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原作で絡みの無いキャラ同士が話していますが、名前の呼び方、話し方などは私の妄想です。
マイナーカプ
さこさく♀︎
砂糖みたく甘い
「はぁ、」
小さなため息がワイワイガヤガヤと煩い周囲に紛れて消えていく。
どうしたものかと頭を抱え、考えても仕方がないから諦めようとした。でも少し諦めきれていない自分を振り切りたくて、気分転換に外に出ようとする。
ここでアイツに出会ったのが運の尽きだと思った。
ここは獅子頭連のオリ。シアターのステージ上には頭取の兎耳山、副頭取の十亀、そして、有馬、鹿沼の4人がいる。どうやら風鈴高校で唯一の女子生徒、桜遥について話しているらしい。俺にはアイツの魅力がよく分からなかったが十亀曰く、凛々しくて強く、自分を曲げないところがかっこよくて魅力的らしい。他にもなにか魅力を話された気がするがほぼ興味が無かったためあまり覚えていない。
そんなことより今は手元のこれだ。さて、俺、佐孤浩太の手元には1枚のチケットがある。スイーツバイキングのチケットだ。
…カップル限定の
これは、この間十亀のアルバイト現場にたまたま居合わせ、少し手伝った際にそのアルバイト先のおばさんに甘い物が好きだと話したら貰ったものだ。彼女と行っといでっ♡と。
彼女いないんですけど。そもそも誘える女子を知らないんです。と、言いたかったが商店街の福引で当てて使えないのは勿体ないから!と善意で貰ったものを突き返すということができるほど佐孤は人とのコミュニケーションが得意ではなかった。
バイキングなら十亀に渡せばいいのでは?桜と行くだろうし。とも思ったが前にバイキングに行った際、出禁になったと十亀が話していたため十亀は却下された。
では、有馬は?となるが、このチケットの経緯など色々聞かれそうで面倒くさいと思ったため最終手段にしようとしている。
…と、ここまでは建前である。
本当のこのチケットを手元に置いておく理由はただ1つ。実はこのお店は佐孤自体よく甘い物を食べに行っており、お気に入りのお店の一つだ。そんなお店がバイキング限定のメニューをだしている。バイキング限定だ。いつも通り行っても食べれない。だから手放せずにいた。
…誘う相手がいないから有馬行きになることが決定しているチケットなのに。
どうせ有馬行きなのだ。無駄な足掻きは辞めよう。そう思えど手放せないを繰り返し、一旦考えることを辞めた。そして気分を一転しようとシアターから出て、外の空気を吸いに行く。あと1枚。この扉を潜ったら外だ。そんな扉の前にはデカイ犬のような後輩。と、
噂の桜遥
なんで此処に?と思ったが今日はなんだか十亀がソワソワしていたことを思い出す。遊びに誘っていたのか。まぁ、そんなこと俺には関係ないと2人の後ろを通って外に出ようとする。
「あーっ!佐孤さぁん!何処行くんすか!?」
後ろを通ろうとしたら犬のような後輩こと、犬上に声を掛けられる。急に話しかけられたのとこの後輩の急な距離の詰め方に驚いて手に持っていたチケットを落としてしまった。
「あっ!」
「ぁ」
「あちゃ~、すんません!佐孤さん!…って、なんですかこれ?スイーツバイキングのチケット…?カップル限定…?え!?佐孤さん彼女いるんすか!?!?!??!!」
面倒くさい奴に捕まってしまった。俺ははぁ、と1つあからさまにため息をしたあといない。と、一言。
「え!じゃあそれどうするんすか?」
「…有馬さん辺りにでも上げようかと」
「えー!!でも行きたいんじゃないんですか!?」
「…」
図星を突かれうっ、と言葉に詰まる。すると目の前の後輩はあっそうだ!と一言零したあとくるりと一回転して俺に背を向けた。
「桜ちゃんって甘い物好き?」
「えっ、ぁ、おう?」
急に話し掛けられた桜が戸惑っている。そして俺は何となくこの後輩が言おうとしていることを察してしまった。おい、まて、それ以上言うな。俺の明日が無くなる。だが、無慈悲に犬上がそのでかい図体をこちらに向けた。桜の肩を手に。
