テラーノベル
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駅のホームからでて、一度トイレに向かう
鏡の前に立って、鏡に映る自分を見た
白いシャツにグレージュのカーディガン
その上に新調した分厚めの上着に
黒い緩めのズボンにはベルトを通して
履き慣れた黒いスニーカーを合わせた
髪も寝癖とかついてないし、
変なところはない、かな
トイレから出て、改札を通れば空港内
邪魔にならないよう隅により
LINEに送られていた集合場所を確認する
様子を見ながらまた歩き出すと
今から会う、という実感が湧く
久々に全員で、6人で集合
9周年、Nakakuの個展
今年6人全員で揃ったのはその2回
それ以来はみんな忙しくて
個人で会う機会とか…多少はあったけど
全員で集まるなんてもってのほか
スマイルとシャケはモノパスでの活動
きりやんは里芋掘ってるし家庭もある
Nakamuは個展とかラジオ出てて
Broooockは、
元気、かな
1番会ってないといっても過言ではなく
個展以降は会ってない
向こうは社長
ワイテルズで活動してた時も忙しかったんだ
今も忙しいに決まってる
数ヶ月ぶりになる、んだよな
活動してた時なんか 毎日のように話して
ご飯食べたりしてたのに。
今はもう何してるかもわからない
何話そう
普通に話せるかな
てか話せるタイミングあんのか
旅館の部屋割りは
スマイルときりやん以外決まってないし
車も隣になるかわかんないし
…って乙女か、
友達だし、久々に会う同級生。
そう考えよう
だって向こうはそうとしか思ってない
とりあえず、おはようは言おう
普通に、自然に
そう思っていると
後ろから軽く肩を叩かれ
「…………」
振り向けば頬に指がささる
振り向きぎわに見えた
ニコッと笑った顔は昔と変わらない
「……Nakamu」
nk「wwおはきんとき」
おはきんときってなんだよ…
nk「上手く刺さったくない?w」
Nakamuの背後から深緑の髪が見え
「シャケ、」
shk「結構痛かったろ、それ」
「シャケもやられた?」
shk「つい数十秒前にな」
シャケもさっき会ったらしい
nk「俺今日運転だから今のうちに」
今のうちに、ちょっかい出しておこう、か
といってもまだ飛行機にも乗ってないし
nk「昨日さー鳥取のこと調べてて」
「ぁー」
旅行の時はNakamuが色々調べてきて
みんながその中から行きたいとこを選ぶ
nk「海鮮ばっっかだったんだよねw」
ケラケラと笑いながらそういう
shk「海鮮全員好きじゃん」
nk「だよね?海鮮食べ歩きでいいよね?」
「いいんじゃないw?」
nk「あとで3人にも言っとこ」
「きりやんは海鮮食べる気でいるでしょ」
shk「ずっと言ってたもんな」
nk「じゃあほぼ決定か〜」
そんなことを話していれば
集合場所がみえてくる
知っている顔が2人いて
Nakamuもシャケも気づいたみたいで
nk「おはよ〜」
kr「おはよ、3人できたんだ」
「さっきそこで会った」
shk「ぶるーくは?」
sm「きてない、連絡も」
そうなんだ…、よかった
みんなと話しといて
自分のペースを取り戻したい
kr「あいつはどうせ遅刻」
nk「今日はしないでしょw」
shk「いやぶるーくだからな〜…w」
「僕遅刻じゃないんだけど〜w」
「みんなが早いだけ〜」
自分の背後からそんな声と
俺の両肩に手が乗り
少し顔が固まる
nk「おはよーぶるーく」
br「おはよ〜w」
早い、
前なんてぴったりか遅れてくるか
ほぼどちらかの選択肢しかないような
そんなマイペースぶりだったのに
まだ、まだ話せる気がしてないのに
nk「珍しいじゃん、時間前」
br「ここでご飯食べてたからw」
kr「そりゃ遅刻できないか」
br「流石にね〜…」
br「…きんさんおはよ〜」
目の前にはぶるっくのドアップの顔
瑠璃色の瞳に見つめられ
急に話しかけられる
「…ぁお、はよ」
ぶわっと感情が込み上げてくる
懐かしい感覚と忘れたはずの感覚が
一気に戻ったような気がした
br「wwなんかきんさんぎこちなくない?」
nk「ぶるーくが近すぎるんじゃない?」
そういうとぶるーくは
まるで時が止まったかのように
動かなくなる
br「……あ、そういうことか〜w」
何を理解したのか
ぱっと俺から距離を取り、前に歩き出す
ぶるっくに続くようにみんな歩き出し
