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『 君は何も知らない 』
ml × mk
mlmkと表記しておりますが
ほぼ未満です。
そして、mkさんが病気で入院しているという設定で、学パロ(そういう描写はほぼない)です。
病院に詳しくない人間が書いておりますので、完全にフィクションとして読んでいただけたら嬉しいです。
―――
ml 視点
「 今日も来たんだ 」
「 うん 」
「 毎日来るって言ったじゃん 」
ドアを開けて入ったのはみかさの病室。
今日も彼は暗い顔をしている。
9歳頃からずっと入退院を繰り返しているみかさ。俺は毎日欠かさずこの部屋に来ている。親よりも見たみかさの暗い顔を、俺はいつか明るくしてやりたいんだ。
「 まだ、調子悪いの 」
「 少しね 」
そういうみかさの声はか細くて、今にも消えてしまいそうだった。
あの時の、明るいみかさを返せよ。
俺は心の中で怒った。
俺はお前のそんな姿が見たいんじゃないんだ。みかさの笑い声、笑顔が、もう1回見たいんだよ。
「 絶対直そうね 」
「 だって、看護師さんが言ってたんだもん 」
「 みかささんの病気は治るって 」
「 ……うん 」
みかさは少し黙ったあと、そう口にした。
みかさは悲しそうだった。
辛いだろう、何回も病院に入れられては出されて。
なんで、みかさなんだよ
俺が、俺が病気にかかってたら良かったのに。
「 …っ 」
「 ……めると、? 」
「 ……ぁっ 」
ダメだ、俺が泣いちゃ。
俺なんかよりも、みかさの方が何倍も……
俺は急いで目を擦って涙を抑えた。泣いてる姿なんて見せたくないし。
「 ……ごめん 」
顔をあげると、また悲しそうな顔をしているみかさがいた。なんで、君が謝るんだ。どちらかと言えば、謝るのは俺の方だろ。みかさがずっと苦しんでるのに、何も出来ない俺の方がずっとずっと……
……悪いだろうが。
「 謝らないでよ…… 」
「 ……ごめんね 」
ずっと謝っているみかさ。胸が痛くなる。
本当に、お前は何をしたんだ。謝ることなんて、一切してないだろ。
「 ……好きだよ、めると 」
急に来る愛の言葉に、びっくりとしてしまう。
それはもちろん友達とか、親友としての好きだとは思うけど。
「 めるとは大丈夫 」
「 絶対、ぜーったい 」
そう俺の手を握るみかさの手は細くて、さらに涙が溢れそうになった。こんなの、あんまりだ。
でも、耐えないと。
「 泣いていいよ 」
「 っやだ、 」
「 ……泣きたい時は泣くのがいちばんだよ 」
自分がそんな状態になっていてもまだ優しいみかさに、罪悪感を覚えてしまう。俺はみかさが辛くても、「泣いていいよ」とか、「泣きたい時は泣くのがいちばんだよ」とか、言ってあげることができないのに。
「 …… 」
気づけば涙を抑えることが不可能になっていた。
俺はみかさを救うことができないという悔しさ、他にもいろいろな涙が混ざって、感情がぐちゃぐちゃになっていた。
「 よしよし 」
俺を抱きしめて、背中を優しく叩くみかさ。
ああ、なんて俺は無力なんだろう。
救われてばっかだ。本来なら俺が救ってあげるところを。
「 ……っみかさぁ……っ 」
「 ごめん、本当に 」
だから、なんで謝るの。
お前が謝ることなんてないだろ、お前は何も悪くないのに。
「 やだっ、もう謝るなよっ…… 」
謝るのは俺の方だってわかってんのに、ごめんの言葉が口から出ない自分が嫌いで嫌いで仕方ないよ。
ごめん、みかさ。脳内では言えるのに変なプライドを捨て去りたいよ。
「 …… 」
「 ごめん 」
ほら、また。
「 もう、謝らないようにするから、ね? 」
「 ……うん、 」
目を擦りまくって、涙を抑える。
気分が落ち着いてくると、みかさはやさしく、もう大丈夫?と言ってきた。
