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nmmn注意
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左右非固定相手固定
ご本人さまには関係ございません
捏造注意
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二話ー高校三年、五月ー
前編
四月には心地よかった春のあたたかな日差しは日に日に力を増し、五月ともなると汗が滲むくらいになってくる。
日曜日の昼前、しばしば額をハンカチで拭いながら、俺は想い人をただひたすらに待っていた。ちなみに今の時刻は待ち合わせ三十分前。
俺の想い人は科学教師で、クラスの担任。なぜ先生と生徒が休みの日に会う約束をしているのかというと、俺たちが相思相愛のラブラブカップルだから……ではなく(なる予定ではあるけど)、ドタキャンされた勉強会のお詫びをしてもらうためだ。
先生とは、俺が『いい子』になれば恋人になってもらうと約束したけれど、まだ告白はしていないし、できることなら落としてあちらから告白させたい。そのための勉強会、そのためのデートなのだ。
どれくらい待っただろうか。しばらくすると信号の奥にどぬく先生が見えた。いつもは一つにして結っている髪は今日は下ろしていて、白衣はカーディガンになっている。
「もふくん! おまたせ、待った?」
「全然。……先生、いつもと違って大人っぽく見えますね」
可愛いですね、とか、髪下ろしてるの似合いますね、とか。思ったことはたくさんあったけれど、結局はからかう言葉しか出てこなかった。ヘタレかよ俺!
「いつもと違ってって失礼な! 先生はいつでも大人なんだけど!」
先生はそんなことを考えている俺を知ってか知らないでか、いつものように頬を膨らませて怒る。
「ほら、すぐ怒るところ。子供じゃん」
「子供じゃない!」
しばらくあーだこーだ言い合っていると、どぬく先生は思い出したようにあっ、と声をあげた。直後、一歩俺に近づき、声を潜めて言う。
「もふくん、今日は先生呼び禁止ね、生徒といるなんてバレたら先生まずいから……」
「……禁止って言った直後に先生って言葉出てますけど」
「あっ」
しまったとでもいうように、どぬく先生は口に手を当てる。本当に気づいていなかったらしい。照れ隠しのようにんんっ、と一回咳払いをした。
「……とにかく! 言ったら俺帰るからね!」
「はいはい、わかってますよ、どぬくさん」
「……それでよし」
うーん、どぬくさん呼び慣れないなぁ。後でどぬちゃん、とか呼んでみようかな。怒られそうだけど。怒った顔も可愛いのが悪いから、仕方ない。
さて、このまま立ち話するのもいいけど、今日はデートだ。俺はどぬく先生の手にしれっと自分の指を絡めて、歩きだす。所謂恋人繋ぎというやつだ。
「えっ? ちょ、ちょっともふくん、手……!!」
そう言いながらもちゃっかり手は握り返している。嫌じゃないのが丸わかり。俺は余裕たっぷりに笑ってみせる。
「何を照れてるんですか。デートなんですから、手を繋ぐのは当たり前でしょ?」
「デ、デー……っ!?」
初めて聞いたわけでもないだろうに、デートって単語だけで顔を赤くしている。可愛いのはもちろんなんだけど、純粋すぎてちょっと心配だ。
「どぬくさん照れすぎ。これから何回もする予定なんだからさー……。慣れてもらわないと困りますよ」
「えっ何回も!? 俺聞いてないんだけど!!」
うん、だって言ってないもん。そう言うと、はぁー、と大きなため息をつかれた。
ことおと
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「ほんっと生意気……」
「そりゃどーも。ところで先生、さては昼飯食べてませんよね? 腹の虫が鳴ってましたよ」
「えっ嘘!?」
先生は驚きに目を丸くして、恥ずかしそうにお腹に手を当てる。呆れたり驚いたり恥ずかしがったり、何かと忙しい先生だ。
俺は可哀想な先生に同情して、さっきのが嘘だということは秘密にしておいた。
「本当本当。実は俺も食べてないんですよね。てことで、まずは何か食べに行きましょうよ。近い所だと……あ、カレーとかどうですか?」
「カレー!? えっ行く! 行こ! 今すぐ!」
食べ物の言葉が出た途端、どぬく先生は目をキラキラと輝かせる。心なしか早歩きにもなっているようだ。本当、素直というか単純というか……。これではどちらが大人かわからない。
はいはい、と笑って、俺も足を動かすスピードを早めた。
ーー
「んん~……!! おいしい……!!」
