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コメント
3件

私がリクしたやつですよね? ありがとうございます! やっぱり神すぎます✨️
リクエスト感謝感謝!! やっぱり、ガチモンの小説書いてみたい期は楽しい…!!
ー番外編ー
俺が倒れてから2時間ほど経った。今は床に座り、俺の横にふくらさんが居る。そんな状態。俺はふくらさんの事なんか気にせず、パソコンの方へと手を伸ばす。
「……伊沢、ダメ」
俺がパソコンに触れる前に、ふくらさんに腕を掴まれた。驚いてふくらさんを見ると、ふくらさんは俺の目をまっすぐ、きちんと「ダメだ」と訴えかけるような目をしていた。
「また倒れるよ?」
「ご、ごめん……」
優しい声だけど、内容は厳しい。俺はとりあえず謝る。けど、本当は編集を続けたい。
「……ふくらさん、あの、離して…」
俺がそう訴えかけたら、「……わかったよ…」と、少し残念そうに、手を離した。
この異様な雰囲気に耐えられない…。なんで倒れただけなのに、ずっとふくらさんはここに居るんだ? ふくらさんは撮影があるんじゃないのか? ふくらさんがわざわざ俺の為だけに撮影を休むのはありえないよな…?
色んな事を考えながら、ふくらさんをまっすぐと見る。ずっとスマホを弄っている。何をしているのか気になってしまう。
「……ん…? …どうしたの?」
ふくらさんはそう言って、スマホを弄るのを止め、俺の事を見る。まさかこっちを見るなんて思ってもなかった。
「あ、いや……ごめん」
俺は咄嗟に謝った。スマホを覗こうとした事、ふくらさんをただただ見つめてしまったこと。全てにおいて、罪悪感が出てきた。
「んふっ…、大丈夫だよ、心配しないで?」
ふくらさんは薄っすらと笑いながら、俺の事を見つめてくる。そんなふくらさんを見て、更に罪悪感が増してくる。さっきまでふくらさんの脚の上で寝ていた事、1人で思い詰めすぎて倒れた事…。昨日までの事が全てフラッシュバックして、どうも申し訳なくなる。
「…まだ寝てたい? もういい?」
ふくらさんは俺の様子を伺うようにして、優しくそう言う。
寝るのはもういい。…けど、代わりに、まだ甘えてたい…。
そんな気持ちが俺の中で回ってる。
「……いい…、…から…」
俺は今までの罪悪感の事など忘れて、ふくらさんに近付く。ふくらさんの腕・服を掴んで、目を合わせる。そっと、ふくらさんに近付き、ふくらさんの腹部に顔を埋める。
「うわっ…、えっ……?」
ふくらさんは驚いたような声をあげる。しかし、その直後には動揺の音が鳴る。俺はただ、今は自分の欲望のままに動く、ただの汚れた人だ。ふくらさんの腹部に更に、深く、顔を埋める。ふくらさんは「どうしたの、伊沢」と、この状況を楽しんでいるのか、微かに笑っているように、音が聞こえる。
この恥ずかしさも、この、感情も、全部っ…、ふくらさんの中に埋めたいっ……。
今の俺は恥ずかしさと、謎の苦しめられる気持ちで埋められている。
「そんなに疲れてたの?」
次の瞬間、俺に光が掛かった。思わず目を閉じる。次に、俺の頭に何かが置かれた。
硬く、大きく、暖かい…。暖かい…?
これが何かわかった瞬間に、俺は目を開ける。俺の目の前には、優しく微笑んでいる、ふくらさんが居た。驚きのあまり後ろに下がろうとするが、それを許さないと言わんばかりに、俺の腰に手が置かれ、引かれる。ふくらさんとの距離が一気に近くなる。まだ、頭に温もりを感じながら。ドッドッと、鼓動がうるさく鳴く。俺の表情とは相反し、ただ1人、うるさく。
「…伊沢、顔あっか」
ふくらさんは大げさに笑いながら、そう言う。俺の鼓動と表情は、相反してなかったみたいだ。ただ、その事実を知ったせいで、また鼓動がうるさく鳴き始める。さっきより、大きく、早く。
「んふっ…、ほら、もうやめっ! これで治るでしょ?」
そう言って、ふくらさんは俺から両手を離す。
どうせ全部わかってた癖にっ、俺が、こんな奴だって、知ってた癖にっ…。
そんな事を考えたって、何もできない。だって、事実だから。みるみると体から熱が消えていく。鼓動のうるささも一緒に。
「なんか喋ってよ〜」
ふくらさんは俺の状態なんか見向きもせずに、ただ、物事を押し付けてくる。
「……ぁ、…ご、ごめっ……、まっ、て……」
思っていたよりも滑舌が回らない。ふくらさんから離れ、顔を隠す。俺に逃げ場なんてないとでも言うかのように、ふくらさんは俺に追い打ちを掛ける。「何してんの〜? 早く〜」と、なんとも気楽そうに。
「……ぉ…、…お前のっ、せいだっ…!!」
焦って出た言葉は「お前のせいだ」。ふくらさんは面白げに「何が〜?」とか、呑気な事を聞いてくる。今までの記憶が全部吹き飛んだのか? と、疑いたいレベルで。
「まぁ、今日は休むんだっ。伊沢の為にね」
ふくらさんは少し弾みを付けた口調でそう言う。そうだったのかと理解し、もう顔を向けない。こんな奴と一緒に居たなんて…。もうしばらくは、ふくらさんを疑う事にした。