テラーノベル
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12
琶 宮 ㄘ ゃ ƕ .
1,100
注意⚠️
※この物語は捏造です。
※アニメ未登場キャラが登場します。
※主のリアルの友人からのリクエストです。
※キャラ崩壊、過去捏造、行為表現、口調迷子などが含まれます。
(桃宮唾切の研究所所属時代から死亡までの妄想。)
※タヒネタ
※苦手な方はスクロールをおすすめします。パクリ等はお控えください。参考にする際はコメントをお願いします。
⚫︎描いた感想として…こっちが恥ずかしいし悲しいです…😭
久々だしキャラ崩壊酷いな…。てかここ先輩後輩なの一生萌えてます。
白衣の背中は、いつだって冷ややかで、けれど誰よりも熱かった。
無機質なステンレスの台の上、被験体を淡々と解剖していく先輩の指先を、僕はいつも半歩後ろから見つめていた。
ガラス越しに反射するその瞳は、凍てつくように鋭い。
あの日、あの夜。
その冷ややかな、メスのように鋭い目線で射抜かれた。
他者への興味を一切排除し、ただ純粋な真理だけを追い求めるその眼差しに、僕はどうしようもなく心酔していた。
「……邪魔だ、どけ」
仮に声をかけられても、それは僕という人間ではなく、視界を遮る物質に向けられただけの言葉。
それでも僕は、その冷徹さにすら歓喜して付き従った。
恐怖よりも先に、悦びが脳を焼いた。あの人にとって、僕はただの「優秀な検体」となれたのだ。肉体を刻まれ、内臓の奥まで観察されたあの夜の痛みが、今の僕の土台(すべて)になっている。
好きだの、愛しているだの、そんな凡俗な言葉じゃ到底言い表せない。
「先輩…僕は、貴方の……」
僕は貴方の玩具であり、従僕であり、聖域だ。
あのひび割れた世界で、唾切さんが呼吸を許される場所は僕の隣しかない。だから、引き抜かれたと聞いた時も、僕は微塵も動揺しなかった。
『あの人から研究を奪ったら何も残らない。きっとすぐ飽きて戻ってくる』
そう猛信して、僕は先輩の残した冷たい実験室を守り続けていた。数年後、あの報せが届くまでは。
数年後、あの報せが届くまでは。
「――所長。桃宮唾切さんなのですが。……任務中に、亡くなられたそうです」
背後からの部下の報告は、あまりにも唐突で、あまりにも軽い紙切れのようだった。
その時、僕は先輩の残した薄暗い研究室で、被験体の解剖に没頭していた。精密に、寸分の狂いもなく、脳を摘出しようとしていたその瞬間。
――ピ、と手元がわずかに暗く濁った。切ってはいけない太い血管を、僕のメスが容赦なく断ち切る。途端に、被験体の心音を知らせるモニターから
「ピーーーーー」という甲高い警告音が、コンクリート造りの冷え切った研究室に容赦なく鳴り響いた。血が溢れ、静寂が死に変わる喧騒の中で。
「……ふっ、」
僕は、鼻で小さく笑った。
メスを握ったまま、視線を被験体の露出した、もう二度と機能することのない頭部へと落とす。アラームのノイズに声を乗せるように、僕は口角を吊り上げた。
「へぇ。唾切先輩、死んじゃったんだ、残念だなぁ」
呆然と立ち尽くす部下の視線を浴びながら、僕はただヘラヘラと笑い続けていた。
不気味に笑い続ける僕の様子に、部下は恐怖で顔を青ざめさせ、逃げるように研究室を飛び出していった。バタン、と重い鉄の扉が閉まる。途端に、世界から音が消えた。
狂ったように鳴り響いていた被験体の心音アラームを、いつの間にか自分で止めていたことすら気づかなかった。
「……あは、は」
乾いた笑いが、喉の奥で冷たく爆ぜて消える。吊り上がっていた口角が、重力に従うように、ゆっくりと、滑稽なほど静かに、すとんと落ちた。
ヘラヘラとした仮面が剥がれ落ちた僕の顔には、もう何の感情も残っていない。
ポタ、ポタ、と、手元のメスから被験体の血がコンクリートの床に滴り落ちる。その音だけが、異常に広く感じられる室内に響いていた。
あの、唾切先輩が…
研究者としても、そしてあの恐るべき戦闘部隊ですら圧倒するほどの、完璧な戦闘センスとカリスマ性を持っていたあの人が?