br「1年経つとさ〜」
br「どんな距離で話してたかなってw」
nk「…あ〜…まあ確かに?」
kr「いやわかるだろ」
sm「……確かに」
kr「お前のはどっちの確かにだよ…」
shk「…どうした?」
前に4人が並ぶ中
後ろを歩いていた俺の隣にシャケが来る
「いやー…なんか」
なんで言えばいいんだろう
なんていうのが正解なんだろう
shk「……距離近かったな」
「まじでそう」
shk「ぶるーくだし って言われれば」
shk「まあそうなんだけど」
「顔近…かった、」
shk「でも嫌ではなかったろ」
「……シャケ楽しんでるでしょ」
shk「人のそう言うの聞くのは」
shk「誰だって楽しい」
まあそうだけど
楽しいかもしれないけどさ
「…ちゃんと、挨拶できなかった」
ぎこちなかったし
顔近すぎて声出なかったし
shk「なら話しかければいーじゃん」
「それは、…難易度たか、」
話しかける勇気なんてないし
今話したところで普通に話せる気はしない
shk「今近くにいるうちにだろ」
遠くに行ってしまうような言い方をする
実際そうだけど。
きっとこれからみんな遠い存在になる
そんなの知ってるけど
「…どっかのタイミングで話すよ」
今はそういうことしかできなかった
shk「……部屋、一緒になれば?」
呆れたような声でそう言う
「は?」
shk「いびき2人組以外決まってないし」
「いや…流石にそれはだめじゃない?」
shk「……まだ拗らせんの」
そう言われて俺は言葉を詰まらせる
shk「ぶるーくはきんときなら…」
「あいつにとって俺は、」
「みんなより少し長く一緒にいるだけの」
「ただの友達だよ、」
シャケの言葉を遮るように
自分に言い聞かせるように
shk「それでいいなら、いい」
shk「俺は…、口出せる立場じゃない」
少し寂しげな声を出しながら
目を逸らされる
shk「けど、!」
少しの沈黙の後、
シャケからはあまり聞かない声が響く
shk「友達の…、そのー…恋路は」
shk「助けれる時は助けるもんじゃねーの」
モゴモゴと話すシャケは
照れてるのかなんなのか
少し耳を赤くして言う
友達のため、か
シャケなりに応援してくれているらしい
「応援したいから‥部屋w?」
shk「今できんのそんぐらいだし、」
shk「俺はお前らとはなりたくない」
なりたくないって言うのは
今のこの状態でってこと、だよね
そう言うことにしよう
shk「もう27だし…、潮時だろ」
今年で28、14からの片想い
俺はもう14年も追い続けているらしい
そろそろ当たって砕けろってか
「嫌われるかな」
言ったら、関係は確実に崩れる
嫌われるかもしれない
shk「ぶるーくは嫌いになんねーよ」
1番よく知ってるだろ、そう言われる
見てきたから、知ってる
嫌いにならないじゃなくて
優しいから、なれないんだ
どれだけ喧嘩を売ってくる友達でも
離れていった友達も、別れた恋人も
俺だったら不幸を願うのに
ぶるっくは嫌いにならずに、
相手の幸を願って送り出す
「部屋、一緒になってもいい?」
shk「いいって言ってる」
ならありがたくそうさせてもらおう
「色々、話してみようと思う」
告るかはわかんないけど
今一緒にいられるなら
その時間を大事にしたい
shk「まあいいんじゃね、今はそれで」
そう言って俺に対してグーを出す
こんっと軽くグータッチをすれば
shk「…きんとき走れる靴?」
そんなことを急に言われる
「え、うん」
shk「走んぞ」
そう言ってシャケは走る、
というより 早歩きをし始める
俺もそれに合わせて歩き始め
前を見ればカウンターで待つ4人がいる
顔を見ると
「あれ怒ってるよね、w」
shk「歩くの遅すぎたなw」
_______________
飛行機を降りると冷たい空気が身を纏う
隣だったNakamuは基本的に寝てて
眠そうだった目も今は覚めたようだ
きりやんは…元気である
ロビーで足元のみの撮影をするため
人の少ないところまで移動する
nk「カメラってスマイル?」
sm「…そうだっけ」
「あースマイルじゃない?」
前決めた時は、確かスマイルだった
kr「本人忘れてんのかよ…」
br「スマさんだからw」
sm「…カメラ回すけど」
分が悪いらしい、撮影の話になる
「はいはい、配置つくよー」
俺もスマイルのにのってそう言う
今みたいに、 普通に、自然に
動画でボロが出ないように
(3.2.1.)
