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生き続くな息続くな……
この想いの結晶は雪の結晶と同じよう。脆いものだった。暖かいものに触れれば、溶けてどこかに行ってしまう。
涙をこらえて吹雪の中をかけ迷う。俺……ううん、私はここで、凍死をしようとしている。いわゆる自殺。
そんな中初めて「人外」と出会う。
彼の頭には角らしきものが見えそれを隠すかのようにフードを被っている。
彼はこちらに気づいたのか駆け寄ってきた。
『君は……』
『え……?』
腕を掴まれ手前へと引っ張られる。その時あまり見えなかったであろう顔がキレイに見えた。その一瞬目と目が合った。
『ああ、探していたよ……君を』
突然そう言われ混乱しパッと目を離した。
彼のピンク色の髪は揺れる。その顔立ちの良いところや愛らしい見た目とは裏腹に低い声その全てに見とれていた。
『一体、誰なんですか貴方は……探していたって…私を?』
『あっ、ビックリするよねごめん』
掴まれた腕をやっと離され彼の顔を見る。
謝る彼の声は明るく見た目とは合っていて違和感はなかった。そして笑顔でこういった。
『僕は君のことをずっと前から知っていたよ』
『どういうことですか?』
私が生きてきたのは19年、つまり今私の歳は19歳である。その中の記憶には彼など思い当たらない。
『……前世の頃から知っている』
『はぁ?』
馬鹿げたことを言われ呆れる。とっとと死んでしまいたい。
『自己紹介がまだだったね僕の名前は──』
探し求められていた私は彼のことなど知らない、そう思っていた。
なんにせ記憶にないのだから──────