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この問題児だらけの学園に平穏な日々が訪れることは、どうやらないらしい。監督生の平和な日常が戻ってきたかと思った矢先、ナイトレイブンカレッジはかつてない奇妙な事態に陥った。

事の発端は、謎の魔法が光とともにNRCを包み込んだときだった。その魔法は「魔力を持っている者限定で、一時的に性別を逆転させる」という、非常に特殊なものだった、それが何故かこの学園全体に無差別に影響を及ぼし始めたのだ。

朝。監督生がグリムと共に食堂に向かうと、あちこちから驚きや困惑の声が聞こえてきた。そして、目の前に広がっていた光景に、監督生は思わず立ち尽くした。

「なんだゾ!?アイツ、ハーツラビュルの奴だよな!?なんか小さいし…声も高いんだゾ!」

グリムが指差す先には、見慣れたハートのマークやクラブ模様の人物がいた。顔立ちはその人にそっくりだが、体格は一回り小さく、声も甲高い。明らかに、女性の姿に変えられていた。

食堂には、他にも性別が逆転したらしい生徒たちの姿が散見された。男性だった生徒が女性の姿になっており中には、自身の変化にパニックを起こしている者や、逆に面白がっている者もいて、食堂は一種のカオスと化していた。

「これは…一体…」

監督生が呆然としていると、校内放送が流れてきた。いつもの、大仰だがどこか焦っているようなクロウリーの声だ。

「全校生徒に告げます!ただ今、学園内で発生している性別の逆転現象は、ある謎の光によるものです!命に関わる危険はありませんが、学園全体に多大な影響が出ています!落ち着いて、私の指示に従うように!そして、この事態の収拾のために協力を要請したい人物がいます!」

監督生は、変な予感がした。そしてその予感は的中する。

「オンボロ寮の監督生君!すぐに学園長室まで来なさい!これは学園長命令ですよ!」

放送を聞いた生徒たちが、一斉に監督生に視線を向けた。困惑、好奇、そして中には呆れたような目をする生徒もいた。

「アイツ…学園長に呼び出されたぞ?」

「まさか、監督生がこの事件に関わってるのか!?」

生徒たちのざわめきを背に、監督生は急いで学園長室へと向かった。

学園長室に入ると、そこには既にクロウリーが苛立ちと困惑が混じったような表情で立っていた。仮面越しでも、その動揺が伝わってくる。

「あぁ!よく来てくれました監督生君!事態はまさに由々しき事態です!見ての通り、学園中の魔力を持つ者が性別を逆転させられてしまっています!」

「食堂でも見かけました。どうしてこんなことに…?」

「原因はまだ特定できていないんです、謎の光がどこから現れたかも分からずで…。問題は、この魔法が非常に特殊で、私や教師陣の魔法でも完全に解除できないことです。強制的に解除しようとすると、対象者に深刻な魔力不調を引き起こす可能性があかもしれなくて…。」

クロウリーは頭を抱え、肩を落とした。

「ですが、安心してください!この学園長、名案を思いついたんです!!」

「名案、ですか?」

監督生が尋ねると、クロウリーは胸を張った。

「ええ!この魔法の効果は、魔力を持たない者には及びません!つまり、魔法が使えない君こそが、この状況で最も適任な調査員なのです!」

「私が、調査員…?」

「そうです!君には、私と共に学園中を回り、この魔法の影響を調査してもらいます!そして、魔法が発生した原因や、解除のヒントを見つけ出すのです!もちろん、君には危険が及びませんから、安心して任せられます!」

クロウリーの言葉に、監督生は少し複雑な気持ちになった。自分の「魔法が使えない」という特性が、皮肉にもこの事態で役に立つとは。

「私が、学園長と一緒に…ですか?」

監督生が問い返すと、ニヤッと笑い

「ええ。君一人では危険ですし、私もこの事態の全容を把握しなければなりませんからね。それに…」

「あなたはあの気難しい寮長達とのちゃんとした関わりもあるのでとても便rッッ…ゴッゴホンとても心強いのですよ!アッハッハッハッ!」

その言葉に、監督生は何かを察したが、脳内変換で大混乱中の学園で、彼が安心感を覚えるのは自分だけ…との事にしといた。

「ですから、協力をお願いしますよ、監督生 君。これは、学園のため、そして…」

「私が無事に帰ってくる未来のために…(泣)」

「アッ………、はい!分かりました。私にできることなら、できる限り協力します!」

監督生は心の中で「あぁ大変だな…」と思っい、同情と共に力強く頷いた。学園のため。そして、無事に生きて帰りたい彼のため。

こうして、魔法が使えない監督生と、性別逆転の影響を受けない(そしておそらく仮面の下で内心穏やかではない)学園長による、前代未聞の学園調査が始まった。彼らはまず、原因となった光を調べるため7つの寮を順に回っていくことにした。

最初はハーツラビュル寮だ。リドルやトレイ、ケイトたちは、一体どうなっているのだろうか?不安と好奇心を胸に、監督生とクロウリーは、奇妙な魔法に支配された学園へと足を踏み出した。二人の新たな試練、そして顔面偏差値が突き抜けている学園の旅が、今、始まる。

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