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マッシュルパロ
(主人公 視点 : 湊 白夜) (サブ主人公 : 名月 零華)
🥀(湊) 💠(名月)
『 心の鍵穴に合う鍵を 』
(フィン・エイムズ視点からスタート)
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第一章 突然現れた魔法使い
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「うぅ、ここどこぉ・・・??」
現在進行形で実技試験中の僕、フィン・エイムズ。
しっかり迷ってしまいました。
先程まで隣に居た筈のマッシュの姿はもう見えず、
木に囲まれた場所で蹲る。周りを見ても人の影すら見えなくて、自分は今本当に試験中なのだろうかと疑うばかりであった。もしかすると、試験外の場所に来てしまった可能性も無きにしも非ず。さて、ここからどうしようか。
今回の試験は、進学に大きく関わる。ボーダーラインギリギリの僕からしたら、それはそれは、もうそれはとても大事な試験なのだ。ここで諦めては、マッシュと一緒に進学頑張るという約束を破ることになってしまう。それはまずい。どうにかしてマッシュと合流しなければ・・・。
ドンッ
「ひぃッ!?!?!?」
何やら大きな音が、この林の先から聞こえた。怖すぎる。何処ぞのホラー映画かよ…と心の中でツッコミを入れた。この音の正体が分からないため、恐怖で足を震わせた。だが、気になる。もしかすると、近くで戦闘を繰り広げている実技試験中の生徒かもしれない。そうしたら、帰り道も分かる筈だ。少しの拒絶と戦いながらも、音がした方へ足を向かわせた。
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大きな平地に出た。この多くの木の中にこのような場所があったのか。周りを見渡し、再度音の正体を認識しようとしたが、そこには何も居なかった。何も居ないという安堵と、じゃあさっきの音の正体は・・・という恐怖心でメンタルがぶっ壊れ始めた僕は、ここに居るよりかは、先程居た場所に戻った方が安全だと考え、つま先を通った道へ向けた。直後。
「・・・!?」
身体が動かない。周りには誰も居なかった筈。
(何かの魔法・・・!?いや、それともトラップ・・・!?)
思考を巡らせれば巡らせるほど、この状況が分からなくなっていた。助けを求めようと声を出そうとしても出ない。どうしよう。このままでは、試験に落ちるどころか、フィン・エイムズ自体が行方不明者として扱われてしまう。そうすれば・・・、兄や友達から幻滅され、また虐められる日々を送るかもしれない。絶望のどん底に落とされた気分だ。
(・・・へ、?)
気づかないうちに、自身の周りには数多くのナイフが自分に牙を向いていた。少し目を瞑っていた、たったの数秒間。これ程多くの数を音も立てずどうやって自分の周りに設置したのか。すると、ひとつのナイフが頬をかする。本格的にマズイ状況になった。下手すれば、自分はこのまま死んでしまうかもしれない。怖い。叫びたいのに叫べない。
(誰か…助けて…!!!)
強く目を瞑った瞬間。
??? 「君 、大丈夫?」
「・・・へぁ、 ?」
目を開けると、1人の見知らぬ人が箒(ほうき)に乗った儘、僕を見つめていた。はっ、と気づいた時には、周りにあった多くのナイフが下に転がっており、身体も自由に動けるようになっていた。
またしてもよく分からない状況に頭を悩ませた。
(とりあえず、僕は助かったの・・・か?)
???「その制服・・・。あそこの魔法学校か。危ないところだったね」
「あの・・・、ありがとうございます!!」
???「いやいや、大丈夫大丈夫︎👍🏻こんな酷いとこにトラップ引かれてたら、こっちも最悪だったし、」
なんてことを言われて、はっとした。
「き、聞きたいことがあるんですけど・・・」
???「んー?」
「ここってどこ・・・なんでしょうかね・・・?」
ポカーンとこちらを見る見知らぬ人。
???「も、もしかして君・・・授業中・・・?」
「いやっ、あのちがくて!!しっ、試験中!!試験中で~・・・」
???「試験中!?!?超やばいじゃん!?」
「そうなんです・・・。だからその、魔法学校がある場所を教えていただけないでしょうか・・・?」
ダメ元でお願いをした。
もしこれが断られてしまったら、進学をするために不眠不休の日々が続くだろう。
???「それを早く言ってよ!?」
「ハイ!?!?もうほんとすいませんッッ!?」
反射で謝罪の言葉を口にする僕。
???「ちょ、もう、試験中とかがちやばやばだから早くここ立って!!」
薔薇の茨のようなもので円を作る見知らぬ人は、焦ったような顔でそう言った。
??? 「 “ warp gate ” 」
魔法を唱えた見知らぬ人。気づくと茨で囲まれた円は光だし、僕は急な浮遊感に襲われた。
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浮遊感が失せた時、僕は試験場に飛ばされたことを認識するのに時間がかかった。さっきの人が飛ばしてくれたのだろう。確かに、「ワープゲート」と唱えていた。ありがたいのと、試験が終わっていないことを確認。周りを見渡すと、すぐ近くに試験で手に入れなければならないモノがあり、あっさり条件クリアで試験が終了した。
