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# 影の同盟
ダークナイトの倉庫基地に戻ったメンバーたちは、静かな緊張に包まれていた。未明の任務は成功したが、回収したデータから、より深い闇が蠢いていることが明らかになったのだ。
キララがタブレットを広げ、解析結果を映し出す。「ダーク二ードゥとブラック二ードゥの取引は、単なる情報売買ではなかったわ。彼らは『影の同盟』という新たな勢力と接触していた」
「影の同盟?」すいが鉄パイプを軽く回しながら眉をひそめる。「聞いたことないぜ」
「当然です」ボスが暗がりから現れ、冷たい声で続けた。「影の同盟は、ダークネスが設立される以前から存在していた伝説的な組織です。表舞台に立つことを嫌い、歴史の裏側で権力者たちを操ってきたと言われています」
倉庫内に重い沈黙が流れた。てんが静かに口を開く。「伝説が現実になるとはな。彼らが動き出したということは、何か大きな変化が起きようとしている」
三日後、ダクルクの使者がダークナイトの基地を訪れた。ルクスと呼ばれる女性で、かつてダークネスで最高の諜報員だった経歴を持つ。
「久しぶりね、ダークナイトの皆さん」ルクスは優雅に微笑んだが、目には警戒の色が浮かんでいた。「影の同盟に関する情報を持ってきたわ。彼らはダークネスの四グループを分裂させ、自らの傀儡にしようと画策している」
蓮が腕を組んで尋ねた。「なぜダクルクがそんな情報を?」
「私たちも標的にされているからよ」ルクスの表情が険しくなる。「影の同盟は、ダークネスを離れた者たちを特に危険視している。私たちダクルクは、彼らにとって都合の悪い存在なの」
ボスがゆっくりとうなずく。「では、一時的な同盟を結ぼう。影の同盟という共通の敵に対して」
その夜、ダークナイトとダクルクの合同作戦会議が開かれた。ルクスが持ち込んだ情報によれば、影の同盟は三日後に港の倉庫街で、ダーク二ードゥとブラック二ードゥの残党と接触する予定だった。
「ここで一網打尽にできるかもしれない」キララが地図上のポイントを指さす。「ただし、影の同盟の戦力は未知数。過小評価は禁物よ」
三日後の深夜、港は濃い霧に包まれていた。ダークナイトとダクルクの混成チームが、倉庫街に潜んでいた。
すいと蓮は東側の入り口を担当。ルクスとダクルクの精鋭二人が西側をカバーする。あくとてんは高所から監視と情報支援を、リリとキララ、しょうとナイトは逃げ道封鎖と遊撃部隊として待機した。
「霧が濃すぎるぜ」すいが小声で呟く。「視界が十メートルもない」
蓮が暗視スコープを覗きながらうなずく。「狙撃が難しいな。接近戦が主になるだろう」
午前二時、影が動き始めた。まず現れたのはダーク二ードゥの残党五名。続いて、黒いコートをまとった三人組が霧の中から現れる。影の同盟の使者たちだった。
「あれが…」蓮が息を飲む。
使者たちの動きは人間離れしていた。霧の中を滑るように移動し、時折、まるで地面から湧き上がる影そのもののように見えた。
ルクスの声が無線で響く。「彼らは普通の人間ではない。注意して」
作戦開始の合図と共に、すいが最初に動いた。鉄パイプを伸ばし、霧の中を一直線に突き進む。ダーク二ードゥの一人が気づき、銃を構えるが、その瞬間に蓮のナイフが彼の手から銃を弾き飛ばした。
「敵襲だ!」
倉庫街に怒号が響き渡る。すいの鉄パイプが刀に変形し、霧の中で銀色の閃光を描く。ダーク二ードゥのメンバーたちは次々と倒れていくが、影の同盟の使者たちは動じない。
黒いコートの一人が手を上げる。次の瞬間、彼の周囲の影が伸び、生き物のように蠢き始めた。
「なんだあれ…!?」あくが無線で叫ぶ。
影が実体を持ち、触手のように伸びてくる。すいが鉄パイプを回転させてそれを払いのけるが、影は切れてもすぐに元に戻る。
「物理攻撃が効きにくい!」すいが後退する。
その時、ルクスが西側から飛び出し、手にした特殊な光を放つ装置を掲げた。眩い光が閃き、影の触手が一瞬で消え去る。
「彼らの力は影に依存している!」ルクスが叫ぶ。「光で弱体化させられる!」
戦況が一変した。ダクルクのメンバーが持ち込んだ携帯型閃光装置が、影の同盟の力を封じ始める。しかし、使者たちはなおも戦いをやめない。
黒いコートのリーダー格の男がコートを脱ぎ捨てた。その下には、無数の刺青のような紋様が刻まれた肌が現れる。紋様は微かに光り、霧の中で不気味に脈打っていた。
「我々の計画を邪魔する愚か者たちよ」男の声は二重、三重に重なって響く。「影は常に存在する。光が照らす場所でさえ、影は潜んでいるのだ」
男の紋様が強く輝き、周囲の霧さえも黒く染め始める。倉庫街全体が闇に包まれ、閃光装置の光さえも飲み込まれていく。
「まずい…これ以上闇が濃くなると…」蓮が銃を構えながら歯噛みする。
