「消えたいな」
最近の俺の口癖だ。
朝比奈理玖、15歳。現役男子中学生。
好きな食べ物はハンバーグ、嫌いな食べ物はなす。
運動も勉強も人並みで、友達もいる。
たぶん、誰が見ても“普通”な男子。
でも、俺には――
絶対に誰にも知られちゃいけない秘密がある。
それは、
俺が“ゲイ”だってこと。
つまり、男を好きになってしまうってこと。
気づいたのは、つい最近。
苦しかった。
女の子を好きにならなきゃいけないのに。
誰にも打ち明けられない。
口にした瞬間、
今までの“普通”が全部、崩れ落ちる気がした。
バレたら終わる。
知られたら終わる。
だから、俺は――
必死に隠した。
「俺って、普通じゃないのかな……」
「俺って、おかしいのかな……」
そんな言葉が、
頭の中でぐるぐるとノイズになって響くたびに、
俺の中の“本当の自分”が削れていく気がした。
そして、たどり着いた感情は――
「消えたい」だった。
そんな時だった。
ある事故のおかげで俺は死んだんだ!
ああ、やっと“この世界”から解放される。
そう思った、その瞬間。
……目が覚めた。
小さな身体、見知らぬ世界。
だけど、この胸の中には、
あの日のままの“痛み”は残っていた。
これは、「シンデンズ」
転生し続ける呪いと、
死ぬたびに惹かれ合う2人の物語だ…。
コメント
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続きがめちゃ楽しみです!!