“異常事態” 番外編(下)
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🐇side
うーん…
🐇「んわッ!!つめたっ!!」
突如頬にひやり、としたものが当たる。
🐤「わ、こんなに驚く思ってなかったです、ごめん先輩…! これ、半分こしませんか?」
といって頬に当たっていた冷たさの原因であったアイスを目の前に持ってきて不安そうに聞く。
何してんねん、僕は。
後輩の前ぐらい、しっかりせな。
🐇「半分する!ありがと〜!」
と言ってあげると、ぱぁっと嬉しそうな表情をするりうちゃん。
ほんと可愛げのある後輩なんよな。本当に。
アイスを食べながらりうちゃんの声を聞いてると、なんだか眠気が襲ってきた。
きっと落ち着くんだろうな。
頭がぽやぽやしてて思考回路が回らない。
え?膝枕?
してほし〜、今秒で寝れる自信あるもん〜…
、あれ?
振り向いて、どしたんやろ。
ん?と思った瞬間だった。
🐤「初兎だけだよ、こんな事言うの」
っ、!?//
な、名前っ…
今まで敬語で話されていた分、急にそれは爆弾すぎる。
🐤「行きましょ〜」
なんて平然としているりうちゃん。
その後ろで、動悸が止まらない僕。
家に帰ってすぐ、うさぎの自分より1.5倍くらい大きいぬいぐるみに抱きつき、顔を埋める。
あれはなんだったんだ…。
「初兎だけだよ」
〜ッ!!///
勝手に思い出して足をばたつかせて悶えてるの、はたから見たら怖いやろな…。
思い出しただけで、顔があっつい。
…せや、今日母さんたち遅いんだ。ご飯作らな。
今日両親は仕事でいない。
小さい頃、母親のオムライスが大好きで、作り方を教えてもらってよく練習したものだ。
よく母さんには
「うん!今日のも美味しくできたね!いずれ好きな子に作ってあげて、胃袋掴んじゃえ!」
なんて笑いながら言われたっけ。
というか、今も尚言われてるや。
いずれやってみたい気持ちはあるけど…。
いつものように手早く準備を進める。
あっという間に3食分作り終え、
2食分にはラップをかけて置く。
“お仕事おつかれさま。よかったら食べてね
初兎”
というメモも添えて。
ご飯も食べたし、お風呂入ってこよ…
湯船に浸かって顔にバシャッとお湯をかける。
その手のまま頬を叩く。
大丈夫。
りうちゃんは、ただの後輩。
先輩らしくせな。
かっこ悪いとこ、みせたくないもんね。
やってる事はもはや自分の洗脳に等しい。
気を引き締めて、今日の朝_。
お泊まり会当日を迎えた。
ふと目ざめて時計を見ると、時刻は丁度6:30を回ったところだった。
いや遠足の日の子供かよ!!
いくらなんでも早いよ!起きるの!!
二度寝しよう、と思ってベッドに向かうも、寝付けず断念。
ん、ちょっと早いけど準備しよ…
🐇「…服、どないしよ…。
これ…ではないよな…。これ…もちがうなぁ…
じゃあこれは…もっと無いわ。
うわぁぁ、どしよ…」
1人ファッションショーを初めて早2時間__。
ん?2時間??
悩みすぎやろ僕。
9時すぎ…か…。
今起きたってことにしてひとまず連絡を。
そこから約1時間後に返信が来て、電話をかけたらあまりにも声が寝起きなので思わず笑ってしまった。
後輩に迎えにこさせるのは申し訳ないが、お昼を自宅で食べるならうちのが良いかと思い、来てもらうことにした。
そこからは大丈夫、ちゃんと先輩らしくないヘマしないように頑張っていた。
きっとまた僕の考えすぎなところが出てたんだ。
そのうち薄れるだろう。
なんて、思っていたのに。
“カップルみたい”
と、第三者から聞こえた途端。
ぶわぁ、と熱があつまる顔。
火照りがやまない
考えすぎちゃダメ、思い上がっちゃダメ。
だめだって…
その時ふと、悠くんの言葉を思い出した。
「好きになる人が男の子でも女の子でも。
初兎が好きなら、なんも悪いことやないやんか。」
ねぇ、悠くん。
僕、思っちゃってもいいのかな
🐤「先輩、ちょっとおでこ触るよ?」
近い
まろちゃんとの距離より、もっと。
目の前に、りうちゃんの顔が。
透き通っていて綺麗な瞳が
僕を見つめてる
自分の気持ちを誤魔化すように早歩きをする。
でも、誤魔化しきれないみたい。
お昼ご飯で「オムライス」を選択肢に入れたのは、無意識のうちに「食べて欲しいもの」を入れてしまっていたんだろう。
この感情が本当に、正しいのであれば
もう少しだけ、楽しい時間を味わってみたい。
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𝐍𝐞𝐱𝐭→♡&💬
コメント
11件
可愛い😭😭😭😭😭😭😭 改めて本当にお話作るのが上手ですよね🤦♀️すごすぎます!次回も楽しみにしてます!!!
うさぎのぬいぐるみ抱きつくしょさん絶対可愛いひょわ〜
うさぎのぬいぐるみのほうが大きいのかわい〜♡ というか1人ファッションショーは女子力高すぎる!! 続きが楽しみです😊