その時、高所からてんの声が無線で響いた。「分析した。あの紋様は一種の増幅装置だ。ただし、一定以上のエネルギーを流すと過負荷で崩壊する可能性がある」
「つまり、一気に攻撃しろってことか」すいが鉄パイプを握りしめる。「でもどうやって?」
リリの声が無線に割り込む。「姉さんが考えたわ。私たち全員の武器や装置から、同時に最大出力のエネルギーをあいつにぶつけるの」
キララが続ける。「タイミングを完全に合わせる必要がある。0.5秒でもずれたら失敗よ」
作戦は危険だったが、他に選択肢はない。ダークナイトとダクルクの全メンバーが位置につき、攻撃の準備を整える。
「カウントダウンを始める」ボスの声が無線に流れる。「3…2…1…今だ!」
その瞬間、倉庫街に無数の光が炸裂した。
すいの鉄パイプからは、拳銃モードの全弾が閃光弾として発射される。蓮の銃からは特殊な徹甲閃光弾が、あくとてんからは高周波発生装置の波が、リリとキララからは電磁パルスと閃光の複合攻撃が、しょうとナイトからは指向性エネルギー波が。
ダクルクのメンバーたちも、持ちうる全ての光を放つ装置を起動させた。ルクスは中心に立ち、古代の技術で作られたという光増幅器を最大出力で作動させた。
影の同盟の使者が放つ闇と、ダークナイト・ダクルク連合が放つ光が衝突する。倉庫街全体が白と黒の渦に飲み込まれ、爆風が港一帯を揺るがす。
「うおおおおっ!」すいが必死に鉄パイプを支えながら叫ぶ。
光と闇の均衡がほんの一瞬だけ揺らぐ。その隙に、全ての攻撃が紋様の男に集中する。
「ぐああああっ!!」
男の叫びが闇夜に響き渡る。彼の体の紋様が過剰なエネルギーに耐えきれず、ひび割れ、光の筋となって迸る。次の瞬間、大爆発が起き、男の体は光の粒子となって霧散した。
残る二人の使者は、突然の出来事に動揺し、闇の中に消え去っていった。
朝日が昇り始め、港の霧が晴れていく。倉庫街には戦闘の痕跡が残されていたが、影の同盟の使者たちの痕跡はほとんどなかった。
ルクスが崩れ落ちそうになりながら、壁にもたれかかる。「これで一時的には追い払えた…けど、影の同盟全体が動き出した以上、これで終わりじゃない」
すいが鉄パイプを地面に突き刺し、息を整える。「あの紋様の男、完全に消えちまったぜ。ああいうの、初めて見た」
蓮が近づき、すいの肩を軽く叩く。「お前、無事で良かったよ」
ダークナイトとダクルクのメンバーたちが集まり、互いの無事を確認する。初めての合同作戦だったが、驚くほどの連携が取れていた。
ボスがルクスに近づき、静かに言う。「同盟を続けよう。影の同盟という敵に対しては」
ルクスが弱々しくうなずく。「ええ、そうするわ。でも…彼らが本当に何を求めているのか、まだ分からない」
てんがデータ端末をチェックしながら報告する。「逃走した二人の使者の痕跡を追ったが、港の外で完全に消えた。プロの仕事だ」
それから一週間後、ダークナイトの基地では少し変わった日常が始まっていた。ダクルクからの連絡員が常駐し、情報の共有が日常的に行われるようになったのだ。
すいは相変わらず鉄パイプの手入れをしながら、蓮に話しかける。「あの戦いの後、なんだかパイプの調子が変わった気がするぜ」
蓮が興味深そうに見つめる。「光と闇のエネルギーに晒されたからな。何か変化があったのか?」
すいが鉄パイプを軽く回す。すると、いつもとは違う微かな光が刃に沿って走った。「ほら、見ろよ。あの戦いの名残か?」
基地の奥では、ボスとルクスが今後の方針について話し合っていた。影の同盟の目的、ダークネス内部の他のグループの動向、そしてこれから起こりうる衝突について。
「一つ確かなのは、平穏な日々はもう長くは続かないということだ」ボスが低い声で言う。
ルクスがコーヒーカップを手に、窓の外を見つめる。「影は常に存在する…あの男の言葉通りね。でも、光だって同じよ。闇が深ければ深いほど、光は輝くものだから」
夜になると、すいは屋上に上がり、鉄パイプを手に星空を見上げた。あの戦いで感じた未知なる力、紋様の男が放つ圧倒的な闇、そして仲間たちと共に放った光の奔流。
「次に会う時は、もっと強くなってやるぜ」すいが独り言ちる。
下から蓮の声が聞こえる。「おい、すい。新しい任務のブリーフィングがあるぞ」
すいが軽く笑い、鉄パイプを肩に担ぐ。「了解。今行くぜ」
ダークナイトの物語は続く。影の同盟という新たな敵、ダクルクとの同盟、そしてダークネス内部に潜むさらなる謎。元殺し屋たちの集団は、これからも闇と光の狭間で、自分たちの正義を貫いていく。
港の戦いから得た教訓は一つ。どんなに深い闇でも、絆と決意の光があれば、切り拓くことができるということだ。そしてその光は、これからも彼らと共に、新たな戦いの夜を照らし続けるのであった。