「じゃあじゃあ!桜ちゃんと行ってきたらどうですか!?どうせ行く人もいないなら!」
「はぁ!?」
「却下だ。俺はそもそもこの子のことを何も知らないし、そんな知らない奴と行ってもこの子が困るだけだろうが。」
「えぇ!でも、佐孤さん行きたいんすよね!?桜ちゃんも甘いもの好きって言ってますし一緒に行ってきたらいいじゃないですか!十亀さんもよく桜ちゃんの話してるし佐孤さんも仲良くなりたくないんすか!?」
「いや、確かにあの人はコイツの話を良くしているが…それとこれとは別だろう…」
と、わーわーギャーギャーと揉めていると、なになにぃ?何か揉め事ぉ?と、ゆったりとした低音ボイスが響き渡った。不味い…面倒くさい展開だ…
「あ、十亀」
そう、来たのは先程からちょくちょく名前の出ている十亀だ。十亀は桜のことが好きらしい。そんな桜と俺がスイーツバイキング(犬上が勝手に言ってるだけ)に行くなどと知ったら俺の明日はなくなる。犬上お前覚えておけよ。
「あっ、十亀さぁん!聞いてくださいよぉ!佐孤さんがまた意地はってるんす! 」
「えぇ?どういうこと?」
あぁ…面倒くさい…犬上が十亀さんに説明しだした…その間俺と桜は何も言わずに固まることしか出来なかった。悔しい。
「ん〜、なるほどねぇ…佐孤はどうしたいのぉ?」
「…俺ですか?俺は、行けるんなら行きたいですけど行く相手がいないので有馬さん辺りにでも譲ろうかなと…」
「…さ、佐孤さぁん、譲りたく無さそうな顔してますよ…顔にでてます」
「そっかぁ…まぁ不本意でもツテがあるならそうしたほうが…」
十亀さんが俺の意見に同調しようとすると、1つのソプラノの響いた。
「な、なぁ、それに俺が佐孤?と一緒に行けば解決するのか…?…だったら別にいいぞ… 」
この発言に俺と十亀さんは思考が停止したような感覚に陥った。別の意味で。おい、桜俺が殺される。十亀さんブリキの人形みたいに首をこっちに回さないでください。目がガチです。犬上と桜2人とも覚えておけよ。
そんなことは露知らず犬上は良かったっすね!!と、呑気に俺の背中をバシバシと叩きだした。ホントに殴るぞ。
「さ、さささささ桜ぁ?別に無理しなくても大丈夫だからね?ほら、佐孤と桜ってあんまり面識ないしぃ?ちょっと気まづくなっちゃうかもでしょぉ?ほら、それに渡す先に宛はあるみたいだしっ」
十亀さんそんなに早口で喋れるんですね、初めて知りました。まるで俺と柊さんのタイマン勝負のときですね。人の事言えないですよ。あぁ、もうダメだ思考がクソだ。
「…十亀お前もしかして、自分が大食いで前に食べ放題出禁にされたからって佐孤に行かせないようにしてんのか…?」
「エッいや、そ、そういうんじゃないんだよぉ…ただその…さくらとふたりってぇその、えっと、でで、でーとかなってぇ…」
だんだん十亀さんは俯いて顔を真っ赤にさせながらごにょごにょと口篭り始めた。もう途中から桜に何言ってんのか聞こえてないですよ。それが副頭取の姿だなんて認めたくなかった。
そんなことを思っているうちにいつの間にか桜が目の前に来ていた。
「なぁ、佐孤?嫌じゃねぇんだったら一緒に行ってもいいか…?お前は行きたい見てぇだし、邪魔しねぇから」
嘘だろ。こっちからお願いしてるのになんでそんな申し訳なさそうな顔できるんだ桜。むしろこっちのコイツ(犬上)のせいで済まなかったな。
「いや、むしろこっちの犬が巻き込んで済まなかった。でも、お願いできるならお願いしたい。」
行けるのなら行こう。もうどうにでもなれ。
「犬!?犬って俺の事っすか!?佐孤さぁん!!!」
数日後
「…」
(待ち合わせに近くの駅を選んだが…早く着いてしまったな。まだアイツは着かないだろうな)
そう思い何をして待とうかと一旦自分の周りに目を向けると見覚えのある白黒頭が見えた。
「!わ、悪い佐孤、遅れた…か、?」
「いや、時間前だ。むしろ早い。それに俺も今着いたばかりだから安心しろ」
「そ、そうか…」
