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ンンンン⁉︎⁉︎ハッハートが、、、まぁまぁいいか、、、。
それでは本編へ〜
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序 第十三話『リセット』
部屋の片隅にただ独り、死を待つ者がいた。
慣れぬ暗闇、肌に滴る雫は血か涙かさえもわからない。
グシャグシャに汚れた俺に鮮やかな思い出が胸を刺してゆく。
緋色の記憶が不意に、美しい思い出となる。
濡れた床も朱く乾いてゆく日々に、「時の流れは非常」だと。
泣き顔さえ醜さを忘れ、哀しみも通過点にして明日も、
無意識に求める愛。
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格子状に途切れた雲を眺めながらナチはただそこにいた。
罪悪の遺書も書く気になれない。ただただ、
どこで間違えと抱え込んで思うだけ____。
ガチャ。いきなり牢のドアが開いた、そこにいたのは凛と立っている大英。
大英「お前と面談したい奴がいるそうだ。ついて来い。」
ナチ「、、、俺に?」
大英「今回だけ特別なんだ。こい。」
そうゆうとナチに手錠をかけ、面談室に向かった。途中の廊下も窓一つない道で、ランプが二人を照らしていた。ナチにはそれすら眩しく思えた。
面談室の扉が開かれた。肘をついて座っていたのは、
イタ王だった。
大英「、、、それでは面談は10分だ。ごゆっくりどうぞ。」
大英は目を伏せ、ドアの向こう側に行った。残された二人を阻む透明な壁が今の関係を表しているようだった。
イタ王は1943年9月3日に降伏し連合側についた。だがそれにも理由があることを知っている、、、内戦や連合に負け、俺が北部に傀儡国家を作ったからだ。その後も色々とありイタリアは満身創痍とゆうことだろう。
イタ王「、、、ごめんね。」
ナチ「、、、いや。これは仕方がない事なんだ。」(イタ王が裏切ったのは単純に言えば連合が唆したからだ。それにイタ王はまんまとハマり騙されてしまった。)
だが、裏切るような行為をイタ王は言わず連合についた事。その事について謝りにきたのだろう。
イタ王「ioがもっとナチの力になれたらこんな事にならなかったのに。」
イタ王は眉をひそめて俯いた。俺の方が力になれなかった、何もしてあげられなかった。罪悪を覚えるのは俺の方なのに。
ナチ「イタ王。俺の方こそだ、、、すまない。これは身を持っt」
イタ王「ナチ。」
顔を上げると壁越しにイタ王が俺の顔を覗き込んでいた。俺はどんな顔をしていたのだろう。
イタ王「これは君の所為じゃない。ioも力不足な所もあった。どうか自分を責めないで。」
イタ王は俺をじっと見る。ただ次に来る言葉が罪の擦り合いの言葉ではない事に驚いた。
イタ王「だから独りであっちにいかないで。無茶苦茶やるのが美学じゃ無いから。」
その言葉は謎の力があった。世界的にもイタ王は芸術に優れている。そんな彼が言う無茶苦茶は、、、俺が自殺する事。
よくある物語。主人公の仲間が死にそれに感化された主人公が強くなる。読者からしたらさも美しいように見えるだろう。
だがそれは真なる美学とは言えない。
ただ純粋に彼は俺に『死んでほしく無い』そう言っているように思えた。
大英「時間だ。」
気づけばあっとゆうまに時間が過ぎていた。そしてイタ王が最後に残した言葉____
イタ王「少年兵ナチよ、どうか次来る者に君なりの慈悲の言葉をくれてやってくれ。」
ナチ(次来る者、、、?)
イタ王は立ち上がり俺と目を合わせたまま部屋を出て行った。
長い廊下は不意にも戦友と会うのがこれで最後とゆう心残りで更に長く続く。
イタ王「!」
陸「面談は終わりましたか?」
こちらに目を向け、壁に寄りかかっているのは東洋の孤島の使者だった。だが彼は英語を使っていた。ioもまた英語で話した。
イタ王「うん。君もまだ戦争中とゆうのにこんな遠い所まですごいね。」
陸「、、、戦闘不可能と判断されたので、こちらに送られました。」
イタ王「、、、そっか。、、、、、初対面にしながら無礼だけど君は、、、自分を取り繕っているね。」
陸「!、、、わかるのか?」
イタ王「うん、、、目が虚でまさに、、、最近大切な人を失った感じだね。」
そう言ってしまうと東洋の使者である彼は下を向いてしまった。どうやら的中してしまったようだ。言おうか迷ったが、、、言う事に決意した。
イタ王「、、、君はその思いをそのまま伝えたらいいと思うよ。」
陸「!」
イタ王「“じゃまた”。」
陸「、、、ありがとうございます。」
ioは笑顔を交わし去って行った。
ほんの数分後、面談室が再び開かれた。通訳人と一緒にドアから出てきたのはいかにもアジア人らしい軍服を身に纏った少年だった。
ナチ(帝国日本の使者か、、、なぜ俺に、、、。)
陸「、、、この度は大日本帝国司令官、日の丸昭和に変わり私、大日本帝国陸軍元一等兵、日の丸陸が参りました。本日は、、、。」
目の前にいる少年は少し間を置き、応えた。
