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セラフが四季凪と一緒に仕事をするようになって恋心みたいな感情を抱くお話です。
ほぼセラフ視点でお送りします。
元スパイの請負人なんていかにも胡散臭い感じがしてあまり気乗りはしなかったけど、一緒に行動をしているうちに彼の優しさやちょっと不器用なところもいいなって思えるようになった。
「セラフ!おまえまた怪我隠してんな!手当てするからこっち来なさい」
先日の任務で負った怪我に気づかれていつものおせっかいが始まった。
「これくらい別に平気」
「いいから早く腕出せ」
まったくどこまで世話好きなんだか。
でも俺のことを本気で心配してくれてるのはわかるから、それが心地よかった。
「さあ今日はもう休んでいいですよ」
「え、でも今日も依頼あるじゃん」
「怪我を負ったあなたに無理をさせられるわけないでしょう。大人しくしてろ」
「でも…」
「ダメです。安静にしてなさい」
そう言うとアキラは仕事へ出かけた。
「….これくらいの怪我全然平気なのに」
たしかに痛みは少しあるけど動けないほどではない。それに….
「…もしアキラまで怪我したらどーすんのさ」
確か今日の任務先はあそこだったよな。
やっぱり行こう。
現場に着くと相手連中に見つからないように物陰に身を潜めた。
「見張りがちらほらいるなあ、アキラはもう中に侵入できたのかな」
….ドンドンドンパァンッ
「え?銃声?まさか….」
「奴はどこだ!追え!逃すな!」
….奴って誰?アキラ?もしかして追われてる?どうする?ここで下手に出ていくのも危険だし。どこか別のルートで侵入できたら…
思えばそういうのはアキラがいつもうまく誘導してくれて….だから俺も安心して動けてた。
でも今は早く彼の安否を確認しないと。
「….おい、そこで何をしてる?」
背後から男の声がした。
やばい、見つかった….
「って….アキラ?」
振り向くとそこには少し焦った様子のアキラがいた。
「いいから早くこっちに」
アキラは脱出ルートらしき方向へ走り出し、しばらくすると開けた場所に出た。そこには車が停めてあった。アキラが逃げるために用意していたようだ。
「早く乗れ!」
俺は言われるままに助手席に乗り込んだ。
アキラはエンジンをかけるとすぐに車を走らせ現場を離れた。
「なんで出てきた!大人しくしてろって言っただろ」
「だって…」
「まさかまた怪我してないだろうな?」
「俺は平気」
またそうやって君は自分より俺の心配して。
「アキラこそ怪我は…」
「私は大丈夫だ」
「そっか、よかった」
思わず漏れた言葉にアキラはニヤッとした
「なんだ?私があんな雑魚共にやられるとでも思ったか?」
「そうじゃないけど」
君が無事でよかったと心から思った。
「あなたには怪我が治ったらまた一緒に働いてもらうから今のうちにしっかり休んでおけ」
一緒にか、その言葉がなんだか嬉しかった。
俺は君のそばにいたい。もっと君を知りたい。
「ねえ凪ちゃんはさ…」
「な、凪ちゃん!?」
アキラのこういう反応も面白くて好きだ。
「あははっ、そんなに驚かなくても」
「まさかあなたにそんな愛称で呼ばれるとは」
「凪ちゃんも俺のこと好きに呼んでいいよ」
「ええー、セラフ以外にどう呼べと….」
「なんか考えてよ」
「セラー、セラフ…セラダズ?」
「もっとちゃんと考えてよ」
「いきなり振っておいてうるさいなおまえは」
やっぱり君は面白い。これからもっといろんな凪ちゃんを俺だけに見せてほしい。
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