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:嘔吐表現注意 CPではない。
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… …?
ここは……?
暖かい、いや、熱い。燃えてる……?
眠たい目を擦り、ぼやけた視界をようやくはっきりさせる。
___あれは……ピザ屋?
「あ、ぁ……」
燃えてる。
ピザ屋が……僕の職場が、燃えてる。
ただ、見つめることしかできなかった。
人が中にいた。
きっと、その人は苦しんで、苦しんで、最後まで救われることなく死んだ。
何も、何もできなかった。
ぼくが……ぼくの、せいで。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――
頭の中で言葉がぐちゃぐちゃに乱れて、どんどん黒く沈んでいく。
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「っは、あ、うっ……」
目に飛び込んできたのは、もう見慣れてしまった天井。
夢。さっきのは、夢だった。
夢だから、大丈夫。……大丈夫。大丈夫……。
びちゃびちゃ、と吐瀉物が床に落ちる音。
「う”っ……おえ……」
肩で息をしながら、呼吸を必死に落ち着かせる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
10分ほど経っただろうか。
少しずつ、思考が澄んでくる。
とにかく、目の前の汚れを片付けなければ。
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しばらくして。
このまま二度寝するのも嫌で、メインキャビンへ向かう。
ギィィィ……と、重たい木の扉を押し開ける。
「あ、ビルダーマン……さん」
「エリオット?」
こんな遅い時間に人がいるとは思わなかった。
机の上にはセントリーの部品だろうか、様々なパーツが散らばっている。
「……大丈夫か?顔色が優れないようだが」
ぎこちない口調で、彼が声をかけてくれる。
「あ、だ、だいじょうぶです……ちょっと、悪夢を」
「……そうか。まあ、大丈夫ならいいんだが……その、もう遅い時間だし、早めに寝ろよ」
「はい……ビルダーマンさんも」
少しメインキャビンで休もうと思ったが、人がいるのならやめておこう。
いや、ビルダーマンさんが嫌いとかじゃない。ただ、今は一人になりたかった。
仕方なく、桟橋へ足を向ける。
水の流れる音。魚が跳ねる音。虫の鳴き声。
そよ風と、ひんやりした水の気配が、少しだけ僕を現実に引き戻してくれる気がした。
……嫌なことを考え出す前に、眠ったほうがいいかもしれない。
そう思い、寝室に戻って無理やり目を閉じ、再び眠りについた。