投げ歩き回り、名前は1枚服を当て笑顔で頷いた。
そのまま諸伏を試着室に突っ込んだ。
「着たら出てきて~」
「…」
諸伏はその、なんかハサミで乱雑に切られたみたいなシャツの裾を見て眉をひそめた。
ペンキぶっかけられたみたいな柄だし。
「ん?」
名前も隣から出てきて、諸伏はもうからだをのけぞらしそうになった。
上は黒いブラみたいなのだけで、下はバレエみたいな白い広がってるスカートにブーツだったからだ。
「…へそが出るんですけど」
諸伏恥ずかしくなりお腹を押さえたら名前は大笑いして、また諸伏の手を引いた。
「えっ?」
会計に手を振るだけで名前と諸伏は出た。
「ここ、経営者わたしだから」
「は?」
諸伏ぽかん。名前は諸伏に振り向いて笑う。
「経済学の授業取れなかったの。だから、始めちゃった方が早いかな~って毎日おっぱい出して居酒屋バイトしてた甲斐あったぁ」
「…」
諸伏唖然とした。彼女が何日もいない日は、恐らくこちらに力を注いでいるのだとすぐつながった。
「…あなたは…」
「おっ。何か歌ってる。行こっ」
名前はずっと笑顔のまま、諸伏の手を引き続けた。
「…」
何かが諸伏の中で変わりだした。名前を見ると、なんてこった。という気分になるのに…隣にいることに胸が熱くなる。
思わず握っていた手の指を絡めると、何か知らない歌を聞いていた名前が諸伏を見上げた。諸伏もそれを見下ろす。
名前は笑顔で、諸伏を思い切り歌っている相手向かってほとんど投げた。
わぁー!と群衆がびっくりした声をあげるが、いちばん驚いたのは諸伏だ。
なんだって?どういうことだ?振られたのか?意味が……
名前そのストリートミュージシャンに平謝り。すぐに諸伏を起こしてまた走り出す。
「何するんですか!げほっ…」
名前すぐさま振り向くが、胸元から1000円取り出してにやりとする。アイス屋の前でふたりは止まった。
「…まさか盗んだんですか!?」
「んふっ…いいんだよ」
駄目に決まってーーと言っている間に、コーンに乗ったアイスが出てきて名前はそれを受け取り、アイスを諸伏に押し付ける。
「だってあの道うちの店の敷地だもん。賃料の請求権がありまーす」
「…」
「早く食べな。溶けるよ」
諸伏もしばらくそのアイスを見ていたが、やがてしゃがむ名前の横で、同じようにして黙々と食べ始めた。
上原話を聞きながらもう肩を震わせてくすくすした。
「んのまんまじゃねーか、今も」
大和も背もたれに寄りかかりにやにやしながら足を組む。
「なんならさっき着替えたせいで、股下がすごく浅いズボンだったので…お尻見えないかわたしはそれだけでした…」
ハハハ…と上原額を押さえる。
「あー楽しかった。帰ろっか!」
諸伏は急に立ち止まる。
名前はすぐに気がついて振り向いた。
「…名前さん」
「え?」
諸伏名前の両手を握りながら、ゆっくり下を向いて名前の額に額をくっつけた。
「…」
「…あなたが物凄く【ネジ】が飛んでる方なのはよくわかりました…でも、尊敬もしています。でもさらにそれ以上に…」
あなたと離れたくないんです
「…それってさ」
と名前はそのまま話す。
「…言わないでください」
そのままふたりはキスした。
ふふっ、と名前が恥ずかしそうになったその瞬間だった。
「誰かー!ひったくりよぉー!」
名前の後ろをバイクが通り過ぎ、名前は悲鳴をあげて諸伏に飛び込んだ。
「大丈夫ですか!」
名前すぐさまキョロキョロし、はっと気付いたように走り出す。
「貸してガキんちょ!」
「えぇっ!」
通りにいた少年からバッドを取ると、名前は走り出した。目の前にあるタクシーが荷物をトランクからおろしている。
「高明!」
諸伏意味もわからず名前に走ってついていくと名前がそのタクシーに乗り込むので、もう諸伏も訳わからず助手席に乗った。
「ちょっと!?」
「後で返すから!」
名前アクセルを全開でそのバイクを追いかけだす。
「…なんてこった……」
諸伏はどこも見ていない視線のまま、ただ呆然と座っていた。
これ窃盗罪……と諸伏がぼんやり思った瞬間、名前が窓を全開にして、そのままハンドルから手を離してバッドを構えるのでーー諸伏も必死だった。ハンドルが諸伏に渡り思い切り車が揺れる。
「いくよーー高明!」
諸伏迫るバイクの後ろにつけ、そのまま脇にハンドルを切った。
思い切り名前がバッドをかましたので犯人は吹っ飛んでいく。
名前は大笑いして盗んだタクシーの急ブレーキを踏んだ。
「やった!」
「…っ」
諸伏本気で叫んだ。
「なんてことをしたんだ!!」
名前びっくりして、静かにバッドをおろす。
「ご、ごめんて…でもからだが…」
諸伏思い切り名前を掴んで胸元に押し込むように抱き締めた。
「…無事でよかった……!!本当に!!」
「こーー」
「2度とわたしから離れないと誓ってください!!」
守れなくなるーー!!
はっ…はっ…と荒い息をして諸伏は名前の肩を押して離した。ごくり。と唾を飲む。
名前、未だに目をぱちくりしていたが、すぐに思い切り諸伏の首に大笑いして抱きついて、ふたりは席から消えた。
「え?でもそれって…捉え方によってはプロポーズよあなた…」
「オイ?だからあいつも刑事になったのか?」
「…わかりません」
と真剣に強く囁く諸伏に、ふたりはまた吹き出した。
「彼女はわたしの上ではありません。斜め上をいくんですよ…わたしもプロポーズしたのかしてないのか自分でもわかりません!ただ完全にタイミングを逃したのだけは明らかです…!」
そのときすすり泣くぼろぼろの容疑者らしき男が刑事に押されてカウンターを通って行き、皆はそれを見た。
「ったぁく!もう一生やんなよ!こんちくしょー…」
バッドを背負っていた名前が髪をなびかせるので、どっと皆吹き出してしまう。
「ん?」
頬に絆創膏していた名前はそこをかりかりと掻いた。
「…」
諸伏も吹いてしまってデスクに突っ伏した。
一生わたしはきっと、あなたを追いかけるでしょう。
魅力的過ぎますから。ああ、なんてこった。