君に気づいてもらえなくても。
第四話連載開始です!
ハッピーエンドで終わります!
「今日の予定はここまで、安倍先生が居ないけど君達はこれまで通り過ごしてね」
初見でも分かる程教卓に立っている恵比寿先生はクマが出来ていて顔色が悪い。
「あの、無理しないでくださいね?恵比寿先生…」
倉橋くんが流石に見ていられなくなったのか言う。
「大丈夫だよ、倉橋くん…」
絶対大丈夫じゃないだろという言葉を飲み込んで倉橋くんは目線を逸らした。
「じゃ、僕は職員室に戻るから」
そのまま恵比寿先生は教室を出た。
クラスはいつもの明るさを失い、暗い空気が流れていた。
「なんか晴明が居ないと弐年参組って気がしねぇな…」
泥田くんがボソッと呟いた。
「そうだな、晴明が居たから弐年参組が成り立っていたといっても過言では無い…」
泥田くんの言葉に賛成するように座敷さんが言った。
「晴明くん…もう会えないのかなぁ、?」
ボロボロと涙を流しながら豆は佐野の腕の中に抱かれている。
もう会えない、そんな事あってはならない。
僕の大切な生徒達は目線を交わして頷いた。
「晴明、会いたいよ」
「もう一度一緒に授業出来ることを信じてますからね…」
「お前の笑顔を俺達に見せてくれよ」
皆が教室で泣いている。
桜が舞って僕が赴任してきた日のようだ。
あの日は皆が不仲みたいで喧嘩していた生徒も多かったけど今では皆が笑いあえてる。
でも今は皆が泣いてる。
泣いてる顔より笑ってる顔が見たいんだよ。
「どうして、僕のしたことは間違いだったのかなぁ…ッ」
皆に気づ居てもらえずに僕は教室の前で、思い出の場所で泣いた。
教室には生徒だけの声が響いていたそう。
「安倍先生、早く私の所に来てくださいね」
晴明の隣で男が喋る。
「…うん、約束だよ」
晴明は小指を出して男と指切りをした。
「狐街で、貴方を歓迎しますよ」
一匹の狐は笑う。
晴明はもう、狐街からは逃げ出せないのかもしれない。
「ゆびきりげんまん、うそついたら嫌いになっちゃうからね?」
純粋に笑う1人の人間の笑顔は朝日で輝いた。
「はい、嫌いになりませんよ」
黒い狐と人間教師の関係はもう崩せないところまで行っていたのかもしれない。
「厄介な事になりましたね」
まさか、狐が関わっているとは…。
「…夷三郎さんに報告、ですかね…」
1人の神様も人間教師の帰りを待っている。
夢を見た。
皆が泣きながら僕の名前を呼ぶ夢。
なんで泣くのは僕には分からない。
「安倍先生」
「あ、填星さん…」
「皆、貴方のせいで泣いてるんですよ」
「え、?」
填星さんは僕に近づいた。
僕の足はずっと動かなかった。
「貴方…戻ってはいけませんよ」
戻っちゃ駄目。
また皆を泣かせちゃう。
「貴方も、生徒には笑顔で居て欲しいでしょう?」
僕は…その時理解した。
皆の元へ戻らない方がいいと、
もう戻れないということに。
お久しぶりの謎回。
次回:君の担任として。






