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(傑)「悟、午後からの任務行くよ。」
「うん。」
今回、五条と傑の行く任務は、神隠し事件の原因を突き止めて欲しい。との事だった。もう50人近くが行方不明になっているんだとか。其れだけなら、行方不明事件として警察が対処すれば良い。
だが、奇妙なのは、誰も〝気付かない〟と言う事だ。
行方不明者は様々な場所で出ている。だが、50人にも及ぶ行方不明者の全員の共通点は、家族、友人、学校の先生、職場の同僚にすら、居なくなっている事が〝気付かれていない〟のだ。
だが、書類等には、しっかりと行方不明者の個人情報等が残っていた。違和感を覚え、補助監督が、行方不明者と関わりのあった人に接触を行った。すると、微かだが、微弱な呪力が検出された。
そして、原因の呪霊が居る大体の場所はもう割れているから、大元の呪霊を、五条と傑に祓いに行って欲しい。との事だ。
「んー。」
(傑)「悟、どうした?」
「彼処に居るね。」
五条の目は、建物の中に潜む呪霊を捉えた。
「うん。雑魚呪霊だね。」
「50人以上殺していたとしても、術式効果範囲が広い分、術式自体は無害だ。」
「本体も其処まで強くないね。」
(傑)「軽く見積もって三級程度?」
「うん。そうだね。」
「さっさと祓っちゃおうか。」
(傑)「私が取り込むよ。」
「分かった。」
呪霊が居た場所の周りには、沢山の死体が転がっていた。
(傑)「こんなに沢山の人が…。」
「行方不明になっていた人達だね。」
「…ん。」
地面にぶち撒けられていた脳みそが、五条の目に止まった。
其の脳には、妙な形の印が刻まれていた。其の印から、補助監督が接触を行った人から検出された呪力と、同じ呪力を五条は感じた。
「なるほどね。」
「傑。」
「行方不明者との関わりがあった筈の人が、行方不明者の事を全く覚えていなかったのは覚えてる?」
(傑)「嗚呼。」
「最近まで行方不明者と関わりがあった事も確認済みだ。」
「此れ、脳に刻まれてる此の妙な形の印。」
(傑)「何だ此れは…。」
「呪霊が、呪力で脳に印を刻み、其の脳の記憶を読み取る。」
「其れから、此の殺された行方不明者との関わりがあった人に術式が発動する。」
「って仕組みだね。」
(傑)「なるほど…。」
「行方不明者との関わりが深ければ深い程、術式効果は強くなり、関わりが浅い程、術式効果は弱くなるみたいだ。」
「術式効果範囲は、術式効果にマイナスに働いていない。」
(傑)「だから、此の呪霊の術式は記憶を消すだけで、あまり害が無い。」
「うん。そゆこと。」
「任務も終わったし、補助監督に連絡するよ。」
(傑)「うん。」
「はい。」
「飴。」
(傑)「え?」
「あげる。」
「…僕は飲んだ事無いから知らないけどさ。」
「呪霊飲み込むって、良い気分はしないでしょ。」
「…だから…。」
(傑)「え………。」
「フフッ。」
「……何だよ。」
(傑)「ありがとう。悟。」
「う″……うん…。」