夏空は君色にかがやく
青 「なぁ、俺、もうすぐ死ぬんやって。 」
水 「はいっ!?どゆこと!?」
青 「そのまんまの意味やけど、、、」
青 「余命宣告されたねん、、笑」
水 「はぁっ!?今年こそ海いくって言ったじゃん!」
そう、青くんは重い病気を患っている。
中学三年の時、いきなり学校で倒れた。
今年は高校二年生、中三からずっと入院していたから、今年こそは海へ行こうねって言っていたんだ。
青 「もう1回、水と海見たかったんやけどなぁー、、」
水 「そんな死ぬみたいな言い方はよして」
青 「2ヶ月。 」
水 「え?」
青 「余命2ヶ月やって。 」
青「今5月やし、ギリギリ見れるかどうか、わからんなぁ、、笑」
水 「、、、」
青 「なぁ水?」
水 「なぁに。」
青 「俺は出会ってからずっと嫌いやよ、お前のこと。」
水 「はぁ!?なんでこんな感動シーンみたいなところでそんなこと言うの!?」
水 「僕も嫌いだし!ふん!もう知らないもん!」
青 (ほんと、可愛ええなぁ。)
それから、数週間が経過し、六月となった。
水 「青くん、なんか、ほんとに元気なくなってない?」
青 「そうやなぁ、、もうそろそろってことかぁ、」
水 「ちょ!そんな事言わないでよー!」
とはいえ、もう六月。
水 「、、、ねぇ、青くん?」
青 「なんや?」
水 「絶対、しなないでね?」
青 「、、、おん!」
それから、数日が経過した。
やはり、青くんの容態は悪くなるばかりだった。
医者 「青さんの容態は確実に悪化しています。」
水 「そうで、すか、、」
水 「、、ねぇ、お医者さん?青くんを、海へ連れていくのはダメですか?」
医者「、、、分かりました。良いでしょう。ですが、看護師も同行させます。」
水 「、、!ありがとうございます、!」
水 「ねぇ、青くん?」
青 「、なんや?」
水 「今度、海、行かない?」
青 「行って、いいんか、、? 」
水 「うん、お医者さんに聞いたの。」
青 「でも、もし倒れたりしたら、、」
水 「看護師さんも来るって。」
青 「なら安心やなぁ。水だけだったらやっぱり心配やし、、 」
水 「どういう意味それ!?」
青 「ふっ、、、」
水 「あ、!今日初めて笑ったー!!」
青 「だってお前が面白いのが悪いやん?」
水 「はぁ!?____!」
青 「____、、、」
____
水 「海綺麗だねー!」
青 「せやなぁ、!まだ寒いけど、、なんかラムネとかのみたくなるなぁー、」
水 「なら買ってきたげる!もちろん、僕の奢りね!」
青 「よっしゃっ!!」
水 「ほんとに余命宣告された人!?あなた、、元気なのはいい事だけど!」
青 「笑」
____
水 「はい!買ってきたよ!」
青 「あ、あんがとなー!」
、、、
青 「久しぶりやなジュースなんて!」
水 「僕も飲んでなかったかもー、、」
青 「まじ!?」
水 「まじ笑」
それから、僕らの会話は続いた。
青くんの病気のことも忘れて____
七月のある日、1本の電話がかかってきた。
それは_青くんの入院している病院からだった。
なんとなくは察したけど
医者 「青さんの容態が__!」
僕は急いで準備して病院へと向かった。
____
水 「先生!青くんは、、、!」
そこには、たくさんのコードに繋がれた青くんと看護師さん、お医者さん達がいた。
機械のピッ、ピッ、という音が、僕の心を急かすかのようになっている。
医者 「青さんは、、もう、、、」
嫌だ、聞きたくない。
現実から目を背けるのは行けないこと。
でも、こんなの、こんなのやだよ。
僕は、すっかり、放心状態になっていた。
青 「、、、水、、?」
その声が、あまりにもか細くて、なんだか泣きそうになった。
水 「なぁに?」
青 「いろいろ迷惑かけてごめんなぁ、」
水 「いいよそんなこと!迷惑なんかじゃない」
青 「これ、、、渡しておかなきゃ、」
そう渡されたのは、1枚の封筒だった。
水 「なに、、これ、、?」
青 「後で、、ゆっくりみて、、な、、」
青 「今まで、、本当にありがとう、、 」
青 「大好きやった、、よ、、」
そういい、ゆっくりと瞼を閉じた。
水 「え、やっ!」
ピー。
機械音とともに、青くんは眠りについた。
____
水 (そういえば、こないだ貰った封筒、、)
封筒を開けると、1枚の紙と、写真が入っていた。
「水へ
いつも迷惑かけてごめんな。
最後に海へ連れて行ってくれてありがとう。
小学校からずっと友達で、今まで俺にずっとやさしくしてくれて、、、感謝してもしきれないな。
だから簡単に言わせてもらう。
水、大好きやで。来世でも、また「親友」になろうな。
だから、またね。
青より。」
この文を見た時、涙が溢れ出した。
そして、同封されていた写真を見た。
それは____小学生の時海へ行ったときの写真だった。
なんで僕なんかにここまでしてくれるんだろう。
僕は、しばらくその場で泣いていた。
それから数年。また夏が来た。
白 「おーい、水くーん!遅いでー!」
水 「はいはい!ごめんなさーい!!」
僕には親友ができた。
白 「今日は海行くんやろ?」
水 「はーい、、ごめんなさい、、、寝坊しました、、、」
白 「はい!ラムネ!買ってきたんよ!」
水 「ありがとー!!」
なんだか、昔に戻ったみたいな気持ちになった。
水 「おいしいよねこのラムネ!」
白 「え、飲んだことあるん!?僕飲んだことない!」
水 「えぇ!?嘘でしょ!?」
白 「ホントだって!笑____!」
水 「____!」
水 「、ん?」
なんとなく、近くに青くんがいるような気がした。
まぁ、気の所為だよね。
白 「どうしたん?」
水 「いや、なんでもなーい!」
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コメント
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え、なにこの話死ぬほど悲しい…。ノベル書くのうますぎね?え?