◇◇◇◇◇
国王との謁見が終わり、シャビル王子はサンドラ大臣と会議をするために、世話役のセバルスさん、侍女のルルさん、近衛兵団長のゼルダンさんと共に大臣室に向かった。
リオとリンドウはシャビル王子のもう一人の侍女のララさんに連れられて、王城内の部屋に案内された。
なんと、シャビル王子の隣の部屋を準備されていて、王族でも一部シャビル王子の許可した者しか使われない特別な部屋らしいことを説明された。しかも、王城滞在中は、侍女のララさんがリオたちの世話役として充てがわれたらしく、破格の扱いで迎入れられている。
侍女のララさんは、ルルさんの双子の妹らしいです。
ララ:「こちらです。どーぞお入りください。」
ガチャ!
リオ:「わー。豪華!広いですね。」
リンドウ:「たしかに広いわね。」
ララ:「リオ様、リンドウ様が滞在中は私がお世話させていただきますので、なんなりとお申し付けください。
殿下から、長旅でしたのでまずはお風呂に入ってゆっくりくつろいでいただく様に言付かっております。
いかがなされますか?」
リオ:「はい、お願いします。」
リンドウ:「そうね。そうしましょう。」
ララ:「承知いたしました。では、こちらです。
すでに準備はできていますので、すぐにお入りいただけますのでどーぞ。」
お風呂も部屋の中にあって、これまた豪華な作りですなぁ。
いつもの通り、リンドウと一緒に入ることになるのだが、いつも通りムズムズするんです。
リンドウ:「リオ。ここのお風呂広くていいわね。」
リオ:「うん。すごく広いね。
伸び伸び入れて気持ちいい。」
そこへ、侍女のララさんが入ってきた。
当然?スッポンポンの状態で……。
リオ:「え?えー!ララさん!どうしたの?」
ララ:「はい、お背中を流しに来ました。」
なんですか、これは?
これが王族の暮らしなんですか?
リンドウ:「ララさん。私がリオの体を洗うから、気を使わなくていいわ。」
そうなんです。いつも洗っていただいてます。
断ってるんですけど、洗ってくれるんです。
ララ:「気は使ってませんから大丈夫です。
お背中を流させてください。」
リンドウ:「そうなの。じゃあ、一緒に入れば?」
ララ:「いえ、滅相もございません。
こちらでお待ちしてますので。」
うーん。なんて言えばいいんですか?
リンドウ:「それこそ、気を使うわ。
一緒に入りなさい。」
ララ:「………。」
沈黙が………。
ララ:「承知いたしました。
お言葉に甘えまして失礼します。」
広いお風呂に3人。
何を話せばいいのか……。
ララさんもすごく若そうだけど、どれくらいなんだろ?
リオ:「あ。ララさん。歳って幾つなんですか?」
いきなり、女性に歳を聞く失礼なリオ……。
ララ:「はい、今年で20歳になりました。」
リオ:「あ。そうなんですね。
もう、ここに来て長いんですか?」
ララ:「そうですね。13歳の時から殿下にお世話になっていますから、8年ほどになります。」
リオ:「へえ。長いですね。」
ララ:「そうですね。」
わ!話が終わった。どうしよう。
リオ:「あ!そういえば、この部屋ってあまり使わないんですよね。」
ララ:「そうです。ほぼ使ったことないですね。
前回が隣国の王子が来られた時なので、2年ほど前ですね。」
リオ:「へえ。嬉しいですけど、大丈夫なんですかね?」
ララ:「それは大丈夫だと思います。
殿下からそう決められましたので。
今までは渋々という感じでしたので、殿下からは初めてのことです。
すごく信頼されていると思いますよ。」
リンドウ:「そうなのね。リオ、良かったわね。」
リオ:「うん、そうだね。まあ、どちらかというとリンドウのお陰の様な気がするけど。」
(その予測は多分正しい。)
ララ:「それでは、リオ様。そろそろお体を洗ってもよろしいですか?」
リオ:「は、はい。よろしくお願いします。」
まずはリオとララが湯船から上がって、向かい合わせの形に座った。
また、リオはララの体をガン見している。
ララ:「それでは、洗っていきますね。」
リオ:「は、はい。」
うわー。ムズムズするー。
ララは淡々とリオの体を洗っていく。
リンドウに体を洗ってもらった時と同じように木登りをしている時に感じる感覚だ。
もうすでにリオはパンパン。パンのパン。
ただ、暴発事故もなく体洗いは終了。
リンドウは、ララの申し出を断って、自分で洗ってる。
それもまた、リオはガン見している。
やっぱり、見ちゃうんですよね。
大きなお風呂は気持ちいいなぁ。
◇◇◇◇◇
それから、うだうだと部屋の中でくつろいだ後、シャビル王子から夕食のお誘い。
これまた、広くて豪華な部屋でお食事が出てきた。たぶん、王族の食卓って感じなんだろうな。すごくたくさんの料理が並んでいる。
シャビル王子に聞くと、今日は帰国したばっかりだから、いつもより豪華なのだとか。
そんな食卓で王子と一緒に夕食をいただくって、すごいことだよね。
前の生活だと一人で食事が普通だったもんなぁ。しかも、あんまり、いいものが出てきた記憶がない。家族とは別の料理だったから。
シャビル王子がリンドウに話しかける。
シャビル:「リンドウ。部屋は気に入った?」
リンドウ:「そうね。気に入ったわ。」
シャビル:「そっか。それは良かった。
あの部屋は特別だからね。
部屋は隣だから、いつでも来ていいよ。
あと、ずっと、いてもらってもいいからね。」
リンドウ:「ありがとう。リオがいたいなら、当分はお世話になるわ。」
シャビル:「そっか。リオ、ずっといていいからね。」
リオ:「はい、ありがとうございます。」
(シャビルとしてはリンドウにいてもらいたいので、リオにもいてもらう必要あり。)
シャビル:「あと、陛下からの褒美についてはまた後日になるけど、この証明をギルドに持っていって。
護衛依頼の報酬を受け取れるからね。
ちゃんと追加料金も上乗せしてるから。」
来たー!また、ガチャれる!
リオ:「はい!ありがとうございます!」
リンドウ:「ふふふ。」
リンドウには、リオが何を思ってるかは、一目瞭然なので、微笑ましく見てる。
リオ:「リンドウ。明日、受け取りに行こうね。」
リンドウ:「ふふふ。了解。」
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