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#み!
まるこ
732
313
紫赤
『La mariée du chat』
⚠︎この物語はフランスをモチーフにしています。不快に思われる方は読まないことを推奨します。
🥀_____…
赤side
ティーカップに林檎の香りがする紅茶を注ぐ。
黄橙色の水面にシャンデリアが反射し、より透き通って見える。
「アップルパイ焼けたよ〜」
穏やかな声が厨房から聞こえ、足を運ぶ。
「うわ、美味そ」
目の前にはホカホカのパイ生地がこんがり焼けたアップルパイ。
パイの隙間から見える林檎はキラキラと輝いている。
「こらひまちゃん!つまみ食いしようとしないのっ。」
めっ!と人差し指を俺に突きつける。
「ちぇ、すちのケチ」
「ケチじゃありません」
「喋ってないで手動かして!」
怒声が響く。
珍しい綺麗な黒髪に桃色の前髪。
カラン、と耳飾りが揺れた。
「らんらん気合い入ってるねぇ」
「…そうだな」
日本から来たらん。
なぜコイツの気合いが入っているかと言うと、
この家の長男、いるま様がアメリカから 帰ってくるからだ。
「いるま様ってどんな人?」
「んー…イタズラが大好きでよく俺も引っかかってたかなぁ笑」
要するにクソガキか。
俺はいるま様には一回も会ったことがない。
ここで働きだしたのは1年前でつい最近だ。
いるま様が留学したのは12歳のときかららしい。そして、6年後の現在。
18歳になったいるま様が帰国するとのことで館中は大騒ぎ。
今はいるま様の帰国祝いとして豪華な食事を用意している途中なのだ。
「ひまちゃん、いるま様とは気が合うと思うよ?」
「俺が?」
五つも年下の相手と気が合ってたまるか。
俺はそこまで幼稚じゃない。
「ちょっとなっちゃん!今紅茶淹れたら冷めるだろ!」
「うげ、お叱りだ」
らんの声が鼓膜を刺激する。
思わず耳を塞いだ。
「あはは、早くいっておいで」
「…はぁ、しゃあねぇなぁ」
_____
「やっ…と終わった、、」
「いやぁ…お疲れ様〜…」
すちと二人でぐったりと壁にもたれかかる。
すると、頭上から声が降ってきた。
「あ、準備終わった〜?」
元気で愛らしい声。
見上げると、アクアマリン色の瞳と目が合った。
「げ、こさめ…」
「げってなんなん!!」
ぷくーっと頬を膨らませ、わざとらしく怒る。
「それでね、なつくん…
掃除手伝って?♡」
きゅるんとした目で上目遣いをする。
コイツが頼んでくることはいつもロクなことじゃない。
「お前の給料から抜くかんな」
「え゛っ。」
冷たいそよ風が頬を撫でる。
暖かい日光を浴びながら、落ち葉を集める。
バタン。
車の扉を閉める音が静かな庭に響いた。
「……綺麗、」
車から出てきたのは、スラリとした青年。
白い肌、琥珀色の瞳。
深い紫色の髪は陽が当たり、アメジストのように輝いている。
この人がもしかして…
「いるま、様…?」
「…誰」
切れ長な目でこちらを見つめる。
さっきまで縦長だった瞳孔が開いて丸くなっている。
…猫みたいだ。
「!いるま様がお帰りになられましたー!!」
近くにいたメイドが大きな声で館に向かってそう言った。
すると、ぞろぞろと中から人が出てくる。
「なっちゃんなにぼーっとしてんの!
早くいるま様の荷物持って!」
らんの声にはっとなる。
急いで鞄を持とうとすると、サッと後ろへ下げられた。
「これぐらい持てる 」
そう言って、館の方へと歩いていく。
「……。」
か、かわいくねぇ〜〜〜………!
その後はもう全員バカ騒ぎ。
いるま様は、特待生としてこっちの大学に入学することが決まったらしい。
「ひまちゃん、大丈夫?」
「んー…?⸝⸝」
酒を飲みすぎた。
ただでさえ強くないのに。
視界が歪む。
体が熱い。
「お水飲もっか。
持ってくるからちょっと待ってて」
そう言ってすちは急いで水を汲みにいった。
「おい、ここで寝るな」
「…?⸝⸝」
ぼんやりとした意識の中、話しかけてきているのが誰かも把握できない。
「すみま…せ、んゎっ…⸝⸝」
次の瞬間、突然体が宙に浮いた。
「…コイツの自室は?」
「え、ぁ3階の奥から2番目です…!」
執事が答える。
俺はワケも分からないまま運ばれた。
ぽつん。
「…あれ?ひまちゃんは?」
_____
紫side
色白によく映える深いルビー色の瞳。
サラサラな髪に長いまつ毛。
とても綺麗だと思った。
「すぅ…すぅ…⸝⸝」
「…ふっ、笑」
犬みたいだ。
「んん……」
ゴロリと寝返りを打つ。
俺はブランケットを彼にそっとかけ、隣に寝転がった。
「…おやすみ」
返事はない。
俺はそのまま眠りについた。_…
_____
赤side
柔らかい朝の日差しがカーテン越しに部屋を照らす。
重い瞼を開け、体を起こした。
「…っい“、て……」
頭が痛い。二日酔いだ。
…それより、誰かが俺を部屋に運んでくれたのだろうか。
そんなことを考えていると、浴室から物音が聞こえた。
「ひ、…っ!?」
「…起きたのか。おはよう」
すると、浴室から現れたのはバスタオル一枚を腰に巻いたいるま様だった。
「へ、…ぇ??」
理解が追いつかない。
なんでいるま様がここに??
最悪な事態を想像し、冷や汗が背中を伝う。
「……っく、w」
「…は?」
突然顔を隠して笑ういるま様。
「安心しろ。心配してるようなことは一切してねぇから笑」
「な゛ッ…⸝⸝」
最悪だ。年下に揶揄われた。
顔がだんだん熱を帯びていく。
「…なぁ、」
「っ!?」
突然、ぎゅっと手を握られる。
そして、猫のような目で俺を見つめた。
「俺と結婚しよう。」
「…は、
はぁ!?!?
コメント
1件
おおっ、第1話からプロポーズ!?!? しかも年下の帰国子女にいきなり「結婚しよう」って…その流れは反則級に胸熱だわ🔥 なつくん視点のほのぼの日常から、いるま様の登場で一気に空気が変わって、最後の猫みたいな瞳の破壊力ヤバかった。 続き、めっちゃ気になる〜!