「 ……ありがとうね、みかさ 」
ありがとうは言えるのに、ごめんなさいは言えないんだ。俺って。
そんな自分に嫌気がさして、この病室を抜け出したくなった、けど、みかさとはまだ居たいから。
「 うん、どういたしまして 」
ぱっと時計を見た。
時計の針はもう6の数字を指していた。
もう、帰らないとなのか。
「 門限、18時だっけ 」
「 ……うん 」
「 また明日も来てくれる? 」
そう言って俺の手を握ってくるみかさの手は少しだけ暖かった。
「 もちろん、明日も明後日も明明後日も来るよ 」
「 んふ、……待ってるね 」
「 ばいばい 」
みかさは俺に手を振ってくれた。
俺も手を振り返して、病室を出た。
―――
「 はぁ……っはぁ、っ 」
しまった、学校が長引いてしまった。
俺は必死に必死に走って、みかさのいる病院へ向かった。
病院の受付へ行くと、いつも元気なみかさの看護師さんが悲しそうな顔をして、病室から出てきた。
「 ……あ、メルトさん 」
「 こんにちは… 」
「 えっと、みかさは…… 」
俺が、みかさのいる場所を聞こうとしたら、看護師さんは急に涙を流し始めた。
「 ……みかささんは… 」
嫌な予感が、したんだ。
急に寒気が襲ってきて、この場から去りたくなる。
みかさが嫌な目にあってる気がして。
「 帰らぬ人となってしまいました…… 」
「 …… 」
言葉が出なかった。
だって、だってだって。目の前にいるこの人は、みかさの病気は治るって言っていたのに。なんで?
「 みかささんの寿命は長くなかったんです 」
「 それをメルトさんに言った方がいいかと聞いたら 」
―――めるとには言わないでくださいって
「 …… 」
その瞬間目からは大粒な雫が落ちた。
言えよ、バカ。
だから、お前は……昨日俺が「明日も明後日も明明後日も会いに来るよ」って言った時、すこし黙ったのかよ。
だから、「またね」じゃなくて「ばいばい」って言ったのかよ。
だから、あんなに謝ったのかよ。
「 メルトさん…… 」
「 最後にみかささんに会いますか? 」
「 ……っ会わせてください、お願いします 」
今までにないくらい頭を深く下げて、お願いした。
そうして案内された部屋は、今までに入ったことのない部屋。
部屋に入ると、そこにはみかさがいた。変わらない、俺の大好きな顔。
けど、もちろんもう目は開かないし、声は出さないし、息をすることもない。
「 ……みかさ、 」
「 ごめんっ、ごめんなさい……っ 」
俺は、ようやく謝れた。
もっと先に、謝ってればよかった。本当に、俺は悪いやつだ。
みかさのそばにいるとか相応しくないみたいだね。
「 ……みかさ、好きだよ 」
どういう意味の好きなのか、自分でも分からなかった。
でも、俺がみかさを好きだったのは変わりないから。
今まで言えなかった気持ちを、最後ここで伝えた。
「 ……みかさ、 」
もう『メルト』とは言ってくれないんだよね、君は。
辛いなあ、そう思うと。
「 …… 」
ぎゅ、と手を握った。
その手はいつもよりひんやり冷たくて、もう血が回っていないんだ、と改めて実感される。
「 …… 」
俺は、もう一度涙を流した。
みかさの腕で目を擦った。ずっと、離したくない。いつも俺を救ってくれた、大きな手を。冷たいけど、みかさを感じられるのが嬉しいよ。
「 ごめんね、みかさ……っ 」
「 大好き… 」
コメント
5件
なんでしょうか…胸が…すごい…苦しい…悲しい…。。ml彡は、mk彡の事本気で好きなのが伝わりましたし、mk彡は、ml彡を悲しませないようにと思ってる気持ちがほんとに…やばいです…🥹(語彙力皆無)
めちゃくちゃ最高ですっ ほんとに号泣しましたっ😭😭
40作品を突破しました🙌🏻 あまり自信作ではないですが🥲 それと、投稿頻度が少し減ると思います。気長に投稿をお待ちいただけたら幸いです。