テラーノベル
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「何から見ようか」
三人は入口でもらった案内図を広げながら、どこから回るかを相談していた。
大きな水槽が並ぶフロアに色とりどりの魚が泳ぐエリア。
少し離れた場所にはペンギンやイルカもいる。
「しおん、イルカさんみたい!」
案内図を覗き込んでいた詩音がイルカのマークを指差して瞳を輝かせる。
「イルカのショーまではまだ時間があるから、後にしよう。先にペンギンとかどうかな?」
「ペンギンさん!」
湊の提案に詩音はぱっと顔を明るくした。
「ペンギンさんみる!」
「じゃあ、決まりだな」
こうして三人はまずペンギンがいるエリアへ向かった。
ガラス越しには水の中を気持ちよさそうに泳ぐペンギンたちの姿があった。
「いた!」
詩音が嬉しそうにガラスへ駆け寄る。
「ほら詩音、あそこにもいるよ」
和葉が指差すと、一羽のペンギンが水の中を勢いよく泳ぎ、ガラスの向こうを横切っていった。
「はやーい!」
「本当だな。泳ぐの速いな」
隣にしゃがみ込んだ湊も詩音と同じ目線で水槽を眺める。
すると今度は別のペンギンがよちよちと歩きながら近くを通っていった。
「あるいてる!」
「本当だね、かわいいね」
「うん」
暫くペンギンを眺めたあとは大きな水槽のあるエリアへ向かった。
ライトで照らされた水槽の中を、無数の魚たちが泳いでいる。
小さな魚の群れが一斉に向きを変えるたび、水槽の中に銀色の光が走った。
「おさかな、いっぱい! ねぇねぇ、あっちにもいるよ」
詩音は次から次へと魚を見つけては湊と和葉に教えていく。
「おさかなさん、およぐのはやいね!」
詩音は夢中になって水槽の前で魚を眺めている。
そこへ、館内にイルカショーの開始を知らせるアナウンスが流れた。
「あ、イルカさん!」
それに詩音がすぐに反応する。
「行くか?」
「行く!」
「じゃあ、行こう」
湊が詩音を抱き上げ、和葉の手を繋ぐと三人はイルカのショーが開催される広場へ向かっていく。
席に着いて間もなく、イルカが水面から勢いよく飛び上がる。
「わあ!」
大きな水しぶきと歓声が上がった。
それから別のイルカが高く跳んで輪をくぐる。
「すごーい!」
詩音は両手を叩きながら大喜びしている。
「イルカさんジャンプした! すごいね!」
「本当に、すごいな」
詩音は終始楽しそうでいつになくはしゃいでいる。
イルカのショーが終わると土産売り場でイルカのぬいぐるみを見つけた詩音が、
「ママ、イルカさんほしい!」
指差しながらぬいぐるみを欲しがった。
「ぬいぐるみはお家に沢山いるでしょ?」
「イルカさんはいないもん」
「駄目、買いません」
「えーやだ!」
和葉が買わないとキッパリ言うと詩音は悲しそうな顔をして「やだ」と訴えかける。
そんな詩音を見た湊は、
「どのイルカさんがいい? 俺が買うよ」
自分が買うと言い出した。
コメント
1件
水族館の三人の風景がとても温かくて、ほっこりしました。詩音ちゃんがペンギンやイルカにはしゃぐ姿が可愛い! 和葉さんがぬいぐるみを買わないと言ったのに、湊さんが「俺が買うよ」とすっと差し出すところ、彼の優しさと距離の近づき方が伝わってきてじんわりしました。三人の時間が増えていくのが嬉しいです。
鷹槻れん

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猫塚ルイ

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宇津Q
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