テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ソ連と会う約束の日の朝─日帝の部屋には沢山の服で溢れ返っていた。
「うーむ…私服なぞ暫く着ていないぞ…」
理由は単純。着て行く服を選んでいるのだ。
日帝が私服を着ていなかった理由。それは日清戦争によっての清との関係悪化にある。それまではよく日帝は清の所へ行っていた為、私服を着ていたのだが…
江戸─日帝の父─がいた頃程までとはいかずとも、その時までは清のことを日帝は慕っていたのだ。
「と、取り敢えず…これで良いか…」
日帝が選んだのは袴である。上衣は真っ白な生地に三つの赤い花の刺繍が施されている。首元から肩にかけては梅の花。裾の方は山茶山と椿。生地が白いためよく映えている。
一方袴の方は赤茶色の生地に白いポインセチアと黄の水仙。後ろ紐には黄色の蝋梅の飾りがつけている。
「…よし。あ、あとソ連は寒いからな…草履の代わりにブーツを履いて行くか」
真っ黒なブーツを日帝は用意する。そして先程出した袴を着込む。
着替え終わった日帝は部屋を片付ける。
「…ん?てかコレ、モロ女物な気が…」
ふと日帝は己が性別を偽っている立場ということを思い出す。だが相手はソ連とで此方の文化をそこまで知らぬだろう。そう思考してその考えを頭の片隅へ追いやった。
「しかし…一番の問題は…コレだよなぁ…」
日帝は鏡に写る自身の頭部を眺む。
そこには何とも愛らしい猫耳があった。
「む…この帽子で良いか…」
ぼふり、と帽子をかぶって猫耳を隠し、日帝は外に出た。
ソ連は港にて日帝を待っていた。相も変わらず大きな体は良く目立っている。
しかし、その体に似合わずソ連はそわそわと同じ場所を行ったり来たり。マフラーを弄ってみたり裾を弄ったり…忙しない。
そんなこんなで日帝を待っていると、船が来た。
恐らく日帝の事だ。集合時間の一時間前には来るだろう。そしてその時間に間に合うのはこの船だ。その為、ソ連はこの船に日帝が乗っているだろうと予想を立て、顔を輝かせる。
船に近づき、日帝を探す。
すると奥の方に日帝が見えた。
「─!にっ─…」
日帝に声をかけようとして、はっとして、ソ連はやめる。
こんな遠い所から声を日帝に届けようとするとどうしても大きい声になってしまう。きっとそれは周りの人物たちの気分を害し、日帝は居たたまれなくなるだろう。
だからソ連はぐっと高ぶる気持ちを抑えて日帝を待つ。
だいぶ日帝との距離が縮まった時、日帝はソ連に気付き、軽く駆け足でソ連に近づいた。
その愛らしさにソ連は思わず顔を少し赤く染める。
「っソ連!…待ったか?」
日帝がソ連の傍まで寄り、上目遣いでソ連を見る。
「いっいや、…全然…そんなこと、は、無い」
嘘である。一時間前からここでソ連は待っていた。
─あ~…もうかんわい~…っていうか…和服?めっちゃ似合ってる…可愛い~
と、心の中で思う。
「そうか。じゃあ、ソ連の家に連れてってくれ」
「わ、わかった」
そう言い、ソ連は日帝に手を差し伸べる。
「…?」
日帝は首を傾げ、不思議そうにする。
仕草一つ一つが愛らしいと思いつつ、ソ連は言葉を紡ぐ。
「ほら、ここら辺の土地勘無いだろ?迷子になったら大変だろうが」
「なっ成る程…」
日帝はソ連の手を軽く握る。
するとソ連は日帝の手を一気に引き、肩を抱いた。
「!?」
日帝とソ連の身長差は大きいので、日帝はすっぽりとソ連の脇にはまる。
その状況に驚き顔を赤く染める日帝。
だが、一度承諾したため、大人しくされるがまま抵抗しない。
これがソ連での文化なのかな…と少し恥ずかしげながらも日帝は受け入れている。
ソ連は満足そうにしながら街を歩いて行く。
上機嫌過ぎて鼻歌でも歌い初めそうな雰囲気だ。
そんなこんなで道を歩いていると人通りの多い道に出た。
ソ連が今日は混む日だったかな…なんて思考していると日帝が突然ソ連の腕の袖を掴んだ。
「!?どうした…?」
「いや…実は…私は人見知りなんだ…」
少し口を尖らせ不満そうにする。
その様子を見、ソ連は口角を少し上げ、日帝の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「んむっ!やめろ!!」
可愛らしい声を上げ、抵抗する日帝。
「ははっ!なら、尚更俺にくっついていろ」
「…」
無言で日帝は抵抗するが、人への恐怖には勝てなかったのか、ソ連にいっそう近づく。
それをソ連は満足そうに尻目に見ながら、人の中へ紛れていった。
お久しぶりです…!!!
体調崩したり、リアルでの人間関係上手く行かなすぎて落ち込んだり色々しちゃってて、ここ更新するの忘れてました…!申し訳ないです。゚(゚இωஇ゚)゚。
さらに予定がバチバチに詰まってるので、teller更新するの1ヶ月に1回にさせていただきます!!ごめんなさい…
ちょっと今回はラブラブにしましたよ?うへへへへへへへへへ…次回また甘くなるのでお楽しみに!(*ゝω・*)⌒☆
コメント
3件
おお、第4話めっちゃ良かった…!日帝が私服選びに悩む姿、しかも女物疑惑に気づきつつ押し通す強引さ(笑)、猫耳帽子で隠すところ全部可愛い。んでソ連、一時間前から待ってて「全然」って嘘つくのわかりやすすぎるし、肩抱きルート速攻で突入して満足げなの最高すぎる。和服×身長差×人見知り日帝のギャップ萌えで心臓もたんわ。次回も楽しみにしてるから、カシーチは無理せず自分のペースで書いてくれよな🔥
日本大好きおじさん(女です)