テラーノベル
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午後10時半。生徒たちの入浴時間が終わり、旅館の男湯は大広間のような静けさに包まれていた。湯気で白く霞む広い脱衣所で、司と類は2人きりで着替えを済ませていた。
🌟「ふぅ……。生徒たちの見守りも一段落して、ようやく一息つけるな。修学旅行の風呂というのは、どうしてこうも格別なのだろう!」
腰にタオルを巻き、いつもより少しテンション高めに浴室の引き戸を開ける司。
その後ろから、湯気の中に類がゆっくりと入ってきた。普段のスーツ姿とは違い、濡れると少し細く見える体のラインが、白い湯気の中でどこか艶めかしく映る。
浴室には、ざあざあと溢れる温泉の音だけが響いていた。
🎈「そうだね、司くん。貸し切り状態の大きなお風呂なんて、なんだか贅沢だ。……朝、せっかく司くんが綺麗に整えてくれた髪が、濡れてしまうのは少し勿体ないけれどね」
類はそう言って、慣れたように濡れた手でボサボサの髪をかき上げた。
朝、司が愛おしそうに触れたサイドの鮮やかなネオライトグリーンのメッシュが、湯に濡れてしっとりと肌に張り付いている。
いつも以上に色っぽく見えるその姿に、司は思わずごくりと息を呑んだ。
🌟「な、何を言っている! 髪などまた明日、いくらでも解かしてやる! ……ほら、まずは体を洗うぞ」
動揺を隠すように、司は急いでカラン(洗い場)の椅子に座り、シャワーを出し始めた。
しかし、類は隣の洗い場ではなく、わざわざ司のすぐ後ろのスペースに音もなくしゃがみ込んだ。
🌟「わっ!? 類、お前何をして!……」
🎈「いいから、じっとしていて。……いつも理科準備室でお世話になっているお礼に、ボクが司くんの背中を洗ってあげるよ」
類の大きな手が、泡立てたタオル越しに司の広い背中に触れる。温かいお湯と、滑らかな泡の感触。そして何より、類の体温がダイレクトに背中から伝わってきて、司の身体がビクッと跳ねた。
🌟「ま、待て……! 自分で洗える! ここは浴場だぞ、誰かが入ってきたら……っ」
🎈「誰も来ないよ。さっき入る前に、冬弥くんが『僕は部屋で彰人と会議をするので、お先に行ってください。』って言っていたからね」
類はクスクスと笑いながら、司の肩から背中にかけて、ゆっくりと愛撫するように泡を滑らせていく。広い浴場に響く、肌と肌が擦れる密やかな音。
湯気で頭がぼーっとしてくるのも手伝って、司の吐息が次第に熱を帯びていく。
🎈「ねぇ、司くん。背中、すごく凝っているね。いつも真面目に頑張っている証拠だ……」
類はタオルを置き、今度は素肌のまま、司の首筋から肩甲骨にかけて優しく揉みほぐした。類の長い指先が触れるたび、司の口から
「んっ……、う……」と甘い声が漏れそうになる。
🌟「る、るい……っ、もういい、湯船に、浸かろう……///」
これ以上は限界だと察した司は、真っ赤な顔のまま立ち上がり、逃げるように大きな湯船へと体を沈めた。ザバーン、と豪快に温泉が溢れる。
類もまた、楽しそうに目を細めながら司のすぐ隣へと入ってきた。湯船の中でも、お互いの肩と肩がぴったりと触れ合う。
🎈「ふふ、いい湯だね。……でも、これでしっかり体も温まったし、この後の『夜の見回り』……ますます楽しみになってきちゃったな」
類の月の瞳が、濡れた前髪の隙間から妖しく光る。お湯の熱さのせいだけではない、心臓の激しい鼓動を感じながら、
司は湯面に顔を半分沈めて「バカ類……」と小さく呟くしかなかった。
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コメント
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もう…これはもう完全に2人の空気感がたまらないですね。温泉の湯気と静けさの中で、類がさりげなく距離を詰めて司の背中を洗う流れ、すごく自然でドキドキしました。逃げるように湯船に沈む司の真っ赤な顔が目に浮かぶ……! しかも「夜の見回り」って、あえて言っちゃう類の余裕ある感じ、最高です。2人の関係性が少しずつ深まっていくのが伝わってきて、次が待ち遠しいです!