前にオリで会った時は制服だったが今日は流石に私服らしい。無地のパーカーにミニスカートと言ったシンプルな格好をしている。そういえば前に十亀が桜は俺と一緒であんまりオシャレとかはわかんないみたいなんだよねぇ。それが可愛いんだけど。と、言っていたのを思い出す。ダサい格好で来るのではなくシンプルな格好をサラッと着こなしているところオシャレに興味はないがシンプルイズザベストがハマりやすい奴なんだろう。兎耳山の様なタイプか。と、どうでもいいことを考えつつ店へと歩を進める。しばらく歩くと目的のケーキ屋が見えてきた。
「あそこだ」
「お、おう」
シーン…
まぁ当たり前だがあまり接点がないためお互い無言の時間が多い。でもそれを気にしたところで話す話題もない。十亀さん、安心して下さい。カップルのフリをするだけで多分今日ほぼ無言でケーキ食べて終わるだけです。
カランカランっと、店のドアに着いていたベルが音を鳴らし来客を知らせる。すると、こちらに気づいた定員が小走りでこちらに向かって来た。
「いらっしゃいませ〜何名様でしょうか?」
「2人です。…それと、これ…」
そう言って定員に向かいチケットを差し出す。
「あぁ!カップル限定食べ放題ですね!こちらへどうぞ!」
チケットを見た定員がカップル限定と言った瞬間、桜と一緒に体が少し動いて、桜に至っては顔が一気に赤くなった。それにつられて顔に熱が集まりだした俺を連れて定員が窓際の2人がけの席へと案内し、食べ放題の内容を伝えて去っていった。
「…ぁー、タッチパネルで頼む形式みたいだな…どれか食べたいものあるか?」
定員がいなくなって少しシンッとした空気が気まづくて喋りだしてしまったがおかしなことを言っていないだろうか、少し不安になりながら桜を見ると、相変わらず顔は赤いがタッチパネルに映る数々のスイーツを見て意識がそちらに向いたらしい。それを見て内心ホッした。そこからは2人してメニューを選んで頼んだものが来るのを待っていた。待っている間はこんなに沢山のスイーツを見るのが初めてらしい桜に一つ一つ美味しさや、どういった味のものか等を熱弁して過ごした。
「お待たせ致しました〜こちらいちごタルト、チーズケーキ、プリン、ミニチョコパフェになります!」
定員が手際よく4品のスイーツを置いていく。俺がいちごタルト、ミニチョコパフェで桜がチーズケーキとプリンだ。
「おぉ…!」
目の前に置かれたスイーツを見て目がキラキラと輝き出した桜は先程とは別の意味で頬を赤く染め上げている。お互いに手を合わせたあと、俺はミニチョコパフェ、桜はプリンに口を付けた。すると桜は更に頬を赤くして甘ぇ…と感動していた。
「お前、プリン初めて食べるみたいな反応するんだな」
「あ?…まぁ、初めて食べたしな…」
あまりに美味しそうに食べるものだから初めて食べて感動したみたいだと思って思わず口から出たが本当に初めてだったらしい。
「本当に初めてだったのか…なら、チーズケーキは食べたことあるのか?」
「ねぇ…甘いもんはそんな食ったことねぇ今回が初めてだ 」
「はぁ!?マジか…それは人生の半分以上損しているな 」
少し驚いて声が荒くなってしまったが本当にそれは人生の半分以上損していると思った。心の底からの本心だ。
「…なら俺のチョコパフェといちごタルトも少しやる。こんな美味しいもの食べなくちゃ損だ」
言い切ってふと、しまったと思った。これでは十亀の怒りを買ってしまうのではないか、と。桜と分け合うだなんて十亀が知ったらどうなることか…分けてもいいが口止めはしよう。
「…!いいのか!?なら、…少しくれ…」
「あ、あぁ、ほら」
あっ、本日2度目のやらかしだ。思わずスプーンを桜の口まで持って行って所詮あーんをしてしまった。何をやっているんださっきっから俺は!!!
そんなことを考えながら桜を見ていれば桜は目を見開いてとても美味しそうにパフェを食べ始めた。そりゃそうだ。初めてパフェを食べた時の感動を俺は今でも覚えてる。とても感動した。でも、こんなに美味しそうに食べるのならと、他のスイーツももっと食べさせたいと思ってしまう。そうだ、隣町の大福屋はどうだろうか。今度一緒に…
(あ…?)
口に入れたパフェが先程よりも甘さを増した気がした。