試験終了ゲートを通ると、はぐれた友達がシュークリームを食べて待っていた。
🍄「あ、フィン君」
「あ、マッシュ君!」
お互い試験をクリアしたことに喜んだ。
(良かったぁ・・・。これも、あの人のおかげだな。)
(お礼しないとな)
🍄「どうかしたの?」
「へっ!?あ、いやいやいや、なんでもないよ。」
🍄「ならいいんだけど」
顔に出ていただろうか、自分の片方の手で頬を撫でる。
またあの人に会ったら、何か美味しいお菓子でも渡そう。
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それから1週間が経った。
今日は一日掛けてアドラ寮とオルカ寮の合同授業があるらしく、朝早くからマッシュが扉を破壊した音で目覚め、寝起き最悪な状態で授業へと望んだ。
すると、身に覚えのある姿が映った。
「あっ、あの!!」
???「?・・・あ!」
??「?・・・どしたのやっさん。」
この間、試験の時に助けてくれた見知らぬ人が、オルカ寮のローブを着て、合同授業に参加していた。
「この間は助けていただき、ありがとうございました。お陰様で、試験合格出来ました、本当に・・・感謝しきれないです。」
???「その件ね、大丈夫だよ。試験合格おめでとう。」
「あっ、ありがとうございます!!」
何度も深くお辞儀をする僕を見て、
🍄「フィン君、この人知り合いなの?」
とマッシュが問いただすので
「あぁ、この人は、僕が試験の時に手助けをしてくれた人なんだ。本当に助かったんだよ。」
🍄「そうなんだ。どうも。マッシュ・バーンデットです。」
???「あぁ、君がパッチョが言っていたマッシュ君か。」
「パッチョ・・・?」
🍥「何、呼んだ?」
「はひぃっ!?!?!?」
後ろからすごい形相でこちらを覗いてきたのは
僕が選抜試験の時に戦った、カルパッチョ・ローヤンであった。あまりにいきなり過ぎて自分の声とは思えないほどマヌケな声が出た。
🍥「・・・ちょっと、人の顔みてその反応は良くないでしょ。」
「ゴメンナサイほんとにスミマセン許してぇ…。」
???「パッチョ・・・何したの君。」
🍥「君は知らないだろうけど、選抜試験でちょっと戦っただけだよ。」
???「君…どうせ加減を知らなかった感じでしょ。」
??「確かに、ローヤン君なら有り得る。」
???「だよね。」
マッシュはそうなんですよと言うように首を縦に振る。
僕もそれと同様、マッシュとは段違いの速さで首を振った。あの時の恐怖と痛みは、今でも忘れられないほどのトラウマだろう。思い出すだけで背筋が凍る。
(そういえば、この人たちオルカ寮生だったんだ・・・。
でも、入学試験の時に見たことないな・・・?)
???「自己紹介を忘れてたね。改めて、」
🥀「僕はミナト・ルーヤン。最近転入してきたから、あまりこの魔法学校の事は詳しく知らないんだ。違う寮だけど、仲良くしてね。」
ステータス
名前 ミナト・ルーヤン 🥀
︎︎◌オルカ寮 転入 生徒
︎︎◌固有魔法 『” Rose cage “』(ロ-ズ ケ-ジ)
➞薔薇の茨を自由に操り対象を確保。展開させると、茨の棘が巨大化し、対象者に牙を剥く。また、棘には毒が仕込まれており、1度喰らえば目眩はもちろん、身体が痺れて少しの間行動不能にできる。ただし、展開(毒入り)の場合は魔力の消費量が激しいため、あまり(毒入りは)使わない。
︎︎◌最近入ってきたばかりなのにカルパッチョ・ローヤンと仲が大変よろしい・・・らしい ←ということは・・・。
︎︎︎︎◌カルパッチョをパッチョと呼び、揶揄うのが大好きなタダのドS。
︎︎◌とにかく変。
🥀「レイも、挨拶しとき。」
「?」
??「えっ、私!?!?えぇーっと・・・。」
💠「レイカ・イール・・・です、やっさんと同じで、最近転入しましたぁ・・・。でいいんだよね!?( 」
ステータス
名前 レイカ・イール 💠
︎︎◌オルカ寮 *転入* 生徒
︎︎◌固有魔法 『 “ *aroma* illusion “』(アロマ イリュ-ジョン)
➞白紙の御札に魔法を唱え、様々な華を具現化させ、華の香りで対象に幻覚(幻)を見させる事ができる。
ただし、華の香りを漂わせるには具現化した華を対象に嗅がせられる位置に刺す必要がある。また、治癒するための華もあるが、魔力の消費量は激しい。
︎︎◌湊 白夜と共に行動している。
︎︎◌妹が大大大好きなシスコンの姉
︎︎◌まともの時とまともじゃない時のテンションの差は誰もが驚くほど激しい。
︎︎◌こちらも、カルパッチョ・ローヤンとは普通に喋れる仲である。
🥀「ナイス自己紹介︎👍🏻」
💠「急すぎてビビったよ。」
2人の自己紹介が終わったところで、授業開始の鐘が鳴った。オルカ寮の3人は少し急ぎめに自分たちの寮の集まりへと行った。
🍄「なんか、カルパッチョがあんな風に扱われてるの、ちょっと不思議。」
「・・・そうだね。」
これからが楽しみだ、なんて他愛のない会話を少ししたところで、こちらの寮も集まりの声がかかった。マッシュと僕も、オルカ寮の3人のように足を早く向かわせた。
𝐍 𝐞 𝐱 𝐭 ⬇