陸「本日は、、、なぜ貴方が戦争を起こした訳を知りたく参りました。」
ドアの向こう側で大英がガタッと音を立てて動揺した。俺もその直ぐに通訳されたドイツ語を聞いて驚いた。
ナチ(俺が、、、戦争を起こした理由。思い返せば、、、本当にくだらない事に多くの罪なき人を犠牲にしたんだ。)
考えて今、わかった。
ナチ「俺の父上は戦争で死んだ。俺は長きに渡るドイツ家の最後の独り子となってしまったんだ。元々軍事学校に入っていたから復讐の為に戦う以外に選択肢はなかった。」
通訳を聞いた陸と名乗る少年は頷いた。
、、、不意にまたあの緋色の記憶がフラッシュバックして蘇る。ゆういつの肉親の死体を抱いた時、長い事同じ戦場を戦った戦友を亡くした時、いつだって救済と名乗る絶望で騙す天使の事が死ぬ程嫌いだ。
やばい感情がコントロールできない。嫌な記憶が俺を襲う。
陸は罪なき人だ、だから俺と関わるべきじゃ無い。だから___
ナチ「これは単なる身勝手な復讐劇だ。ただそれだけなんだ。」
陸「、、、だったら世界には慰めてくれる人がいt」
ナチ「ッいなかったんだよ。仮にいたとしたら、誰も声を聞いてくれなかったのは何故だ、、、!誰も手を差し伸べてくれなかったのは何故だ!この世界に染まる事を阻止してくれなかったのは何故だ‼︎」
陸「だったら俺がその手を掴むから!」
ナチ「黙れ!」
陸「、、、、、、ッ。」
ナチ「俺は生きることさえも否定されたんだ!今更お前に何がわかる⁉︎」
(言いたくたい言いたくたい、、、)
プツと千切れた音が耳に入った。、、、とうとう言ってしまうんだ、、、
ナチ【愛されている癖にズルいよ。】
陸「、、、、、、。」
、、、はっと我に返り今の発した言葉に自傷の念が溢れた。陸は目を開いたまま硬直して動かなくなってしまった。
俺はとんでもない事を言ってしまった。なんてゆう身勝手。イタ王に言われたことと真反対な事を言ってしまった。こいつだって戦争中に俺なんかの為に祖国を離れてきてくれたのに。俺はなんて事を、、、、、、。
ナチ「わっ、、、今のは忘れてくれ。」
目の縁が赤くなり熱い。必死に泣くのを堪える。俺は今どんな醜い顔をしているのだろう?
最後は陸と俺は目を合わせずに面談が終了した。
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部屋に戻され、俺が今までのしてきた事を全て憎んだ。
なんて事をしたんだ、、、‼︎ただの自分勝手じゃ無いか‼︎
大英「、、、、、、。」
ナチ「、、、、ッ、、、、、、ッ!、、、ッ、、、。」
かちゃ、、、。
ナチ「、、、!」
大英「、、、ここに一つだけ弾が入っている。それを何に使うかはお前に託す。」
そうゆうと大英は俺が大事につかってきたMー11の拳銃を持たせた。大英は牢の鍵を閉めずに歩いて行った。勿論、大英も復讐相手に入っている事を知りながら。
今は、、、
只々こんな苦痛に早く解放されたくて。
「やり直ししたい。」
最後の最後で、、、憎き神に祈る事になろうとは。でもそれもどうでもいいか。
黒き歴史に、千年積み上げた歴史に、俺がトドメを刺すんだ。
永遠の劣等生は自分の額に銃口を擦りつける。
ナチ「神様、、、もしも生まれ変われることができたのなら、愛のある子にして下さい。」
この世界の全てに感謝と別れを告げ、来世に期待した。
パン。
1945年5月8日。ナチは自決した。
ソ連「!、、、今の銃声?」
ソ連がすぐさま階段を駆け上り目にした光景は、牢獄の中で頭から血を流し、死んでいたナチだった。
大英「、、、俺がそいつに拳銃を渡した。」
大英が後ろから近寄ってきた。
ソ連「何故?」
大英「、、、。、、、俺は極悪非道人だからな。自決させた方がこの屑に一生自傷を抱かせられるだろ?」
ソ連「、、、、、、ッ!」
大英「、、、それより身元確認だ。」
ソ連「、、、本人だし、完全に死んでいるぞ。」(、、、、、、ッ!、、、あれは、、、本?)
ソ連が古びた本を拾い上げると本には禁忌本と記されていた。更には付箋が貼ってありそこのページを恐る恐るめくると漢語で
ソ連「尸解仙、、、?」
と書かれてあった。
大英「!、、、どうかしたか?」
ソ連「いや何でも無い。」
ソ連は大英に見つからないようにそっとその本はそのまま机に置いた。
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その後、
帝国日本は降伏した。
1945年9月
陸「、、、俺が死ねばよかった。」
終わった戦場に独り取り残された少年兵。
彼が望むものとは____
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序 第十三話『リセット』 完
これでナチの回想編は終わります。次回からはまた別の視点でお送りしますー。
それではまた戦場で。
コメント
4件
ヒトラーは二次大戦を引き起こしたから、罰ぐらいはあっていいよね
ナチの絵めっちゃ好こうすぎるんだが⁉︎ ナチ次は仙人のように愛がある、そして愛がもらえるといいね