銃撃されて負傷したのは四人。驚いたことに、先日知り合った猪狩徹也とその仲間たちだった。
彼らがみんな撃たれたのは運が悪かったからではない。まず徹也が撃たれた。多くの味方が浮き足立って逃げ出す中、残り三人はなおも敵陣に攻め入ろうと突進した。だから撃たれたのだ。幸い後遺症の残るような重傷の者はいなかった。
四人は見舞いに来た余を見てまず謝ってきた。
「総長、手柄を立てるどころか足手まといになって申し訳ありませんでした」
「なぜ謝る? 名誉の負傷とはおまえたち四人のことを言うのだ」
四人は余に怒られると勘違いしていたようで、逆に褒められて神妙な顔をしている。
「もったいないお言葉、ありがとうございます」
「おまえたちの敵はとる。卑怯な手段で仲間を傷つけられて、余はこの上なく怒っている」
「新参者のおれたちを仲間と言ってくださるなんて……」
「いちいち感動しなくてもよい。逃げ出さずに立ち向かったおまえたちの勇気を余は讃えよう。早く怪我を治せ。退院したらおまえたち四人を横浜デビルの幹部として迎えるつもりだ」
余がそう言うと、四人は涙を流して喜んだ。
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