ただの任務で、死んだ?
「そんなわけ、ないだろ」
声が、掠れて出なかった。僕はゆっくりと歩き、窓の外、遠くの濁った空をただじっと見つめた。 あの人は、僕に視線(メス)を突きつけたあの夜のまま、僕の脳裏で鮮烈に生きている。
他人の命にも、自分の命にすら興味のなかったあの人が、僕を置いて先に完結してしまった。その瞬間、僕の時計が止まった。
あんなに愛していた、僕のすべてだった「研究」が、一瞬にしてただの無機質な泥のように思えた。指先が微かに震える。
もう、次のメスをどう握ればいいのか、脳のどの部分を切り出せばいいのか、何 一つ分からなくなっていた。
――先輩のいない世界で、僕は何を証明すればいい?
遠くを見つめる僕の瞳には、もう何も映っていなかった。
ただ、深い、深い、終わりのない虚無だけが、僕の身体を侵食していった。
――気づけば、背後の部下たちも部屋を出ていた。
あんなに不快に鳴り響いていた心音の警告音も、部下たちの怯えた気配も、すべてが潮が引くように消え去っていた。
重い鉄の扉が閉まる音すら聞こえなかった。
「……っ、」
もう二度と会えない。そう思っていたのに、どうして今、貴方の身体が目の前にあるんですか。
部屋の中央。いつの間にか運び込まれていた金属製のストレッチャーの上に、その人は横たわっていた。
辺りを見回す。霊安室か、葬式はまだだったか、いつの間にここに来たんだ。貴方がいないと、こんなに時間の進みが早いのか。
僕は震える指先で、自分のこめかみを押さえた。
現所長としての、ひどく冷徹で無機質な「科学者としての知識」が、脳裏で勝手に回り始める。
普通、時間の進みが早く感じるのは、最愛の相手とかいうくだらない対象と過ごし、脳が「楽しい!」という感情や情報処理で忙しくなり、客観的な時間の経過を測る余裕がなくなるため、あっという間に時間が過ぎたと感じてしまうからの筈だ。
なのに、どうして貴方を失った絶望の最中で、時間はこんなにも僕を置いて加速していく。
「……それとも、僕が単に」
僕はゆっくりと歩み寄り、ストレッチャーの上の、白布をめくった。
そこにあったのは、戦闘部隊での過酷な任務の果てに、完全に物言わぬ肉塊と化した唾切先輩の顔だった。冷え切り、血の気のないその肌に、僕はそっと自分の掌を重ねる。
「貴方以外は、眼中にないから……?」
ぞっとするほど冷たい。けれど、僕の胸の奥を満たしたのは、世界中のどんな研究の成功よりも深い、甘やかな充足感だった。
「死体でも……貴方といると、微かに幸せと感じてしまうから、ですか」
脳がバグを起こしている。主を失って、これ以上進む意味を失った僕の時計が、貴方の死体と出会ったことで、歪んだ形で再び秒針を動かし始めた。
これを幸福と呼ぶのなら、僕は喜んで狂人に成り下がろう。
僕は先輩の冷たい頬を撫でながら、誰もいない研究室で、狂おしいほどの歓喜の涙を流していた。
冷え切った皮膚を、細くもしっかりと 骨張った指先がなぞる。
「先輩はこんな所で終わりたくないですよね……僕には分かりますよ」
静寂に包まれた部屋で、物言わぬ先輩に語りかける。
僕の能力でなら、貴方の本質をこの手で永遠のものにできる。
両手で包み込んだその存在は、もうピクリとも動かない。当然だ、時は既に止まっているのだから。
でも、手のひらから伝わる確かな質感が、先輩がかつてここにいた証を物語っているようで、言葉にできない喜びが胸に込み上げた。
僕は、その愛おしい存在に頬を寄せ、目を閉じて擦り寄った。
「あったかい……」
そんなわけない。冷たい現実がそこにあるだけだ。それでも、僕の意識はその幻の熱を確かに追い求めていた。
「ようやく、先輩の心を掴めたんですね」
僕が能力によって創り上げたのは、美しい磁器の人形などではなかった。
それは全身がブヨブヨとした、目も鼻も口もない、ただの歪な「肉の塊」だ。
人型の輪郭すら持たないその怪物の中心に、僕は先輩から奪った心臓を深く、厳かに植え付けた。
昼間、それはただの物言わぬ肉の椅子として、部屋の隅に「置かれて」いる。
