「『怖いよ…』」
「『大丈夫、自分と一緒だから怖くない』」
山の奥にある【耳島病院】
そこにいるのが自分、家島ひおり
結構重めの病気にかかっている14歳。
好きな人作るためにここに来たまでもあるけどね
んー…何話そう
…あ、運命の人にあった話、教えたげる
薬を貰う為の待ち時間
ハートの飾りが付いた矢に、胸を貫かれた
「次、えーと…【美山 あのん】さーん」
「『はーい』」
貫かれたのは、この女の子にだ。
綺麗な声だった
透き通っているけど、どこか不気味で 恐怖を招くような声
「はい、今月の分の薬」
「『ありがとうございます』」
ニコッと笑った彼女を見て、
「『……綺麗、』」
思わず声が出てしまった
「『…わ、ありがとう笑』」
「『……あ、自分に言ってた…!?』」
「『そう、君。 名前は?』」
「『…家島ひおり…です』」
まさか話しかけられるとは思ってもなくて、自己紹介が途切れ途切れになってしまった
凄く恥ずかしい
「『ひおりね、…覚えた!』」
「『…あのん…さんは、なんでこの病院に?』」
「『あのんで良いよ。』」
「『まぁ…親の都合?笑』」
親の都合で病気…?
虐待でもされているのかと彼女の腕や首元を見てみた
傷跡も痣も何も無いし…
探り過ぎだったかな…
「『なんで…虐待だと思ったの?』」
「『…へ?』」
考えていたことを見透かされ、目を見開いた
見開きすぎて白目になってそう
「『なわけないじゃ〜ん!』」
ヘラっと笑ったあのんを見て、少し安心した
でもやっぱり、なんか嘘っぽいな
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