テラーノベル
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「ごめんなさい、アナタもアリスト君と一緒だったのね」
マルのお母さんはそう言って、ベーコンとスクランブルエッグがたっぷりとのったお皿を私達の前に持ってきた。もちろん野菜もあるけれど。スープボウルに注がれた白いスープは貝の香りがする。クラムチャウダーかな? 美味しそうに焼けた丸いパンもある。
ルードが丁寧にだけど、勢いよく食べ始めた。お腹、減ってたんですね。
私も少し遅くなった朝食をいただいた。
「ご馳走さまでした、美味しかったです」
「ごちそーさまです!」
「はーい」
「ルードは部屋で寝ておきなよ、魔力回復しといてね」
「えっ……」
まだ食べているルードにそう言い残し、アリスは私を連れて部屋に戻った。
「さてと、まずはごめんね。夜に散歩に行きたくなって勝手に出ちゃって」
「あ、うん」
「情報収集してたんだけど、トレントが出てきちゃってそのままあーなっちゃって、戻れなかったんだよね」
「そうだったんだ」
「でもさ――」
突然、手を引っ張られる。
ギュッ
気がつけば、私はアリスの腕の中にいて、彼はスンスンと軽く匂いを嗅ぐ仕草をした。
「ルードの匂いがついてる」
ドキリとする。やましいことは何もしてないのだけど!
「あのね、アリスちゃんがいなくてそれで、トレントのことを聞いたから、ルードさんに連れていってってお願いしたの」
だよね、あってるよね?!
「うん、そうだろうとは思ってたけど……」
ギュッとしている腕の力が少し強くなった。
「少しも離れられないなぁ――」
え? 何て言ったんだろう。小さすぎて聞き取れない。
「アリスちゃん?」
腕の中からアリスを見上げると、アリスは目を閉じた。そして、ぐいっと持ち上げられ、私はベッドにストンと座らせられた。そのあと、アリスも横にポスンと座った。
「そうだ、アリスちゃん、聞きたいことがあるんだけど」
「何?」
「夜に見た、アミスさんの歌の後、男の人が二人いた?」
少し考えてから、アリスは答えてくれた。
「いや、クレス王子一人だったよ」
そう、やっぱり。あの人はもしかして――。
「アミスさんは水の精霊と契約してる聖女なのかな?」
「かもしれないね、リサちゃんと同じ魔法の使い方だった。前にここに来た時は、彼女が歌っているところしか見たことがなかったからなぁ」
彼女の後ろに立っていた深い青色の髪、金色の眼をした青年は、たぶんこの国で一番力が強い水の精霊なのだろう。
アミスも、声が聞こえたり姿が見えるのだろうか? 彼や彼女と話してみたいけれど……。出来るのかなぁ。
エコ

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月城 蓮桜音
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コメント
1件
朝食シーンから一気にアリスの“ルードの匂いがついてる”にドキッとしたわ……! 嫉妬なのか独占欲なのか、ギュッてされるリサの戸惑いがすごく伝わってきて(笑)。水の精霊の青年の正体も気になるし、アリスとリサの距離感がじわじわ縮まってる感じがたまらない。続きめっちゃ楽しみにしてる🔥