ピクリとも動かず、ただそこに停滞しているだけの、おぞましい実験の残骸。
だが、夜が訪れ、僕がそれを求める時。僕のすべてを注ぎ込んだプログラムが起動する。
「……唾切さん、実験、時間ですよ…」
僕がその肉塊に這い寄り、自らそのブヨブヨとした肉に身を委ねると、怪物はじわりと熱を帯び始める。
模倣されるのは、唾切さんの「体温」。
そして、あの夜、僕の肉体を冷徹に蹂躙した、あの「手つき」と「行為の行動パターン」。
目もない、口もない肉の触手が、記憶の中の先輩と全く同じ角度、全く同じ強さで、僕の冷え切った皮膚をなぞり、強引に、容赦なく僕の身体を割っていく。
「あ、ぁ……っ! つばきり、先輩……っ!」
脳を焼くような快楽と、あまりの再現度に、僕は涙を流しながらその肉塊にしがみつく。
手つきは、間違いなく先輩のそれだ。肌に伝わる熱も、僕を検体として弄ぶあの冷酷なリズムそのもの。
触れられている瞬間だけは、僕は確かにあの夜に戻り、先輩の優秀な検体として呼吸することを許される。
その最中、僕は衝動的に怪物の「顔の筈だった場所」を両手で包み込んだ。
滑らかな磁器でもなければ、愛しい人の顔立ちでもない、ただの平坦で不気味な肉の表面。
そこへ、自らの唇を強く押し当てる。
「……ん、……ふっ、」
目も鼻も、応えてくれる唇すらそこにはない。ただ僕の熱が、冷たい肉塊に吸い取られていくだけの、ひどく一方通行な口づけ。
それでも僕は、肉塊の皮膚を吸うように何度も何度も唇を重ね、掠れた声で愛おしそうに ── 狂おしそうに、ふっと笑った。
「……ふふ、前は一度も……してくれなかった、から……。今なら、僕の好きに、できますね……っ」
生前、僕をどれだけ蹂躙しても、キスだけは絶対に許してくれなかった冷徹なあの人。
こうして形を失った怪物の肉になって初めて、僕は先輩の「口元」を独占することができたのだ。 ――けれど。
押し当てた唇から伝わるのは、ただただ従順な、生気のない肉の感触だけ。
「……っ、……ねぇ、拒んでくださいよ、先輩……」
僕は肉塊にしがみつき、快楽と涙でぐしゃぐしゃの顔を寄せながら、狂ったように懇願した。
「僕からのキスなんて、受け入れないで……。いつもみたいに突き放して、ねえ、先輩……っ!」
従順に僕のキスを受け入れるこの肉塊が、僕にはたまらなく恐ろしかった。
拒絶されないということは、ここに唾切先輩の「意思」が欠片も存在しないという、何よりの証明だからだ。
どれだけ激しく交わり、存在しない唇を貪っても、 その肉塊は、僕をあの冷徹な瞳で「射抜いて」はくれない。
あの焦がれるほど冷たい声を、僕に向けてくれる口すらない。
ただ、あらかじめインプットされた「先輩の愛撫」を機械的に出力しているだけの、中身のない化け物。
果てた後、僕はそのブヨブヨとした肉塊の胸、先輩の心臓がある場所に額を押し当て、ぐずぐずに濡れた顔で咽び泣く。
「……あぁ、ちがう、違うんだ……。手つきは先輩なのに、……っ」
自分で作った完璧な模倣品に抱かれながら、自らが作ったがゆえに「これは先輩ではない」という現実を突きつけられ、果てのない喪失感に引き裂かれる。
翌朝になれば、怪物はまたただの動かない肉塊に戻り、僕は現所長として部下の前でヘラヘラと笑うのだ。
「………キシシッ」
この地獄のような夜のルーティンが、これから先、僕が壊れて死ぬまで、延々と続いていく――。
コメント
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うわあああ…読み終わった今、胸がぎゅってなってるよ😭💔 先輩の死を「へぇ、死んじゃったんだ」って笑い飛ばすところから始まる狂気と、その裏にある執着と喪失感のギャップがエグすぎる…。「拒んでよ」って懇願するシーン、めちゃくちゃ心抉られたよ…。作り出した肉塊に抱かれながら、そこに先輩の意思がないことを知って泣くの、切なさが爆発してる…。 2話目でここまで心掴まれるなんて思わなかった。続きが気になりすぎるよ…! 北条さん、ほんとにすごい作品をありがとう…✨