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ウマ娘のジェンティルドンナとトレーナー(︎︎♀)です
R指定、恋愛表現などありません
「ジェンティル!!!」(ガチャッ!!)
ジェ「騒々しいわね、私のトレーナーならもっと堂々としていなさいよ。」
呆れたような瞳でこちらを見る私の担当ウマ娘。
容姿端麗な彼女にはやはり何度でも見とれてしまう…だけど今はそれどころじゃない。
「それはわかってる!わかってるけど!コレ見てよ!!!」
ジェ「…?」
(校内新聞)
[号外]オルフェーヴルが三冠達成!中央最強の力を示す!本人に徹底インタビュー
いつもの見出しより大きく強調されているのはこの間”菊花賞”を勝利し、見事三冠ウマ娘に輝いたオルフェーヴルのことだ。
しかし問題はそこじゃない
ジェ「中央…最強……?」
彼女の紅い瞳が細められ、ギラリと光を宿す。
その視線が自分でなく新聞に向けられたことは明らかだが、背筋がひやりとした。
当然だ。彼女は自分こそが最強であり、それを全国に、いや全世界に示すことを望んでいるのだから。
「前回の号外は「ジェンティルドンナ 秋華賞に勝利!歴代4人目のトリプルティアラウマ娘」だったのに!」
グシャッ
ジェ「つまり…私を差し置いて[最強]を名乗った…ということかしら…?」
彼女の持つ新聞が音を立てて潰れる。
ジェ「…ふふ」
ふふ、あはは!!
彼女の美しい声は徐々に高なり、笑い声へと変わる
ジェ「いいじゃない、オルフェーヴル!!私の全力をぶつけても壊れない相手!!」
ジェ「必ず…必ず、[最強]の座から引きずり下ろしてみせますわ!!!」
胸の前で拳を握りしめる彼女。手のひらの中で既に潰れてグシャグシャになった新聞紙が少しだけ音を立てた。
ビリビリと身体中が泡立つ。やはりこの圧は何度浴びても慣れることは無いだろう…
だがしかし、彼女の強さを世界中に証明するサポートを 力の限りしていこうと心の中でそっと、確かに 誓ったのだった
オルフェーヴルと戦うレース
それは3年目 ジャパンCだった…
いつもより落ち着いている様子の彼女、それを見て少し安心した
「もうすぐ…だね」
走るのは彼女なのに、自分の方が震えてしまう
ウマ娘にとって、レースは強さを証明する輝きの場でもあれば “それ”を失う場でもある。
大好きな彼女の走りがもう見れなくなってしまう可能性が少しでもある、それは私にとっての不安材料であった。
…それでも、私を信じてくれた彼女へ。
ジェ「呆れた。貴女が緊張してどうするの?私のトレーナーならもっと…」
「”堂々と”でしょ?」
彼女の前でニヤッと笑ってみせる
「オルフェーヴルのことはあまり意識しないで、貴女の強さを見せつけてきて。信じてる」
彼女は、目を細めて微笑む。
ジェ「当然ですわ。私以外が”最強”なんて、ありえませんもの。」
捕食者のようなその視線に、私は快感さえ感じるようになっていた。
実況「三冠VSトリプルティアラ、この2人が出走するジャパンC!!1番人気はこの娘、17番 オルフェーヴル!」
ジェ「……」(ゲートイン
オル「フン…」(ゲートイン
実況「2番人気を紹介しましょう、15番、ジェンティルドンナ!」
ー各ウマ娘ゲートインが完了しましたー
ー一斉にスタートしました!ー
「!!!」
オルフェーヴル、さすが安定した場所取り、”暴君”の名は伊達ではないようだ…
ージェンティルドンナ、2番手の位置で先頭を狙っていますがー
「まずい…リードが…!! 」
逃げウマ娘たちがどんどんリードを離していく。オルフェーヴルも前へ前へと上がってくる。
ジェ「フーッ…フーッ…」(絶対に譲れない…絶対に!私の力を証明すると誓ったでしょう!ジェンティルドンナ!!)
ギリッ
“”“譲らない!絶対に!!!”“”
ーオルフェーヴルがジェンティルドンナに並ぶ!!ー
オル「トリプルティアラも余には叶わぬのか!?全力を出せ!!ジェンティルドンナ!!!」
ーオルフェーヴル!!ジェンティルドンナ!!!オルフェーヴル!!!ジェンティルドンナ!!!!ー
ジェ「はぁぁぁぁぁぁあああ”あ”あ”ッッッ!!!!」
彼女達の踏み込みがより一層強くなり、背後へ土と芝と汗の混じった物が飛び上がる。
レース場が熱気に包まれる。
一瞬かのように感じた。一瞬だったのかもしれない。
ージェンティルドンナだ!!!!わずかに!!ジェンティルドンナが先にゴールしました!!!!ー
歓声が遠くなっていく…
ターフの彼女と目が合った 汗だくの顔で、にこりと微笑む彼女。
その美しい”最強”を絶対に忘れぬように、私は彼女だけを見ていた。
歓声なんて気にならなかった。
彼女が全力を出して戦えたことが、本当に嬉しかった。
ーああ、やっぱり自分は、彼女の走りが、彼女のことが大好きなんだ。