葵は息を荒げながら、バルドとの距離を取った。
だが、バルドは悠然とこちらを見つめている。
「……楽しませろってか?」
葵は不敵な笑みを浮かべ、指を鳴らした。
ゴゴゴゴゴ……
空気が揺れ、異様な冷気が漂い始める。
船の甲板に、黒い影が次々と滲み出る。
「お前みたいな暇人を退屈させないために、用意してやったぜ――」
1000体の亡霊が、船の上に現れた。
それはかつて、この船で死んだ者たち。
海に沈められた者。
嵐に巻き込まれた者。
殺された者。
彼らは恨みと憎しみの塊となり、バルドを取り囲む。
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」
「ギャアアアアアア!!!」
「オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!!」
断末魔の叫び。
腐敗した指が、バルドへと伸びる。
触れたものを腐らせる亡霊の群れ。
しかし――
バルドは、それを見ても顔色ひとつ変えなかった。
「へぇ……これが、お前の切り札か。」
亡霊たちがバルドに襲いかかる。
だが、その瞬間――
バルドの戦斧が、一閃。
「死者風情が……俺の相手になるとでも思ったか?」
一振りで、かき消された。
黒い霧となって、消滅する。
「……チッ、こいつマジかよ。」
葵は舌打ちする。
バルドは楽しそうに笑った。
「葵、お前の亡霊どもは確かに面白いが……」
彼はゆっくりと、地面を踏みしめた。
「……所詮は、俺にとってただの暇つぶしだ。」
その瞬間――
船全体が、異様な沈黙に包まれた。
そして、バルドの影から――
もっと巨大な”何か”が這い出してきた。
「……!!?」
葵の背筋に、初めて本能的な恐怖が走った。
4o
コメント
2件
今回も神ってましたぁぁぁ!!! バルっちそのままいけえええええええぇ"!!!!() ほほう、、果たしてバルっちは何を召喚(?)したんでしょおねぇ、、、 気になるゥ、、!!((? 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいぃ!!!!!!
葵ちゃんが本気で怖がってる…!?((?)それほどエグイんだ…!!!続き楽しみです、!、!