「おっ上手だな〜みっちゃん。クマさんか?」「うん。ママに教えてもらったの!あきらくんもブタさん上手に描けてるね」「ハハハ…ありがとう…な」ブタじゃなくて、ネコなんだけどな…。昔から画力がないのは学校の成績表で証明済みだ。にこっと笑い「あきらくんのも可愛い〜ね」なんてダメ押しをされたら、それ以上言えない。訂正するには説得力に欠ける出来栄えに、仕方なくブタを書いた事にしておこうと決め、湊はにっこりと微笑み返した。「誰ですか、その娘?」店の入り口には、いつものようにシンが立っていた。「シンっ!?」いつから聞いていた?「常連さんの娘さんだよ。っうか、なんか顔…怖いんですけど、もしかして…怒ってる?」「当たり前です。湊さんに向かって『可愛い』と言っていいのは俺だけですからっ」そこから聞いてたのかよ…。また、シンのめんどくせぇのが出た…。「こんな小さな子と張り合ってんじゃねぇっつーのっ!」「年齢は関係ありませんっ!じゃあ聞きますけど、俺以外から可愛いって言われて湊さんは嬉しいんですかっ?」あ…圧がすげぇ…。「……シンちゃん。みっちゃん怖がってるからやめたげて」「あきらくん…誰…?」「湊さんの恋…」「シンっ!」慌ててシンの言葉を遮る。恋人宣言なんかしたら、もっとめんどくせぇ事になりかねない…。「シンちゃん落ち着いて、ね。みっちゃんは、俺にじゃなくて、俺の描いた絵に可愛いって言ったのっ!」「何が違うんですか?」「全然、全く違うだろっ!」うーんと、シンは考えると「俺に、くださいっ!湊さんが描いたブタの絵」「……ブタじゃねぇ…ネコだ…」シンにだけ聞こえるように小さく言った。「すみません…」「謝んな…ばか…」「……」「…こんな絵でいいのか?」うんうんっと、強く頷くシン。「まっ…いいけど…」ほらっと、渡す。シンは、受け取った絵を丁寧に折りリュックにしまう。にんまりと微笑むシンに「お前…まさかこれで勝ったとか思ってねぇよな?」黙ってるシンは、何か良からぬ事を企んでる目をしている。リュックを大事そうに抱えると「たくさんプリントして部屋中に飾りますっ!それと、お揃いのTシャツ作って…」キラキラ目を輝かせている。
「……シンちゃん、お願いだからそれ返して……」
これが1番めんどくせぇ事になった、と頭を抱える湊だった……。
【あとがき】
突如浮かんだお話を書いてみました。
簡単にで申し訳ないです…。
では…。
2025.4.29
月乃水萌
コメント
6件
シンみなはやっぱいいわ…✨✨
今回も最高すぎます👍 シンちゃんは誰にでもヤキモチやいちゃうし湊さんが書いたやつは全て欲しくなっちゃいますね💕︎ シンちゃん可愛いですね♡♡