テラーノベル
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四回目の同じ机だ。
「おえっ」
俺は突っ伏したまま、心臓と脳を同時にドリルで貫かれたような痛みが全身に伝わり、椅子に座ったまま体を振るわせる。今度は激しく息続きしたが気絶はしなかった。机に吐瀉物をぶち撒ける。
足は……
無事、穴が空いてない。
オッサン教師が慌てて、俺の方に駆け寄る。
「おい!ミスター田中?大丈夫ですか?どうしたんー//」
オッサンの声をBGMに。俺は、状況を掴み始めた。我ながらゲーマーの恥だ。殺されすぎて、やっと状況がわかった。もうこの世界の女にまともな奴はいない。俺は今からこの学校から抜け出して、誰もいない場所に籠る。それしか勝たん。この教室はもう二度と来ない。そう心に誓う。
右手で定規を握り、オッサンを制して、俺は怒鳴る。
「おい!デブ!俺に近寄るなぁあああ!!!」
「今から、俺は、帰るんだよ!俺に関わるなぁあああ!」
当時の俺は焦っていたのもあってか、俺を止めようとするオッサンを振り払って、周囲のドン引きの目線の中、窓に駆け寄る。
二階で下は花壇。このままここに居ては碌な奴はいない。また殺される。と俺は悟る。だから飛び降りる。
「え、ちょ、田中くぅーーーーん?!?!!!!」
オッサンが何やら騒いでいる。
気にせず、窓をガラガラ全開に開け、そのまま、身をのけ反らせて飛び降りた。
ドゴーーーーーン。
幸い、地面まで3メートルしかなかったからか、尻が擦りて、身体中の骨が痛い以外は無事だ。ショットガンの蜂の巣に比べればマシだ。
立ち上がってから、太ももに鈍い痛みが走ったが、気を奮い立たせて遠くの校門にむけてなりふり構わずに走り出す。
「うぉおおおおお!!おおお!!もうお前らとは関わんねーーよ。二度となぁあああ!」
走りながら叫んだ。
紅いグランドを抜け校門に差し掛かった瞬間。遠くで何かが光った気がした。次の瞬間俺が認識するまでもなく、頭に大きな風穴が開き。俺は気がつくと死んでいた。
DEAD END : 4
机で目覚める。
もう何回目かもわからなくなってきた。この机が今は憎い。
「うっ、おっ」
頭をバットで殴られる痛みを100倍にしたものが襲いかかる。
痛みで机の両脇を掴んだまま、机ごと大きく揺れる。
ガンガンガン!
今度は吐かなかった。どうやら俺の胃は耐性でも持ったらしい。
怪訝そうにするオッサン。
「ミスター田中、どうかしましたか?ー//」
このままではどうやっても死ぬ。何か、何か、考えないと、ショットガン、毒、2丁拳銃、むっつりパイパイ。校門の時の謎の攻撃。てか2丁拳銃の奴はなんで変身したんだよ。
俺の脳は情報過多で爆発しそうになっていた。
あっ、そうだ!一人で立ち向かうと殺されるなら、仲間をみっければいいんじゃね?
我ながら天才の発想だと思った。
思い立ったらすぐ行動だ。
女はやべーから近寄らないとして、今クラスにいるザコそう男を仲間にして、
困ったら俺の肉壁(デコイ)にすればいいじゃんか。早速授業終わってから、後ろの数人に声かけてみっか。
俺に無視されてたオッサンは、顔を赤くしながら、説教をする。
「ミスター田中、先生の質問に答えてくだー//」
俺は耳をかっぽじりながら、教科書に落書きを始める。
オッサンは諦めたのか、プンプンしながら教壇に戻り、授業を続けた。何度か当てられたが、俺は作戦の計画に集中していたので気が回らなかった。
デレレレレ。デレレレレ。
チャイムが鳴る。
「ミスター田中、後で職員室に来なさい!!」
そう言い捨てるとオッサンは、力強い足取りで早足に教室を去った。
俺は立ち上がって見渡すと、近くの比較的血色の良さそうな坊主学ランに狙いを定めて、そいつの席に近づいて話しかける。
「よぉ、俺、西、じゃなくて田中ていうだけど、よろしく。お前、名前教えてくれや。」
坊主は俺が近づいてくると怯え切った様子で、
「あ、あぁ、す、隅田です。ごめんなさいぃい。」
俺なんかしたか?なんでこいつ、こんな怯えてるんだ?
俺は気にせず畳み掛ける。
「隅田?あ、よろしく!仲良くしようぜ!」
さあ、どうよ、俺の渾身の友達申請!
これならいけるっしょっ。
隅田は必死に目を泳がせながら、俺と目を合わせようとせずに震える声で言ってきた。
「あの、僕ひ、一人がいいので、すみません」
え、断られた?こいつ、なんやねん。
なんもしてないのに。
てかなんか様子おかしくね?
隅田は急いで膝をガクガクさせながら立ち上がると、俺を置いて小走りで教室を出て行った。同時に数人残っていた男子たちも何やら忙しく立ち去りはじめと、女子達もお昼に出掛けていった。
残っているのは俺と、眠りこけるサイドテール、窓際で、パズルを夢中になって遊ぶ女。
て、パズル女?!!
誰だおめぇーー!!
前回いなかっただろっ!!!
いや落ち着け。これはチャンスなのかもしれない。もしかして、前回で発生しなかったイベントが起きるんじゃねーのか?
ブチャ
何かを踏んだ。
足を退けると、銀色のオシャレな英文字の刻印が入った鍵だった。
拾い上げると少し軽い。俺の踏んだ跡が見えないように制服で拭いて綺麗にした。
ふむふむ、俺の長年のゲーマーの勘からすると、これはイベントフラグだ。間違いない。
コメント
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第5話、読み終えました。4回目のループでようやく「この世界の女は全員ヤバい」と割り切った主人公の判断、笑っちゃいましたね。でも飛び降りた先でまた不意撃ちされるのは理不尽すぎる……。そして5回目のループで「仲間をデコイにしよう」という発想、ゲーマーらしい合理的な狂気が滲んでて好きです。隅田くんに怯えられるのも、パズル女の突然出現も、鍵のイベントフラグも、ループごとに世界のルールが変わる感じがして続きが気になります。