テラーノベル
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「マリア、それにお父様も、この度は母の天還式にご出席頂きありがとうございます。」「なーに!当たり前でしょ!そんな事でお礼言わないの!」
「あはは。そうだよオリヴィエくん。君のお母さんには私もとてもお世話になったからね。お礼を言いたいのはこちらだよ。」
母さんとマリアのお父様は同じエスペラントギルドで働く上級能力者だった。
それ故に昔から僕とマリアは特に会う機会が多かった。
「あの…そちらは?」
「これはどうも、失礼。私はイグニス・スラーレイ。君のお母様と同じ、エスペラントギルドで働いていた中級能力者だ。」
「あ、は、初めまして!息子のオリヴィエ・クローマンです!生前は母がお世話になりました!」
「はは。それはこちらの台詞だよ。君のお母様は非常に優秀な能力者さんでねえ。」
「そうですね…僕としても息子として誇ることのできる偉大な母でした。」
「そうだねえ。そんな彼女がB級迷宮で命を落とすなんて、初めて聞いた時は私も驚いたよ。」
「そうですね…僕も、、、」
「イグニス、その話は、、、」
「おっと、失礼。それじゃあ、私は先に向かうよ。」
「えっ…!は、はい!」
「お父さん、なんでイグニスさんの話止めたの?」
「お前らのためだ。マリア、私たちも行くぞ。」
「え?うん!じゃあまた!オリヴィエ!」
「うん…!また!」
やっぱりギルドの人も上級能力者がB級迷宮で命を落とすことの異常性には目をつけているんだ。
マリアのお父さんのあの感じ…何か違和感を感じた。
式が終わったらイグニスさんのところに行ってみよう。もしかしたら何かがわかるかもしれない…!
〜式後〜
「マリア、お父様も、今日は本当にありがとうございました!」
「こちらこそ!お母様も天界で幸せに暮らしているといいわね!」
「当然そうしているさ。彼女はそれに値する存在だったのだから。」
「ふふ。お父さんが言うなら間違いないわ!」
「ですね…!母もきっと天から笑って見守っていると思います!では、僕はこれで!今日は本当にありがとうございました!」
「うん!また学校でね!」
「…うん!また!」
僕はイグニスさんを探すべく、周辺を歩き見渡した。
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