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#学園
大正
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*‥・うらら°🌱🐇☁・‥*
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耀聖(ようせい)
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コメント
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うわああ第19話読み終えたよ〜!!😭💕 ディルの遺体発見から始まって、ルルの後悔と謝罪、それを受け止めるシレントさんの優しさに胸がぎゅーっとなった…「生きてる者の勝ち」って言葉、重すぎて泣ける。最後の魔族の襲撃でまたピンチ!次どうなるの!?続きが気になって仕方ないよ!✨
帰り道、ディルの遺体を見つけた。
回収はできなかった。グレンウルフたちが群れで喰らっていたからだ。弄ぶように振り回し、食い千切り、丸呑みする。ゾッとする光景だが、シレントは落ち着き払った様子で彼らに見つからないよう建物の陰から静かに窺いみる。
「ねえ、シレントさん。ディルの遺品は回収できないの? あいつ、ムカつく奴だったけど、遺品くらいは家族に届けてあげないといけないんじゃ……」
「それができるならやってるさ。グレンウルフに喰われたなら無理だ」
群れで行動しているだけで既に危険で、そこそこ強い。挙句、彼らは悪食だ。あらゆるものを餌にして、その身に魔力として蓄える。呑み込んだ時点で変換、吸収してしまう。生き物だけでなく装備品すら餌になるので、回収を試みるだけ、怪我、あるいは命を落とすリスクを抱えなければならない。
「原型も留めていない頭部では、持ち帰ったところで本人かどうかも証明がつかないから、処分される決まりなんだ。僕たちは彼が死んだところを見ていれば別だが、彼本当に彼だったかどうか、ゼロが名前を呼んだわけでもない」
封鎖されたダンジョンではないゆえに、他の冒険者だったケースもこれまでにいくらでもある。廃都インサニアは危険度が高く、適正の強さがあっても滅多と誰も訪れない場所だ。白金級でさえ怪我をして帰ることもしばしば見られた。
「ディルは飛び級をしたかったんだろ? ここは白金級に近いダンジョンだから、君たちの支援に頼って自分だけでも生き残るつもりだったはずだ」
「……そっか、最初から。アタシたちはダンジョンに詳しくないものね」
いつも主導はディルだった。言うことに従ってさえいれば困らなかった。
だが、そうする度に彼の要求はどんどん大きくなり、態度も変わった。
「アタシたちね。あなたを追放するって決まったとき、言い返したのよ。彼みたいな荷運び人はそうそう見つからないって。そしたら、あいつ脅してきたの」
今になって思い返しても悔しい、とルルが歯をギリッと鳴らす。
『いいのか、俺に逆らって。冒険者続けたいんだろ? 華があるパーティの方が良いじゃねえか。それとも、お前らもあっち側になるか?』
冒険者になったのは、ただ稼ぎたいからじゃない。ルルには夢があった。白金級になって、世界でいちばんの魔法使いになりたかったのだ。それを潰されるかもしれないと思うと、臆病になるしかなかった。
「……自分の都合であなたを犠牲にした最低なクズよ。本当にごめん。あのとき、断っておけばよかった。あなたの側に立てば良かったのに」
「なんだ、それで僕が出て行くときに気にしてたんだ?」
シレントはフフッと柔らかく微笑みながら。
「ディルは顔が広いからなあ。おじさんってだけで目立たない僕とは違って、彼は確かに活発で陽気で、よく目立つ子だった。嫌なうわさが流れたら、普通の仕事だって怪しいもんだ。脅すってさ、効果があると思った相手にしかしないんだよ。だから、君は不可抗力に呑み込まれただけ。気にし過ぎだよ」
ぽんぽんと頭を撫でて、煙草を片手に煙を吐く。
「もう死んじゃったんだ、許してあげな。結局は生きてた者の勝ちさ。君たちはこれから自由なんだから、また新しい道を探せばいい」
死んだ人間には閉ざされた未来。前に向かって歩くことさえ拒絶されるのが死という現実。どこまでも分厚い壁の前で立ち止まらざるを得ない。死ねばそこで終わりだ。何も変えられない。どれだけ吠えても、泣き喚いても、明るく振る舞ってみても、彼らの前に道はないのだ。
生きている人間には、その先に行く資格がある。いつか立ち止まるときが来るとしても、先に逝った者よりも前に立てる機会が与えられているのだから。
「ねえ、シレントさん。アタシたち、またパーティになれないかな……?」
口走った言葉に、ルルはバッと顔をあげて慌てふためく。
「ごっ……ごめんっ! こんな馬鹿げたこと言うつもりじゃ────」
「レアナたちに聞かないと、そのあたりは僕も分かんないなあ」
なにを図々しいと言われないかヒヤリとしたが、返事は素朴だった。
「パーティメンバーの募集は銀級以上だから、もちろん条件は満たしてるけど……あくまで制度上の話だろ? 実力的に受け入れてもらえればいいんだが」
当たり前のように受け入れられるもので、ルルは目と耳を疑った。
「あのさ。アタシが言うのもなんだけど、裏切られてるのよ?」
「事情があるなら普通に考慮すべき事実だろ。少なくとも二度目は裏切らない。君がそういう人間じゃないのは、僕もよく知ってるさ。四年も一緒だった」
吸い殻を足下に落として踏み潰し、魔物の気配が近くにないと分かると、さっとルルをお姫様のように抱えた。
「うだうだ考えるのは全部終わってからにしよう。少なくとも、僕は君が嫌いじゃない。きっと仲間に入れてもらえるよ。まだ魔法使いは雇ってないからね」
ボンサックの太い紐を肩に掛け、ルルを抱きかかえながら、シレントは涼しい顔で走り出す。支援魔法で身体強化が施され、普段よりもさらに速い。脱出までの短い道のりは、ルルの記憶に鮮烈に残った。
「……ごめんね、シレントさん。本当にごめんなさい」
「謝らないでくれよ。泣かれたら、どうしたらいいか分かんないからさ」
「だって、アタシ、すごく馬鹿なこと────」
きらりと何かが光った瞬間、シレントは身をよじった。
地面をぶち抜き割る射撃。赤黒く輝く矢によって、シレントとルルは分断される。しかし、二人とも無事だ。それぞれ態勢を整えた。
「クソッ……さっきゼロが言ってたのはこういうことか!」
ぺたぺたと裸足で歩いて来たのは、顔を包帯でぐるぐる巻きにして、片目だけが露出した人型の魔物。否、彼らは魔族を自称する。
「これは驚いたな。まさか二匹ともかすり傷すら負っていないとは。たかが羽虫風情と侮ったせいか、俺の腕も五百年で鈍ったものだ」
背の高いシレントが些か小さく見えるほど半裸の魔族は背が高い。その身には大きな特徴があり、普通よりも長い。特に左腕は右腕よりもいくらか長かった。
背丈よりも長い弓を持ち、手のひらの孔からどろっと垂れた黒い液体が矢になった。矢は魔力を含み、弓に番えると赤黒く輝く。
「さあ、どちらから死にたい?」