結局あの後、五条は、傑と任務に行くことになった。其処で、呪霊を祓った時、普通に呪術が扱える事が分かった。赫、蒼、紫、多分全部使える。其れから、体は、学生時の五条の姿をしていた。五条(28)の意識だけが、過去へ戻って来たようだ。星漿体、天内の護衛の任務も、まだまだ先の様だ。否定したいが、五条の六眼は、此れは現実だと訴えている。否定した所で、過去へ戻って来たと言う事実は変わらない。五条は、元の時間軸へ戻る方法を考えながら、二度目の学生生活を始める事となった。
「なんかの術か?時間を司れる術式なんて、聞いた事無いけど…。」
「そんな術式持ってる呪詛師も呪霊も、聞いた事無いしなぁ。」
「そもそも、過去に戻った原因って何なんだろう。」
五条はノートに色々書き出してみるが、時間を司る術式なんて物は聞いた事が無いし、そもそも、過去に戻った原因も分からない。
「はぁ…。」
(硝子)「お、五条帰ってたんだ。」
真面に寝れずに働いていて、硝子は、何時もクマを作っていた。
元気そうに笑っている硝子を見たのは久しぶりだった。
「……硝子。」
(硝子)「彼れ?夏油は?」
「あー、報告書提出しに行くって。」
(硝子)「ふーん。」
会話が途切れ、教室を静寂が包み込む。
(硝子)「五条。」
「ん?どしたの?」
(硝子)「なんか雰囲気変わった?」
「えっ、そーかな?」
(硝子)「いや、何となく。」
(傑)「ただいまー。」
(硝子)「おー。夏油おかえりー。」
「………。」
気軽に話せる訳が無い。今、目の前にいる傑が知らなくても、五条は、傑を殺している。他でも無い、五条自身の手で。
人を殺す事に、何も思わない訳じゃ無い。だけど、どれだけ此の手で呪詛師を殺したって、罪悪感なんて微塵も感じられない。なのに、五条は柄にも無く、傑に対して罪悪感を感じていた。
(傑)「悟?」
「………。」
(硝子)「五条。今日はやけに大人しいな。」
(傑)「あ!硝子!実はさっき悟がさ——。」
何事もない様に話せる訳無いだろ…。
(傑)「あ、そうだ。午後からまた任務入ってるからね。悟。」
「……うん。」
(硝子)「五条、どうした?マジで元気無いじゃん。」
「何でも無いよ。」
(傑)「悟…。本当に何でも無いの?」
(硝子)「ん、七海から昼ご飯のお誘い。」
「行こ。」
「…え。」
(傑)「え、私達も良いのかい?」
(硝子)「当たり前じゃん。」
(灰原)「夏油先輩!!家入先輩!!五条先輩!!こんにちはー!!」
(傑)「灰原は今日も元気だね。」
(灰原)「はい!!めちゃくちゃ元気いっぱいです!!」
(七海)「こんにちは。」
(灰原)「五条先輩もこんにちは!!」
「あ、え……。」
(灰原)「五条先輩!どうしたんですか?何だか、今日は元気が無いですね!」
「体調が悪いなら休んだ方がいいですよ!」
「…いや、僕は全然平気だよ。」
「「え………っ。」」
「ん?」
「「僕ぅ?!?!?!」」
「まさか此れ、毎回繰り返すの?」
(灰原)「どうしちゃったんですか?!五条先輩!!道端に落ちてた変な物でも食べましたか?!?!」
(硝子)「……五条が…「僕。」……?」
「ははっ、意味分かんねー。」
(七海)「世界って滅亡するんですか?」
「君達は僕を何だと思ってるの??」
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