五月上旬、爽やかな伊吹感じる初夏の日。
俺たちはインターハイ予選に向けて練習していた。
お昼には梟谷学園男子バレーボール部父母の会の方から差し入れにアイスクリームを頂いた。
この出来事がきっかけだった。
アイスクリームにはチョコレート味、バニラ味の二つがあった。
木兎さんはチョコレートを。俺と木葉さんはバニラを選んだ。
木兎「なぁー木葉ーーー!!お前のーそのバニラ、一口分けてよー!!」
木葉「いいけど、、お前のチョコレートも分けろよ~」
包装を開けようとしていた俺はそれを聞きつけると、思はずフリーズしてしまった。
赤葦(「木兎さんに、木葉さんがアイスクリームをあげる?しかも木葉さんのアイスクリームを木兎さんが食べる?」
「俺も木兎さんの近くにいたのに、何故木兎さんは俺じゃなくて木葉さんを選んだんだ?」)
なんだかすごくモヤモヤした。
心は溶けてべとべとになったアイスクリームのような状態のまま、午後の練習は始まった。
練習内容は自主練。
ボールを取ったあと、トスの練習を始めた。
すると案の定、五秒後。
木兎 「あかーし!!スパイクの練習したいから、トスして~!!」
やはり木兎さんは来た。
いつものおれだったらここで、
イマジナリーアカーシ 「いいですよ。」
と快く行っただろう。
だが、木葉さんと木兎さんに対するよくわからない感情を感じていた。
だから俺は快く承諾出来なかった。
気づいた時には俺の口から
「そんなにスパイク練がしたいなら、俺じゃなくて木葉さんに付き合ってもらえばいいじゃないですか。」
なんて言葉が飛び出していた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!