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青×桃

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青×桃

1 - 第1話

♥

260

2024年10月24日

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「 まーろ! 」




今日も無視される呼びかけ

無視されるってわかってるのに声をかけ続けるなんて、なんて健気なんだろうと自分で思う




「 あ、 出張? 頑張ってね ! 」




荷物をまとめる 姿を発見し

出張へ行くのだと予測し声をかける


が、 またまた無視をされてしまう




まろが 俺を無視し始めて何ヶ月すぎたのだろう

始めは凹んでたのも数ヶ月も経つと 慣れてしまう





出勤時間が迫ってるのか急ぎ足で玄関に向かう

まろ、




「 行ってらっしゃい! 気をつけて ! 」




返事なんかなくてもいい。

俺の自己満だ




「 記念日には帰ってくるな 、 行ってきます 」




「 え … 。まろ…、 」




ガタンと重めの音を立てた扉。

初めて呼び掛けに答えてくれた返事



色々重なり涙が出てくる 。




「 まろぉ” …っ  」

ボロボロとこぼれてくる涙

床に落ちても何も残らないことを

皮切りに沢山の現実を実感する




俺が死んでから 、 毎日、毎日毎日

まろに呼び掛けを続けた

この現実を認めたくなくて、ずっと

この人のそばに居たくて

忘れて欲しくなくて



けれどもこの人は俺が思ってる何倍も

俺の事を想っててくれてた

そんな事を知り申し訳なさが込み上げてくる



俺の事を一刻も早く忘れて幸せになってほしい

誰よりもまろを愛してくれる人と

一緒になって欲しい

矛盾した考えが産んだ結果なのか



彼はずっと俺だけを見てた

生きてるうちも死んでからも



震える手でペンを持ち

メモ用紙にありがとうの5文字だけを書く



最後まで愛してるだなんて言えなかった

自分に嫌気が差す




けれども今はこれでいいのだ

まろが年老いて、こっちに来てから

ありがとうの代わりになる5文字を彼に伝える




『 ありがとう 』




下手っぴな字で書かれたメモ用紙を見つける

数ヶ月経っても鮮明に思い出す



可愛くて優しくてかっこよくて仲間でもあった

恋人の字



きっと彼のことだ

愛してるなんて照れくさくてありがとうだなんて

書いたんだろう




「 ほんま …ばかたれ “ … 」


今も昔もずっと愛してる

あのピンク髪が特徴的な恋人



今、彼の元へ行っても怒られるだろう

記念日を迎える度にその思いは強く

前を向こうと思える



それもこれも彼のおかげなのか

とにかく誠意一杯の5文字を彼に伝える




「 ないこ 、 ありがとう 。  」



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260

コメント

1

ユーザー

ドタイプの作品でした…✨️ありがとうございます!!

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