満面の笑みでカレーをほおばるどぬく先生を、自分のカレーを撮るふりをしてパシャリと撮る。アングルにかなり苦戦したけれど、可愛い先生が撮れたのでよしとしよう。
「もふくんも写真撮り終わったんなら早く食べなよ!」
そう言いながらも、いつの間にか既に皿を全て平らげているどぬく先生の視線は俺の分のカレーへと注がれている。
とりあえず無視をして、一口。なるほど、これは美味しい。先生があんな顔をするのもうなずける。そして、そのどぬく先生からの視線が痛い。
「……一口いります?」
「えっ? そ、そんな、悪いよ……」
悪いよなんて、ちらちらとカレーの方を向かれては説得力がない。あげたいのはやまやまだけれど、俺もお腹が空いている。どうしたものか。
……無駄によく回る頭に、一ついい考えが生まれた。俺はにこにこと笑ってみせる。
「いいですからいいですから! もらってください」
「じゃ、じゃあ遠慮なくいただくけど……」
そう言った先生は本当に遠慮なく、すぐに自分のスプーンを取ろうとする。俺は慌てて、あー、でも。と言った。
「条件があります」
「……条件?」
せっかくもらえるところだったカレーをお預けされてむっとしている先生に、カレーの乗ったスプーンをぐい、と差し出す。
「俺がどぬくさんにカレーを食べさせてあげること。それが条件です」
「……えっ」
「俺だって食べ盛りの高校生ですし。ただであげるわけには、ねぇ……?」
先生が難しい顔をして考えている。耳がぴんと立っていて可愛らしい。今きっと、食べさせられることへの恥ずかしさと、食欲を天秤にかけているのだろう。更に俺は、追いうちをかける。
「ね、どぬくさん。早く食べないと冷めちゃいますよ?」
「もう……。食べる! 食べるから!」
どうやら食欲が勝ったらしい。目で早く、と訴えている。お望み通り、食べさせてあげることにした。目を閉じて口を開けている先生に、改めてスプーンを差し出す。目を閉じる必要がないということはあえて言わなかった。
「……美味しい」
少し不服そうだし、顔は赤いけれど、美味しかったは美味しかったらしい。もう一口、とねだられて目を閉じたので、素直にスプーンを渡そうとする。
渡そうとして、考えからすっかり抜け落ちていたことに気づいた。あれ? これ、そういえば間接……。
「もふくん? ……なんで顔赤いの」
いつの間にか目を開けていたどぬく先生が、不思議そうに俺の顔を見つめる。俺は他に言い訳が思いつかなかったので、素直に言うことにした。
「いや……これ、間接キスだなーって……」
「かっ、かかか……っ!? も、もふくんのばか! 気にしないようにしてたのに!」
先生はとっくに気づいていたらしい。俺より恥ずかしがっているような気がする。そう思うと自分の耳が熱いことなんてどうでもよくなって、ただ先生をからかうことに専念する。俺は意地の悪い笑みを浮かべて、こう言った。
「じゃあ、どぬちゃんは気づいたうえでしてたんだ?」
「なっ……ち、違うから! あとどぬちゃん呼びしない!」
「あいたっ」
生徒相手に叩くことは憚られたのか、額にデコピンが飛んでくる。そこそこ強くて痛い。……どぬちゃん呼びはしばらく禁止かなー。
「というかもふくんは早く食べて! 置いてくよ!」
先生が本当に席を立とうとするのを見て、俺は少し焦る。
「えっ!? ちょ、ちょっと待ってよどぬくさん、これ半分食べていいから!」
「……ほんと?」
どぬく先生の目がキラリと光る。そして、してやったり、みたいな顔をしながら、るんるんで席につく。あー……これ、まんまとはめられたかも。
「どぬくさん、最初からこのつもりだったでしょ」
「いつもの仕返し~。てかそんなこと言ってる暇あるなら食べなよ。俺が全部食べちゃうよ?」
「……あーもうっ」
やけくそでカレーを口の中に突っ込む。案の定、冷めていた。先生も同じことを思ったらしい。
「やっぱ冷めちゃってるね」
「誰のせいだと」
「……俺?」
「わかってるじゃないですか」
つっけんどんにそう言うと、そんなに怒らないでよ、と笑われた。……怒ってる顔もいいけれど、笑った顔の方がやっぱり可愛い。たまには怒らせるだけじゃなくて、笑わせてみたいよなー。……なんて。
「……ベタ惚れじゃん」
わかりきっていた筈のことを、小声で呟く。どうやら俺は先生のことが自分で思っているより好きらしい。幸せそうにカレーを食べる先生を見つめながら、冷めたカレーをまた一口ほおばった。
ーー
後編へ続く
コメント
8件
dnちゃんが大人なのに子供っぽくて可愛すぎます! mfくんしれっと先生って言っちゃってるなw 続き待っております!
※〇‼♨✕△?□! ←言葉にならない程興奮してる
後編楽しみ!てかどぬく先生可愛すぎん…?