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もし”晶”の方がいいと言われたらどうしようという不安を抱えつつ俺は小柳くんの元へと行くことにした。
星導「小柳くん。」
小柳「ん?なんだよそんな顔してw」
星導「いや…その……小柳くんは前の俺…,記憶を持ってる時の俺の方が良かった?」
緊張で汗が垂れ流れる。小柳くんならきっとそんなことないと言ってくれるはずだと期待を込めて。
小柳「なに急に?まぁそりゃあ持ってる方がこっち的には良いけど…」
どくんと鼓動が早くなるのを感じる。やっぱり…。俺は途端に走り出してしまった。小柳くんがまだ喋っている事など知らずに。
小柳「でも記憶があるとかないとかじゃなくて…って星導!?……大事なとこ聞いてけよ…これじゃ俺が悪いみたいじゃねぇか……。」
自室の扉をバタンと閉める。
星導「聞きたくないこと聞いちゃったなぁ…。」
目尻が熱くなる。確かに記憶がある方が前のように話せる。俺が記憶が無くなったと言った時の小柳くんの顔は確かに悲しそうだった。
晶「ど〜?やっぱり俺の方がいいって〜?」
星導「聞かなくても分かるでしょう…。ずっと聞いていたくせに……。」
ふらっと現れる晶。にこにこと笑う彼の顔を見ると苛立ちが溢れてくる。そんな彼を睨みつけるように見ると彼は笑った。
晶「バレてた?笑やっぱりぴょんは俺の方がいいって!!じゃあ体貸してくれる?」
こんな奴に体なんて貸したくなかった。だけど小柳くんがそれを望むなら───。
小柳「星導〜??お前喋ってる途中に消えんなよ。」
コンコンと扉を叩く。すると中からゆらっと星導が出てきた。
小柳「お前なぁ,あんな途中で消えられたら俺が悪いみたいに…」
星導「ごめんねぴょん」
小柳「あ゛…?」
聞きなれた渾名。しかしこいつがこれを知っている訳がない。言う訳もない。
小柳「お前…星導じゃねぇな?」
星導「何を言ってるの?俺は正真正銘星導だよ?」
いつもと喋り方も,雰囲気も違う。けど俺はこんなやつを知っている。もしかして─。
小柳「お前……晶の方だな…?」
星導「バレた~?早いもんだね〜?流石ぴょん♪」
やっぱりだ。なんでこんなことに?こいつら同一人物じゃないのか?もしかしてさっき聞いてきたのはこの事か…。俺が元の方がいいと言ったから…。
小柳「早く元の方の星導に戻しやがれ…,じゃねぇと…」
星導「なんで?ぴょんが望んだことじゃないの?」
小柳「そうかもしれねぇけど違う…!!俺はまだ喋ろうとしてたのに星導が消えるから……」
星導「ふーん?でも俺はそんなこと知らないしもうこの体は貰っちゃったから♪」
めんどくせぇ…抜刀したいところだが星導の体だからな…こいつタコだしどうにかならないのか…?
小柳「とりあえず星導の体から離れねぇと口聞かねぇからな…」
星導「えぇ!?折角ぴょん達と話すためにこの体貰ったのに~!!じゃあいいよ…一応ヒーローだもんね?この体で暴れてあげる。そしたら…ふふ笑…じゃーね♪」
そう言うと星導は何処かへ言ってしまった。
小柳「はぁ!?めんどくせぇ…!!まぁでも俺のせいでは…あるか…。」
文句は言いつつ探しに行かないと何されるかも分からない。体が戻ったら何か奢ってもらわねぇと…。