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腑抜けた声が聞こえた。
「あの、開いてますか..?」
俺は暗闇に光が見えたような表情をしていただろう。
「開いていますよ!ありがとうございます!」
何への感謝だかなんだか分からないが、その一言が妙に嬉しかった。
「また来てくださったんですね。」
ああ、覚えていてくれている。
嬉しいなぁ..、
そう思って、安堵混じりの声で
「覚えてくださったんですか、?」
と聞いた。
「はい、!お顔覚えるの得意なんですっ!」
ならばきっとこの人は他の人とも話している
そういう勝手な妄想であり、半分事実に胸がとてもざわついた。
「嬉しいです。とても。 」
心からそう思った。
k
こんな他愛ない話が永遠にできたならば..。
だけど、永遠なんてないから、
「あの、本日もお花を?」
「は、はい、!そうです」
「えと、この週から秋らしくなったので、こちらのお花がいいですよ!」
「本当ですか?」
「はい!色も沢山あって、白の花瓶が映えます!」
「へぇ〜、ではそちらを..!」
「えと、91円になります!」
「はい、ありがとうございます!」
「また来てくださいね、お元気で」
「もちろんです、そちらこそお気をつけて」
「ふぅ..っ、」
やけに緊張した。
だけど紐が解けるような。
幸せだ 。
ゆっくりと家に歩みを進めた。
店の光は夜に溶けていった。
あ、名前聞き忘れた。