太宰side
男____ドストエフスキーの正体は不明だ。
唯一わかっているのは、彼が僕に協力(本当にするかは置いておいて)するという事だけだった。
「…信用できませんか?」
薄ら笑いを浮かべ、僕の顔を覗き込んでくる男に、僕は頷いた。
どうせ読まれているのだ。嘘をついて何かが起こった時の方が余程恐ろしい。
「では…これでどうでしょう?」
ドストエフスキーはそう言うと部下を呼び出した。恐らくこの組織の幹部かと思われるそいつは、僕とドストエフスキーの顔を交互に見つめていた。
「あ、え、首領?どうされましt」
ドストエフスキーがその手で部下の方に触れた瞬間、そいつは頭から血を吹き出して倒れた。
異能力だ。
「どうです?幹部を殺したのですが…信じていただけますか?」
殺した。己の部下を、躊躇いもなく。
「全員…」
「はい?」
私の呟きにドストエフスキーが尋ねる。
「全員、構成員全員殺したら、信じます…」
そう答えると、薄気味悪い笑みを浮かべ、
勿論です、と彼は言った。
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