sm「到着です、」
nk「はい、いぇーい」
sm「ちょっとこれ……、」
nk「鬼太郎うつした?」
sm「あぁ….鬼太郎ね」
sm「飛行機、乗ってます」
「もう まじ、ほんとに1年ぶりだよね」
「更新されるのが」
br「うぉ〜」
shk「ちょうど1年ぶりの動画じゃん」
sm「はぁい」
kr「お久しぶりですみなさん」
nk「今日は6人で…、」
nk「ご飯を食べにきました」
「ふはww」
sm「ここまで、贅沢だね」
br「鳥を食べに行きま〜す」
nk「…?違くない?」
「鳥取だからね」
shk「んふww」
nk「え、…」
br「ま、かかってないんだよね」
sm「まあ…、何食べんの?」
nk「海鮮を食べたりカニを食べたり」
sm「いいねぇやっぱ」
nk「砂を食べたり」
sm「海近いからね」
nk「砂食べ放題だもん」
「ふはははははw」
shk「ふw砂食べ放題だ」
sm「よしー…」
nk「この動画の1番の見どころは……
_____
ふっつーーにいつも通り…
1年前と一緒だった気がする
話し方、ツッコミ方、返し方
歩きながらそんなことを思う
nk「なんか懐かしいわ〜w」
隣を歩いていたNakamuが
空を仰ぎながらそんなことを言う
「1年しかたってないのに?w」
nk「なんてゆーんだろう」
nk「この雰囲気が、一緒にいる時が」
nk「顔ぶれが、聞こえる声が」
nk「全部、」
nk「変わらずにここにあって」
なんかポエムみたいに言うな
「…わからんでもないけど」
Nakamuと目が合い、クスッと笑う
好きだった、壊したくなかった
守っていきたかった
でも今とも向き合わなきゃならなかった
1年前に俺たちが出した答え
その答えが間違っているとは思わない
それぞれが前に進んでいるから
全員が笑っているから
借りる予定の車が見え
Nakamuの背中をパンっと叩く
「最ッコーな運転よろしく」
nk「まかせろり!」
俺のズッ友は平常運転だ
_______________
〈ご挨拶〉
10周年遅れましておめでとうございます
ワイテルズ10周年作品制作に伴い
アカウントの復帰をしております
〈作品について〉
ブラテ、旅行メインの短中編
その他軽い短編で構成していきます
現役期同様金曜16:00頃投稿です
〈個人的なもの〉
2⁄1 nk個展in名古屋に参戦いたします
今回は単番になりますので
ぼっちいたら自分の可能性大です…
〈最後に〉
遊郭街を見てくださっていた読者様、
ならびに初めましての皆様。
作品を見つけていただき
ありがとうございます。
風早として活動を始めてから
2年を迎えました。
またこの界隈で作品を書けることを
嬉しく思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
コメント
1件

久しぶりに風早さんの作品が見れてとっても嬉しいです..!安定に語彙がすごくてびっくり仰天してました。来週の金曜日が滅茶苦茶に楽しみです... コメント失礼しました〜!